かみさまからのおくりもの 樋口通子/作
<どんな絵本?> あかちゃんが うまれるとき かみさまは ひとりひとりの あかちゃんに おくりものを くださいます。 神様からの贈り物を運ぶのは天使。 うまれたばかりの5人の赤ちゃんとお母さんの元へ、天使は贈り物を届けます。 ほっぺの赤い赤ちゃんには・・・よくわらうを。 大きい赤ちゃんには・・・・・・ちからもちを。 泣いている赤ちゃんには・・・・うたがすきを。 よく動く赤ちゃんには・・・・・よくたべるを。 すやすや寝ている赤ちゃんには・やさしいを。 そして子どもたちはそれぞれに、神様の贈り物のとおりの子になりました。 「かみさま すてきな おくりものを ありがとう」 <初めて読んだ2才0ヶ月のヒメの反応> 2才の誕生日の時に、読みました。 最後に5人の子どもが並んでいる場面が好きで、「これがいい」と指差したのは、「よくわらう」の女の子でした。 <おすすめポイント> 文章は、一行一行が、静かに語りかけるようで、そこに紙の貼り絵が、絵本全体を柔らかで優しい雰囲気で包んでいます。 この絵本のもとになったのは、作者が子育て中に作った手作り絵本「かみさまからのおくりもの」。お母さんがつくった絵本ということでお嬢さんが気に入ったということ。 あとがきでの作者の言葉には「子どもを親や社会の気に入るように変えようとするのは大人の横暴で、子どもの本来持っている個性を壊してはならないことを、私に気づかせてくれました。」とあります。 <現在4才0ヶ月のヒメの反応> ヒメは絵本を見ながら、自分のことを「よく笑うし、歌が好きだし、よく食べるし、優しい」と。「ちからもち」だけは否定しています。 「神様はいっぱいくれたね〜」と喜んでいます。 <まつりかの感想> 7月6日・・「ヒメ」が4才になりました。 ![]() ![]() 7月に入り、毎日カレンダーを見ては「もうすぐ4才だね」と楽しみにしていたヒメは、誕生日の朝、目覚めの第一声に「もう4才になった?」「見て見て〜なんか大きくなったみたい」と言って、うーんと伸びをしていました。 実は、ヒメは相変わらず、毎朝園バスに乗り込むときに泣いているんです 。「お母さんと離れて寂しい」というのが理由らしいのですが・・しばらくバスが走っていると泣き止んで、園では楽しく過ごしているという先生の言葉を信じて、朝のバス停でのぐずりは、ヒメなりに気合を入れる合図なんだろうなと思うことにしています。 「よく泣く」「おしゃべり」「よく踊る」「よく笑う」「よく文句をいう」「甘えんぼ」「怖がり」「小心者」・・・ヒメはこんな子です。 長所はともかく、短所を見つけると「一体誰に似たんだろうね〜」と、ちゃっかり相方の遺伝子のせいにしてしまいます ![]() ![]() 最近は、わが子を見るとき「ただ可愛い」だけではなくなってきました。幼稚園という社会にデビューしたヒメは、親の知らない世界を持ち、幼いながらに悩んだり嫌なことを経験しているようで、その反動で親に甘えたり、反抗したりすることも多くなってきました。ですから、ほめることよりも怒ることの方が多い日もあり、反省の日々です。 4才・・・そう、娘同様、私も親業4年目。 きっと、これからも神様はヒメにたくさんの贈り物(個性)をしてくれることでしょう。私は親として、神様が下さった贈り物(子ども)を大切に見守っていきたいと思います。 ![]() |
ぎーこんぎーこん とよたかずひこ/作
<どんな絵本?> おひさま ぽかぽか ぎーこん ぎーこん 「あのね あのね・・」 しろくまくんが おとうさんと おはなしを しています 公園に出かけたしろくまの親子が、対面式のぶらんこに向かい合わせて座って、ぎーこんぎーこん。 「あのね、あのね、それでね、それでね」とおしゃべりするしろくまくん。 お父さんはずっと黙ってきいています。 ぶらんごはぎーこんぎーこんと揺れ続け、 ぎーこん とろん おやおやおや ぎーこん こっくり ぎーこん こっくり しろくまくんはうたた寝をし始めました。 お父さんは、しろくまくんを抱っこして、ぶらんこに揺られています。 そして、すっかり寝入ったしろくまくんを抱き上げてお家に帰っていくのです。 <初めて読んだ3才0ヶ月のヒメの反応> 私の実家にはこのタイプのブランコがあります。帰省すると、ヒメのために親が庭にブランコを組み立てて待っていてくれるのです。ですから、絵本を見て、「じいじが作ってくれるブランコだ」と喜んでいました。 「あのねあのね、それでねそれでね」という言葉をおもしろがり、お父さんが抱っこして公園を去っていく絵を見て「抱っこ〜」と飛びついてきます。 <おすすめポイント> 単純な太い線で輪郭をとったしろくま親子の表情がとても温かいです。