ちびっこかたつむり 久保秀一/写真 七尾純/文
<どんな絵本?> ちびっこかたつむりは、雨をよけて葉っぱの裏へ一休み。 湿った空気は大好きだけど、雨は嫌い。 ちょうちょも葉っぱの裏で休んでいる。 でも、アマガエルは、雨が大好き。 そんなアマガエルに誘われて、ちびっこかたつむりも、上のほうに枝をつたってゆっくり移動。 雨がやんで、アジサイの花の上に到着したちびっこかたつむりは、おなかがすいて、やわらかい花びらを食べました。 写真にお話がつけられた自然観察絵本 <おすすめポイント> 紫のあじさいの花、露にぬれた緑の葉や茎、そしてそこを移動する、かたつむりの姿が美しく撮られています。 ちびっこかたつむりの目線で描かれた文章は、優しく物語られていて知識を得ることだけでなく、お話として楽しめるため、カタツムリを見たことのない子どもにも、とっかかりになる本かと思います。 裏見返しの、「カタツムリのひみつ」には、「貝殻・粘液・腹足・歯舌・産卵」についての説明があり、科学知識が学べます。 <現在5才0ヶ月のヒメの反応> かたつむりが、体をぐーんと、まるでスライムみたいに伸ばして、離れた葉っぱへと渡る写真にくぎ付けです。 でもそれ以上に、アマガエルの跳躍写真に「すごい!」と手をたたいて喜んでいます。 <まつりかの感想> 5月末の雨の日、夫と散歩に出かけたヒメは、直径3センチほどのかたつむりを持って帰ってきました。こんなに大きなかたつむりは、私もはじめて見たので感激! ![]() 翌日も雨。私は、自分でも見つけたくて、ヒメに前日見つけた草むらに案内してもらい、葉っぱをひっくり返しながら歩いていると、そこかしこにいる!それもみな直径2センチはある。結局5匹を我が家で飼うことにしました。 雨の日は、飼育ケースから出して、マンション下の植え込みの葉っぱの上をお散歩させて。ところがある日2匹が行方不明になってしまいました。 それからしばらくして、その植え込みの土に小さなかたつむりを発見。よーく目を凝らしてみると、米粒くらいの、殻を背負ったかたつむりがたくさんいたのです。 かたつむりは、雌雄同体。きっと、行方不明になった2匹が交尾をし、産卵したのかも。 カタツムリを飼育するにあたって、図書館で借りたのがこの本と、もう一冊、 『カタツムリ』 草野 慎二 栗林 慧/写真
こちらは、カタツムリが巻貝の仲間であることから始まり、世界のカタツムリの種類も紹介されており、カタツムリの生態についてもより詳しく、写真も豊富で図鑑として楽しめます。 ちなみにカタツムリは、食べるものによって違う色の糞をします。ニンジンを食べたらオレンジの糞、葉っぱをたべたら緑色の糞、新聞紙をたべたら黒い糞。そして、これ は、パチンコ屋さんのチラシを食べた時の糞の様子。白ベースに赤いインクだったそのチラシ。見事に糞に表れていますでしょ。ピーク時には、孵化したばかりと思われるカタツムリも含め、8匹がいました。並んで記念写真 ![]() ![]() 梅雨明けをした関東は、連日猛暑が続いていますが・・うちのカタツムリ君たちは、今も元気いっぱいです。現在、大きいのが2匹と、小さいのが2匹。レタスやニンジン、新聞紙、卵の殻などバリバリ食べています![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
だめよ、デイビッド! デイビッド・シャノン/作 小川仁央/訳
<どんな絵本?> 壁に落書きをする、棚の高いところにあるクッキーを取ろうとする、外から泥んこのまま部屋に入ってくる、お風呂の中で激しく水遊びをする・・・・ デイビッドの行動に、ママは「だめ!」と叱る。 まちなさい、どこいくの デイビッド! デイビッド、しずかにっ! たべものであそぶんじゃないの! そんなにいっぱいいれないの! もう おへやいきなさい! ふざけないの! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 怒られてばかりのデイビッドだけど、懲りずに悪さを働きます。 そして、やってはいけないと言い聞かせられたことをやってしまい、こっぴどく叱られて、しょげているデイビッド。ママはそんなデイビッドをどうするかな? <初めて読んだ3才7ヶ月のヒメの反応> デイビッドが鼻の穴に指をつっこんでいる場面で、大笑い。まねをしながら、「お母さん怒って〜」と言っています。 