2013-02-14
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<どんな本?>
4才の女の子ジェニーには、3才の弟クリストファーがいます。
クリストファーのお誕生日の前に、ジェニーとお母さんは、買い物に行きました。
お母さんは、ヘリコプターのおもちゃを買い、ジェニーは、自分が持っている100円で、こねこのチョコレートを買うことにしました。
箱には、毛糸玉で遊んでいるこねこの絵が描いてあり、中には8つのチョコレートが入っていました。
その猫の絵は、ジェニーのうちで買っている黒ねこが小さかったころの姿によく似ていました。
うちに帰ると、お母さんはヘリコプターを食器棚の中に、ジェニーは、自分の部屋のたんすにチョコレートを隠しました。
その晩、ジェニーは、たんすの中のチョコレートが気になって眠れません。
「はこの中には、八ひきも こねこが いるのよ。あたしが ひとつくらい たべたって、クリストファーは、気にしないとおもうな」
さて、ジェニーはどうするのでしょう・・・?
<はじめて読んだ7才3ヶ月のヒメの反応>
チョコレートが苦手なヒメは、「そんなに食べたいの?なんでだろう?」と。ジェニーが結局全部たべてしまって、ちょっと気持ちわるいなと思いながら眠りについたという場面に、「え~!!」と声をあげていました。
<おすすめポイント>
弟にプレゼントするはずのチョコレートを、ひとつだけ、ひとつだけ・・といっているうちに、とうとう全部食べてしまうという物語のおもしろさ。
夜ベッドの中で、こねこのチョコレートのことを思って、自分と葛藤していく場面。また、暗闇でこっそり食べるときのジェニーの満足げな表情の挿絵がなんともいえずいいのです。
(大社玲子さんの絵、大好き!

<現在9才7ヶ月のヒメの反応>
久しぶりに読もうとすると、「これね~、女の子が食べたいのを我慢できなくて、結局弟が泣いちゃうんだよね」と結論を言うもんだから、あまり好きではないのかと思っていたら、
この本のラストシーン、
「かしこい ティブルが、ちゃんと うまく やってくれたじゃないの」
と、ネコのティブルが赤ちゃんを産んだという結末に、「ネコが赤ちゃん産んでよかったね。もしこれがなかったら、このお話は、ホッとできないんだよね。」なんて言っています。
<まつりかの感想>
4才となれば、自分と他者の区別がはっきりしてきて、相手の立場からも考えることができ、感情をコントロールする力もついてくる頃。
ジェニーは、弟を喜ばせたいという気持ちでプレゼントを買うという点では、相手を思いやる気持ちがありました。
ところが、こねこのチョコレートが気になって眠れないという場面でも、少し食べてもクリストファーは気にしないと思う、という都合のいい解釈のもと、自分の気持ちを抑えることができずに食べてしまいます。そして、翌朝には、おばあちゃんから指摘され、そこで自分がしてしまったことを悔やんで泣くのです。
この物語には、4才児の等身大の姿が描かれていると思います。
「快」と「不快」の情緒が分化し尽くすころの年齢だけに、小さいながらも一丁前の人間として感情を揺さぶります。ですから、ジェニーと近い年齢の子は同化、共感しながら読み、ヒメのような小学生になると、幼い子の行動を客観して、笑いながら、つっこみながら読んでいくと思います。
ところで、今年のバレンタインも、ヒメは友チョコを配る!といいますので・・
一緒に材料を買いに行きはしましたが、「一人で作る!」というので、全部おまかせ。
チョコを溶かして型に流して、アラザンなどでトッピングするという簡単なものですけどね。
台所でもくもくと一人で作って、きれいにラッピングをしていました。
なかなか器用な手つきでね。よかった、私に似ないで































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