ぎーこんぎーこんというブランコの音が物語をひっぱっていき、ストーリー展開に合わせて文字が大きくなるなどの工夫があります。 子どもが一方的にお話するのを、黙って聞いているお父さん、眠った子どもを抱っこして、しばらくブランコに揺られながら子どものぬくもりを感じているのであろう姿など、父子の心通う様子を絵が存分に伝えてくれています。カバーに物語の序章として「はやくはやくおとうさん、いそいでいそいでおとうさん、だれものっていないといいね、おとうさん。」という文があり、中表紙には公園に向う親子の姿がかかれていて、本文に入る前からすでにお話は始まっています。 <現在3才7ヶ月のヒメの反応> しろくま親子がブランコにのっているそばに、蝶やアリ、ネコの親子が描かれているのを見つけ、これらについても独自に物語を作って遊んでいます。 しろくまの子の寝ている絵がアップになって「ぎーこんこっくり」という場面が特に気に入っています。 <まつりかの感想>この本は、「しろくまパパとあそぼう」シリーズの第3弾です。 このシリーズでは他に『おっとっと』と『ぶーんぶーん』があります。
どれも、お父さんとのスキンシップが深まる内容になっています。第1弾の『おっとっと』は、お父さんが肩車をしながら、片足をあげて右に左に傾いて「おっとっと」するのを、子どもがドキドキしながらも楽しんでいる様子がかかれています。 また、第2弾の『ぶーんぶーん』は、お父さんの足に乗り、手につかまって飛行機をしてもらう子どもの様子がかかれています。 第3弾の『ぎーこんぎーこん』は、前2冊と違って体を使わず、ブランコに乗って話を聞いてあげるという心のふれあいを描いています。 ヒメが赤ちゃんの頃、夫は忙しくあまり育児に参加してくれませんでした。夫とヒメがふたりきりで出かけるようになったのは、2才になってから。ヒメは私以外の人に抱っこされるだけでも泣くような子でしたから。 2才の時に、お医者様にこのことで相談したことがあります。「父親の子どもへのかかわり方を少し考えたほうがいい」といわれました。そして、「父親は母親とではできない遊びをしなければならない」と。それは、家の中で遊ぶのではなく、外で思いっきりどろんこになるとか、追いかけっこをするとか、ボールを投げたりけったりすることだそうです。また、紐の両端をそれぞれが持って、向かい合ってひっぱりあう遊びなどは、相手の加減を知ることができる有効な遊び方らしいですよ。 それまで、夫はヒメを公園に連れて行っても砂場の横でただ見ていたり、滑り台の下で待っているだけだったのですが、子どもと一緒に交わって遊ぶことを考えて欲しいと伝えてからは、夫も意識が変わり、ヒメも夫と出かけることを望むようになりました。 とはいえ、未だに夫と2人でお風呂に入るのには躊躇し、機嫌が悪いときは頑として拒否。寝かしつけも私でないと無理ですけど。 ヒメはこのシリーズが好きで、『おっとっと』は、ゲラゲラ笑って何度も読みせがんできます。そして絵本と同じように夫に肩車をしてもらって、「おっとっと」してもらうのが大好きだし、『ぶーんぶーん』のように飛行機遊びも好き。 体を使ったダイナミックな遊びはやはりとても楽しいらしく、2人で遊んで帰ってくると、「お父さんとこんなことをした、こんなことを話した」と嬉しそうに報告してくれるヒメ。 『ぎーこんぎーこん』のしろくまの子が一方的におしゃべりしている様子は、日頃接する時間が短いお父さんに自分のことをいっぱい話したいんだという子どもの気持ちをよく表していて、それをちゃんと聞いてあげているお父さんの姿からは、子どもとの遊び方、接し方を学ぶものがあります。ぜひお父さんの声で読んでもらいたい絵本です。 ![]() |
The Very Quiet Cricket エリック・カール/作
<どんな絵本?> ある日小さな卵から小さなコオロギがうまれました。 コオロギは、バッタやカマキリやハチやセミ・・・いろんな虫に出会い、あいさつされます。 そのたびに、羽をこすってあいさつしたいんだけど、音がでない。 The little cricket wanted to answer, so he rubbed his wings together. But nothing happened. Not a sound. 夕方になり、日が暮れて、蚊や蛾が飛び交う夜。 コオロギは違うコオロギに出会いました。 そのコオロギも、そても静かなコオロギでした。 そこで、コオロギは羽をこすってみました。 もっともっと・・すると (ページをめくるとコオロギの鳴き声が聞こえてくるしかけになっています) ...he chirped the most beautiful sound that she had ever heard. <初めて読んだ1才0ヶ月のヒメの反応>2004年に大阪で開かれたエリック・カールの原画展に訪れたときにショップで買った洋書です。 