デイビッドの悪戯ぶりを、面白がるどころか、「こんなことやったらダメなんだよね。」と、優等生的な意見を述べています。ラストシーンには、ほっとするようで、デイビッドと同じように私に抱きついてきてニッコリ。 <おすすめポイント> どんなに怒られても、次から次へと自分のしたいことを、したいようにやってのけるデイビッドの行動が斬新。 大きな頭に細い手足、丸と三角で描かれたデイビッドの顔は、シンプルながらも豊かな表情。各場面、見開きをいっぱいに使って、デイビッドのいたずらを描き、文章は、デイビッドの行動を説明する言葉は一切なく、ただママの叱る一言が短く添えられている。 目でデイビッドの悪戯ぶりを見て、耳ではママからのお叱りを聞くという構成になっているこの絵本。デイビッドに共感しともにこのいたずらを存分に楽しむ子や、客観的に見ることでママ目線に共感して読む子など、いろんな角度から楽しめるはず。 ラストは、テンポが急にゆるやかになり、ほっとさせてくれる。 原題は『NO, DAVID!』 <現在5才0ヶ月のヒメの反応> 「だめ」と言われれば、案外と素直に聞くヒメは、今までひどく叱らなければならないほどの行動をとったことはありません。しかし、やはり思いきりやってみたいという欲求はあるのでしょうか、いけないといわれても、とことんやってしまうデイビッドと、それを叱るママの言葉を、全身で楽しんでいます。 <まつりかの感想> ダメ!と、強く注意しなければならないことも、子どもの年齢があがると減ってきます。5才にもなると、ダメな理由をちゃんと伝えられるくらい、ヒメにも聞く余裕が出てきて、またそれを理解しようという力もついてきているのでしょう。 そういう意味では、3歳ころが最も性質が悪かった んじゃないかなと思います。やってはいけないということを理解できても、好奇心の方が勝って、わざとやってみる。その先どうなるか予測することが未熟で、何かが起きてから反省をするという繰り返し。明らかに男の子の方が、大胆な行動に出てママの怒りをかうことが多いようです。友人の3歳の男児は、未使用のトイレットペーパーを2個、おもむろに掴んだと思ったら、次の瞬間便器の中に放り込んだそうです。また別の3歳児は、お母さんがパセリの苗を買ってきて、プランターに植えかえ、手を洗いにいったそのわずかの合い間に、せっかく植えた苗を根こそぎ抜いてパセリをほおばっていたそうです。 もしも、ヒメがこんなことをやったら・・鬼の形相で怒っているわが姿が目に浮かびます。そのママも、2オクターブくらいの低音で「なにをしているんじゃ〜」と、怒りをあらわにしたそうで。 絵本の中のデイビッドは、家の中で野球をしようとして叱られたにもかかわらず、実行してしまし、花瓶を割ってしまいます。 「ほうら わかったでしょ、デイビッド!」というママ。そこには、部屋の隅に腰かけて涙を流しながらしょんぼりしているデイビッドの姿が。 次のページをめくると、目をうるうるさせて、両手をいっぱいに広げたデイビッドに、ママは 「デイビイ、こっちに おいで。」 と言います。 そしてラストは、お母さんの腕に飛び込み目を閉じて頭を撫でられているデイビッド。 「よしよし、デイビッド・・・ だいすきよ!」 怒られてばかりだったけど、ママはちゃんと自分を受け止めてくれる。 怒ってばかりだけど、あなたが大好きよ。 親は子どもにとっての港でなければならないんでしょうね。受け止めてくれる、認めてくれるという安心感があれば、子どもは羽を大きくはばたかせることができるはず。「だめ だめ」と言い続けて委縮させたり、ただただ怒るだけで突き放してしまえば、十分に羽を広げることができなかったり、変な方向に羽ばたいてしまうのかもしれませんね。 ![]() |
100まんびきのねこ ワンダ・ガアグ/作 石井桃子/訳
