あくたれラルフ ジャック・ガントス/作 ニコール・ルーベル/絵 石井桃子/訳
<どんな絵本?>あくたれねこの ラルフは、セイラのねこでした。
あくたれでも、セイラは、ラルフがすきでした。セイラのバレエのおけいこの様子をからかってみたり、セイラが乗っているぶらんこの下がっている木の枝を切ったり・・・
セイラのお父さんにも、お母さんにもあくたれて、怒られています。
ある晩、家中でサーカスを見に行ったときに、ラルフはいたずらをしまくります。
「きょうの ラルフのいたずらは、ひどすぎる!」
「あいつをここへおいておこう。サーカスにすむのが、やつには ちょうど おにあいなんだ」結局家族は、ラルフをサーカスに置き去りにして家に帰りました。
ラルフは、サーカス小屋でこき使われます。
一週間たって、ラルフはおりを抜け出し、町の横町に寝る場所を見つますが、一晩で懲り懲り。
「ぼく さびしい」とおもって、ラルフはなきだしました。その間、セイラはラルフを探し歩いていました。
やっと見つけてラルフを家につれて帰ると、お父さんもお母さんも大喜び。
ラルフは、このいえには やわらかいベッドと、あたたかいミルクが あるんだなと、そのことをなによりうれしくおもいました。
それから、セイラみたいな いいともだちがいて ほんとうに よかった とかんがえました。2度とあくたれはしまいと思うラルフでしたが・・・・
<初めて読んだ4才6ヶ月のヒメの反応>「この本、幼稚園で読んでもらった。みんな笑っていた」と言っていたヒメ。
「あくたれって何?」という質問から始まり・・・サーカス小屋でひどい労働を強いられている姿を、さみしそうに眺めていたり、ゴミ捨て場でやくざな猫に、気付かれないように息をひそめているラルフの絵を見て、一緒にドキドキしたり・・
読後に「なんかこの本怖いね。」とあまり笑顔を見せてくれませんでした。
<おすすめポイント>人相の悪さといい、人を激昂させる悪態ぶりといい、絵本の中でやりたい放題やってくれているラルフの行動を楽しめます。
どんなことをされても、味方になってくれるセイラの優しさを、一人ぼっちになって、極限まで追い込まれてようやく気付くことができたラルフの心情に触れることができます。
ラルフの改心でハッピーエンドかと思いきや??の結末も面白い。
子どもは、ラルフを、自分のことに投影させて読むことでしょう。
原題は『ROTTEN RALPH』「rotten」を、「あくたれ」と邦訳することで、原題からのイメージよりも、ラルフが憎めない存在に感じられます。
<現在5才10ヶ月のヒメの反応>登場人物だけでなく、その背景に描かれているシュールな絵が気になるようで、事細かに見ています。
「うでっぷしのつよいあんちゃんが、ラルフをおりにほうりこみました」の「あんちゃん」って何?と何回も聞いてきます。(説明が難しいなあ・・)

ゴミ捨て場でゴミをあさっているラルフの背景に、サーカスでラルフがいじめた観客の犬を見つけたり、ラストページでなおもいたずらをしているラルフの後ろに、お父さん、お母さん、セイラ、ラルフの写真が額に入っているのが飾られているのを見て喜んでいます。
<まつりかの感想>まさしく外国の絵本、というタッチの絵。セイラの家の壁紙には、大柄のモチーフが描かれ、登場人物の言動もストレート。
どんなにあくたれていても、それを見守ってくれている人がいるという温かさに心がなごみます。
ヒメは、最近憎まれ口をきくことが頻繁で、一人っ子ならではの奔放でわがままな言動が多くて、しかることも多いのです。
まさに「あくたれ」。
入院している間、義母に来てもらい、退院後の今も、まだいてくれているのですが、義母に対しても容赦なくあくたれています。
絵本で子どもの性格や行動をかえようなどと考えるのはナンセンスだとわかっていながらも、ヒメの目に余る行動に、さりげなくこの本を選んでしまいました。
しかし、逆効果ですね。ますます意固地になってしまい、あくたれぶりはエスカレートしています。
「わたし思うんだけどさ〜、お母さんが入院したのは、いつも怒りんぼだから、神様が罰を与えたんじゃない?」
「おばあちゃんは入れてあげないよ、だって仲間じゃないもん」
んも〜、この「あくたれ」期は、いつまで続くのか・・
「幼稚園でお友達にもそんなことをいうの?」と義母がヒメに聞くと、
「ううん、お外ではこんなこといわないよ」と言ったそうです。
甘えているのでしょうかね。言っても許してくれる人を選んで言っているんでしょうが・・・
あまりに憎まれ口が過ぎるので、私がひどく叱ると、黙々と紙に何かをかきはじめました。
そして、それをポイっと投げつけてきたのです。
「おかあさんは きらい。まあ、すきなときも あるけどね」嫌い、と言い切るほどの勇気もなかったのでしょうか

この殴り書き・・大切に持っておこうと思います。