ないた 中川ひろたか/作 長新太/絵
<どんな絵本?> ころんで ないた。 ぶつけて ないた。 けんかして ないた。 しかられて ないた。・・・・ 悲しい時、悔しい時、痛い時、うれしい時、 どうして ぼくは なくんだろう。 いちにち いっかいは ないている。 ぼくも おとなになったら なかなくなるんだろうか。 <初めて読んだ3才7ヶ月のヒメの反応> 「このネコ、見たことあるね」と、長新太さんの絵によく描かれているネコの登場が気になるようす。 「この本なんか好き〜」と言っています。 犬におしっこをかけられている絵に、くやしくて ないた。・・の場面で大笑いしています。 <おすすめポイント> 泣くにはいろんな理由がある。大人は泣かない、赤ちゃんはいつも泣いている。そして、ぼくは一日一回は必ず泣いている・・「泣く」ことに焦点をあて、簡潔でテンポのいい文章、そして長新太氏独特の色彩とタッチの絵には、文章に書かれていない思いが豊かに描かれています。 第10回日本絵本大賞作品。 <現在4才8ヶ月のヒメの反応> これ一冊で、さまざまな場面に自分の体験を合わせてコメントしてくれます。 たとえば・・・ この本を選んでくるときには、「今日は、いっぱい泣いたからこれ読んでほしい」。 「ひさしぶりにあえてないた」 の場面を見て、「お母さんが園にお迎えに来てくれた時(いつもはバスなので)、うれしくて泣きそうだった」と言ってくれたり。 「いちにち いっかいは ないている」の場面では、「今日はね、5回泣いたかな」とか。 「まいごになって ないた。」の場面を見て、「迷子になったことないから、このことでは泣かないもん」と。 <まつりかの感想> あと少しで春休み。4月に入園してから、早いものであっという間に年少さんの生活は終わろうとしています。 保護者会に行った時、担任の先生に「ヒメちゃんは、はじめの頃泣いてばかりで、いつも先生に抱っこされていたけど、今ではお友達と遊ぶのが楽しくて、先生にまとわりつくこともなくなって、さみしいくらいです。」と言われました。 毎朝バスに乗るときには、今生の別れか・・というほどの泣きっぷりで、あまりの凄さに同じバス停のお母さんたちから「かわいそう」と言われるくらいでした。 それくらい、ヒメといえば=泣き虫。泣く理由といえば、「悲しい」、「さみしい」 それが、今ではすっかり・・・本来の負けん気が頭角してきて、「悔し泣き」が一番の泣く理由。うまく相手に気持ちが伝わらないときや、思い通りにいかないことへの悔しさを感じることが多いようです。 おむつかえて!おなかすいた!眠い!・・・自分の思いを伝えるために赤ちゃんは泣きます。そこから大きくなっていくにつれて、欲求は言葉で伝えられるようになり、痛いときや悲しいときだけでなく、喜怒哀楽、どの感情に対しても、涙が出てくるようになります。 そして、自分の欲求や感情に対して泣くだけでなく、人の喜びや、人の悲しみを自分のことのように感じて泣ける・・そんな共感意識から出る涙というのも成長につれて体験していくことでしょう。 「おとなはどうしてなかないんだろう」という文に対して、ヒメに「どうして大人は泣かないんだろうね?」と聞くと、「我慢するから?」と答えていました。 この本でもっとも考えさせられるのは、主人公の「ぼく」がお母さんとお布団で寝ていると、お母さんの目から涙がつーっと枕に流れ落ちるというシーン。 ないているのって きいたら 「ううん」って、いった。 この場面がどんな意味なのか、ヒメにはわからない様子。どうしてお母さんが泣くのか、どうしてお母さんは泣いてない、と言うのか。 淡々と運ぶ文章だけど、ぼくとお母さんの関係については絵にしっかり描かれています。その絵の流れをみて、またお母さんの心境に共感できてはじめてこの文章の意味がわかるのだと思うのです。 そういう意味で、この本が第51回の青少年読書感想文全国コンクール課題図書であることにも頷けます。 ヒメが泣いている時、「どうして泣いているの?」と聞くと、「だってね〜●●だから」と今は答えてくれるけれど、そのうち、涙の理由を、一言で言い表せない複雑な思いを心の奥にもつようになるんだろうな。 卒園卒業シーズンです。子供の姿にこれまでの成長過程を思い起こし目頭が熱くなることだと思います。子どもに「ないているの?」と聞かれて「ううん」と答える親の姿も多くみられるかもしれませんね。 ![]() |
Winter`s Tale Robert Sabuda/作