<どんな絵本?> 年をとったおじいさんと、おばあさんは二人きりの生活で、とてもさびしく、ねこが一匹いたらいいな、という、おばあさんのために、おじいさんは、丘を越えてねこを探しにでかけました。 長い間歩いていくと、とうとう、ねこでいっぱいの丘に出ました。 そこにも ねこ、あそこにもねこ、どこにも、かしこにも、ねこと こねこ、ひゃっぴきの ねこ、せんびきの ねこ、ひゃくまんびき、一おく 一ちょうひきの ねこ。 おじいさんは、どのねこを見てもかわいく思えて、とうとう、そこにいるねこを、みんな連れて帰ることになりました。 おばあさんは、あまりのねこの数に驚き、これだけのねこを養うと自分たちが食べていけなくなると言い、どのねこを家に置くか、ネコ自身に決めさせることにします。 「おまえたちの なかで、だれが いちばん きれいな ねこだね?」 「わたしです!」「ぼくです!」「いいえ、わたしです!」 どのねこも自分が一番だと思っていたので、大変な騒ぎになり、家に逃げ込んだおじいさんとおばあさんが、しばらくして窓の外を見てみると、あたりは静かで、草の間に一匹だけやせこけたねこがいました。他のねこは、みんなで食べっこしてしまったのです。 一匹だけ残ったのは、自分のことを、みっともないねこだと思っていたので、だれもかまわなかったから。 おじいさんとおばあさんは、このねこをきれいにして、ミルクを飲ませ、大切にかわいがりました。 「この ねこは、やっぱり とても きれいですよ!」・・・ 「いや、この ねこは、せかいじゅうで いちばん きれいな ねこだよ。わたしには、ちゃんと わかるんだ。だって わたしは、ひゃっぴきの ねこ、せんびきの ねこ、ひゃくまんびき、一おく 一ちょうひきの ねこを みてきたんだからねえ」と、いいました。 <初めて読んだ4才3ヶ月のヒメの反応> ねこたちが食べあう・・・ということ=殺し合いをした、ということに、しばらく考えてから気づき、それを想像して「こわいね〜こわいね〜」と繰り返していました。 最後のページにある、おじいさんとおばあさんの結婚式の写真?と思われるものが壁にかけられているのを見て、「この人たちも、若い頃があったんだね」と、何やら感慨深げな発言をしています^_^; <おすすめポイント> 全編モノクロで、細密な筆使いで、数えきれないほどのネコや、風景が描かれています。 横長の判型をうまくつかって、おじいさんが、長い道のりを経てネコを探しに行く動きをあらわすなど、画面の連続性に注意をはらって作られています。 「ひゃっぴきのねこ、せんびきのねこ・・」のリフレインは、おびただしい数のネコがいる様子を、リズミカルにうたっています。 1928年に初版。原題は『MILLIONS OF CATS』 見開きをいっぱいに使い、奥行きのある構図で描かれた絵は、文章でなく絵そのものが物語っているという点で、近代絵本の草創期の代表とも言われる作品。 <現在4才10ヶ月のヒメの反応> 「ひゃっぴきのねこ、せんびきのねこ・・・」のフレーズになると、ここぞとばかりに声高らかに唱和しています。 おじいさんが長い道のりを歩いていく様子を描いている場面では、その道のりを指でたどって楽しんでいます。 白黒で描かれた絵は、よ〜く見ると、なんだか気持ち悪く感じるところが多々あるようで、とくに山肌や草を細かく描いている絵には、「わーこれ気持ち悪い 」と叫びながら手で覆っています。<まつりかの感想> 今から80年も前の作品でありながら、全く古さを感じさせません。色味は全くない、モノクロの絵は、子どもを最後まで飽きさせず、むしろぐいぐい引き込んでいく力があります。 そして、訳はやっぱり・・石井桃子さん。意表をつくシュールな展開の物語でありながら、美しい日本語使いに、読後は後味も良く、余韻を感じられます。 見開きの使い方や、構図、文章ありきの挿絵ではなく、絵で物語を運び、絵そのものを楽しむという点など、それまでの絵本では考えられなかったといわれていますが、今では当たり前に思われることでも、当時の人にとってはどんなに斬新に感じられたことでしょう。 絵本の冒頭にある文章↓ ふたりはこぢんまりした きれいな いえに すんでいました。そして、いえの まわりには、ぐるっと はなが さいていました。それでも、おじいさんと、おばあさんは、しあわせでは ありませんでした。ふたりは、とても さびしかったのです。 そして・・ 絵本の最後のページには↓ おじいさんが葉巻をくゆらしながら椅子にすわり、おばあさんも椅子に座って靴下を編みながら、足元で毛糸とじゃれているネコを眺め、壁には二人の結婚式の写真が飾られているのです。 そこには、「ねこのおかげで、昔のような幸せが訪れました」とでもいうように、晩年を迎えた老夫婦が、ねこを飼うことで幸せを感じているのがわかります。 きっと、ねこが来るまでは、こんなふうに二人でテーブルをはさんでゆっくり時間を過ごすことが、何年もなかったんじゃないかと想像させるような。 「かわいくてちいさくてふわふわしたねこ」が欲しいというおばあさんのオーダーに、おじいさんが必死でこたえようとする様子、そしてとんでもない数のねこを連れて帰ってしまうところに、おばあさんが、少し怒っているような言葉を発するのをみても、おじいさんとおばあさんの力関係をうかがえたりして。。80年前も、妻の方が夫より強かった ![]() ![]() |
でんしゃにのって とよたかずひこ/作・絵
<どんな絵本?> うららちゃんは おばあちゃんの ところへ ひとりで でかけます。 ・・・・・・ おりるえきは 『ここだ』えきです。 ガタゴトー ガタゴトー ガタゴトー ガタゴトー 「つぎは わにだー わにだー」・・・・・「つぎは くまだー くまだー」・・・・「つぎは ぞうだー ぞうだー」・・・・ 乗客が次々と乗ってきて、電車は次第に混んできます。 みんなうとうと居眠り。うららちゃんは、「ここだ」で、ちゃんと降りておばあちゃんに会うことができるのでしょうか? <初めて読んだ2才3ヶ月のヒメの反応> 「ガタゴトー ガタゴトー」や、「つぎは、○○だー ○○だー」のリズムを面白がっていました。 「わにだ」駅では、ワニが、「くまだ」駅からはクマが乗ってくるという洒落には、まったく気づいていません。 うららちゃんが、居眠りしていて切符を落としてしまう場面では「あっ!落ちたよ」と必死で指差ししています。 <おすすめポイント> 駅名から、次の乗客が予想されるという洒落が面白い。満席になったときに次の乗客がどうするのか、また、うららちゃんが無事に目的駅で降りられるのかという、ハラハラしながら展開を見守るという感情の動きを楽しめます。 リズミカルな言葉が繰り返され、登場人物のユニークな表情と、ゆるりとした時間の流れを感じることができる絵本。 中表紙のタイトルのページから始まり、裏表紙までしっかり楽しませてくれます。 <現在4才10ヶ月のヒメの反応> ひとりで読みたがります。内容はすっかり暗記しているので、平仮名を一つ一つ追いながらも、私の口調そのままに読んでいます。 「おばけだ」駅に立つ、おばけを気味悪がって手で蔽い隠しています。(昔は平気だったんですが) <まつりかの感想> 声に出して読んでいて、とても穏やかな気持ちになれるこの本。 子どもウケのいい本であることも間違いないでしょう。 ウイットがきいていることや、ユニークな表情の絵や、言葉の響きが魅力というのももちろんですが、見知らぬ乗客同士の車内での思いやりのある行動に温かさを感じたり、少女が電車を降りる時に、落とした切符を忘れて出て行きそうになるという、ほんの一瞬のドキドキ感が、一連の物語の流れにピリリと刺激を感じたりというのも、幼い子供にとって「調度いい加減」なのだと思います。 うららちゃんシリーズは3部作になっていて、他には『ボートにのって』と『さんりんしゃにのって』があります。(『さんりんしゃにのって』の過去ログもご覧ください コチラです)3作品とも、2歳ころから楽しめると思いますが、『でんしゃにのって』は、洒落を分かってこそ本当の意味で楽しめるのではないかという点で、言葉の理解が深まる3歳前後からがおすすめだと思います。 宮城県出身の作者ですが、仙台から40分ほどのところに「小牛田(こごた)」という駅があるのだそうです。 昔から、「こごたはここだ」という洒落はよく言われているそうで、それがもとでこのお話ができたのだそうです。そして、この地を通る沿線には、小牛田(こごた)」以外にも、東北訛りの車掌さんが言うと面白くなる駅名がたくさんあるそうで・・ そんなエピソードのほかに、絵本や紙芝居の製作過程のお話など、愛情溢れる語り口調の、とよたかずひこ氏は、今回も「絵本講師・養成講座」(東京会場は5月17日(土)開講で、とよた氏は第2回目の7月19日(土))でご講演くださることになっています。 駆け込み応募も大歓迎です! ![]() どうぞ、まだ迷っておられる方も、ぜひお問い合わせください。 NPO法人『絵本で子育て』センター 〒659-0067 芦屋市茶屋之町2-21-405 TEL0797-38-7516 FAX0797-38-7939 http://www.holpforum.com/ holp@holpforum.com ![]() |
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