<どんな絵本?> ポップアップの第一人者ロバート・サブダのしかけ絵本。 新しく積もった雪の日の真冬の森の物語。 フクロウ、ねずみ、きつね、うさぎ、くま、魚、鹿、りす、ヘラジカ、ビーバーといった、動物達はみな真っ白い紙で作られ、最後のページでは、これまで出てきた動物達全員が森の中に配置され、真ん中に雪だるまと白いお家が。 そして、矢印のついた紙をひっぱると・・・ (さらなるしかけが待っています。)<おすすめポイント> 紙の魔術師といわれるロバート・サブダのみごとな精巧な技がページを開くたびに感動を与えてくれます。彼の作品の中でも、最も華麗で独創的だといわれています。 冬の物語だけに、しかけはすべて白い紙。木や水といったものに色紙が使われていたり、雪景色は箔でザラザラした手触りと煌きを表しています。 <現在3才5ヶ月のヒメの反応> 初めてページを開いたときには、紙のめりめりという音にまず驚き、ポポップアップした紙に驚き・・ 立体的に物が見れないのか、説明することで何の動物かがわかるという状態です。 最後の地味ながらも(笑)温かいしかけに喜び何度も繰り返しています。 <まつりかの感想> 私の妹からヒメへのクリスマスプレゼントとして贈られてきました。 どうもありがとう!! 先月クレヨンハウスを訪れたときに、ロバートサブダの代表作である、「不思議の国のアリス」と「オズの魔法使い」を見て、これほどのしかけ絵本を見たことがなく非常に驚きました。 まるで物語りから飛び出してきたようなアリスの姿、トランプの舞う様子、オズのお城も重厚さ漂い、とにかくすごい・・紙の彫刻そのものも凄いけれど、なにより飛び出し方が凄いのです。
この2冊は日本版もありますが、『Winter`s Tale』は英語版のみです。 しかけ絵本は、壊れる破れる、そして高価というのがありますけれど、この本はとても頑丈に作られていますよ。 折りたたまれ、動き、立つ、紙の動き・・。 雪深い森を想像しながら、そこで暮らす動物達の物語。 大人にも喜ばれる、おしゃれな絵本です。 ロバートサブダ しかけ絵本の世界展が、今月13日から東京池袋で開かれています。 25日までの会期が、好評のため28日までに延長になったとのこと。 場所は、西武池袋本店イルムス館2階、西武ギャラリーにて。 入場料:大人800円、大学・高校生600円、中学生以下無料。 詳しくは、こちらをクリックしてごらんください。 ![]() |
節分・・・2才半のわがヒメは私の手書きの鬼の面にビビりまくり、それをつけて走り回る主人に大泣きし、枡に入れた豆は投げつけることなく床にばらばらと散らばり、「鬼こわい鬼こわい豆まき楽しくない」と、散々でした。
鬼を恐がるヒメにとどめをさすかのように就寝前にこの本を読み聞かせるわたくし。 今頃鬼の夢でも見ているかしら?? 泣いた赤おに 浜田広介/文 梶山俊夫/絵
<どんな絵本?>心の優しい赤鬼はできることなら人間たちのなかまになって、なかよくくらしていきたいと思い、村人に親しまれようと立て札をたて、お茶をいれ、お菓子を用意して待っています。しかし村人たちは信用してくれません。そこで友人の青鬼が、村人の家で暴れそこに赤鬼が青鬼をやっつけるという芝居をすることで、村人の信用を得るのです。赤鬼のうちには村人が出入りし仲良くなるのですが、青鬼は以来赤鬼に会いにこなくなってしまいました。気になった赤鬼が青鬼のうちを訪れるとそこには赤鬼あてのメッセージが・・ <おすすめポイント>梶山俊夫さんの描く鬼は、いかにも気のよさそうなすこし情けなげな顔の鬼でありながら、迫力のあるタッチが文章を盛り上げます。この物語のテーマは「友情」です。友達のために自己犠牲する青鬼の優しさ。赤鬼は人間との幸せな生活を得ましたが、大切なものを失ったことに気付くのです。自と他を認識し友達というものを考えるようになる小学校低学年の頃読み聞かせるといいのではないかと思います。 <2歳半のヒメの反応>まだまだこの本のテーマとなる部分への理解はできません。しかしお菓子やお茶で村人をもてなす鬼の絵を見て、鬼=恐いというのがすこし和らいだようです。 <まつりかの感想> 不朽の名作だと思います。青鬼が赤鬼にあてた手紙を読んで泣き崩れる場面は何年たっても感動します。「イツマデモ キミノトモダチ」。友達のために犠牲になってそれでも恨まずにずっと友達だよと言える青鬼の心・・・近年、「自己」「自分力」「個性」と、「自」を強調する世の中です。 バブルがはじけ、終身雇用という言葉も消え、容赦ないリストラ、頼れるのは自分の力だという風潮になるのは当たり前なのですが、忘れてはいけないのは「自」は「他」があってこそなのだということ。 他人を思いやる心のもてない人は自分も大切にできないと思うのです。「友達を大切に」「人にやさしく」なんて口でいっても伝わらないと感じるなら、この絵本はおすすめです。絵本にはそういうことをしっかりと子どもの心に届けてくれる力があると思います。 テーマ:オススメ☆絵本&児童書 - ジャンル:育児 ![]() |
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