ページをめくると音が聞こえてくることをおもしろがり、本を開いたり閉じたりして楽しんでいました。 <おすすめポイント>こおろぎの音がきこえるしかけに、乳幼児でも驚きと喜びを感じることができます。羽をこすっても音がでないという部分を繰り返しの文で表現し、時間の経過とともにコオロギが成長し、メスに出会って羽をこすると、音をならすことができたというハッピーエンドが、楽しいしかけにより感動を高めてくれます。エリックカールの、コラージュ手法による、色づかいの美しさが楽しめますし、丁寧な仕事振りが伺えます。とくに、セミやバッタの羽の細かな網目の表現は絶品。 <現在3才3ヶ月のヒメの反応>今秋(9月終わりから)コオロギを飼っています。夫とヒメが近くの原っぱで捕まえてきたんですけれど。虫かごにいれられた6匹のコオロギは、なかなか鳴きませんでした。この本を思い出した私が、最後のページを開いて本の中のコオロギの音を聞かせると、なんと共鳴するではありませんか。 天然コオロギとの共演。ヒメは、その日一日コオロギにこの本の読み聞かせをしてあげていました。 <まつりかの感想> 数あるエリック・カールの作品の中でもとくに好きな本です。工藤直子氏による日本語訳は「だんまりこおろぎ」。こちらは、工藤さんならではの詩の表現でテンポ良い日本語がつづられています。とても優しい語りの口調の訳に対し、原書は淡々とした表現ですが、私は先に原書を手にしたこともあり、こちらの方がしっくりきています。 9月半ば頃、外ではコオロギの音がよく聞こえていました。うちにやってきた6匹のコオロギ。♂3匹、♀3匹と、争いが起きない様にちゃんと考えて捕まえてきたという夫。10月半ばまでは三匹の♂が羽をこすり合わせ、家中綺麗な音色が聞かせてくれ、秋の夜長を演出してくれていたんです。(結構昼間も鳴いているんですけどね) と、ところが・・・ある朝ケースをのぞいてみると、コオロギが5匹に。よくよく見ると、♂の胴が転がっているんです。そう、共食いしてしまったのです 。それまで餌はキュウリやナスだけで動物性のものがなかったため、こんなことに。それ以降、かつおぶしや、いりこを加え、しばらく5匹で仲良く暮らしていたんですが、1週間前の朝、なんと3匹になっている。 2匹も同時に死んでいるんです。♂は仰向けに。♀はうつぶせになって。でもこちらはおそらく寿命。 現在♂1匹・♀2匹が元気に暮らしています。1匹だけになった♂は、時々思い出したように鳴き出します。そういえば、9月の時のように外からコオロギの声が聞こえることもなくなりました。寒くなってきたからなんでしょうね。そう思うと、この♂コオロギも頑張って生きているってこと。 『The Very Quiet Cricket』でも、コオロギ坊やは大人になり、メスのコオロギに会って、音をだすことができるんです。 ♂と♀の見分け方は簡単で♂の羽は複雑な模様をしていて、羽を立ててこすりあわせて鳴きます。♀には産卵管といわれる長い管がお尻についていますエリックカールはちゃんとこれらを区別して描いているということに、飼ってから気付きました。(上が♀・下が♂)何度か交尾をしている姿を目撃しました。もしかしたら土の中に卵を産み付けているかもしれません。このまま孵化するまで飼いつづけるか??悩みどころです。 ![]() |
ぴよぴよぴよ 平野剛/作
<どんな絵本?> ぴよぴよ ぴよぴよ ぴよ ぴよぴよ ひよこが一羽、二羽、三羽・・・「ぴよぴよ」と次から次へ現れます。あれ?一羽だけ茶色のひよこ。 そして、そのひよこを狙う黒猫。 黒猫はひよこを追いかけています。 ところが、ひよこの行き着いた先には、大きなニワトリが。 こっこっこっこっ! ニワトリは黒猫を睨みつけます。 ひよこたちはニワトリの周りをはねまわり、黒猫はそれをみてしょんぼり。 ぴよぴよぴよおしまい <初めて読んだ1才3ヶ月のヒメの反応>「ぴよぴよぴよ」の音に反応して、「ぴっぴっ」というような音でマネをしていました。読み方に抑揚をつけるとおもしろがっていましたが、ニワトリや猫の存在認識はありませんでした。 <おすすめポイント>同じ音の繰り返しを楽しめます。2羽目のひよこだけ茶色で、そのひよこの「ぴよ」には茶色で書かれていたり、次々現れるひよこの動きにあわせて、文字が反転していたり、「ぴよ ぴよ ぴよぴよぴよぴよ」と速度をも文字で表現されているので、読み手はそれに合わせて「ぴよ」を独自に読み方を工夫する楽しみがあります。 オレンジ、黄、茶、黒、白のみで描かれた絵。とくに、色のコントラストによって黒猫の心情が効果的にあらわされています。 <現在3才1ヶ月のヒメの反応>久しぶりに読んだ為、はじめて見る絵本のように新鮮に見ていました。ニワトリの周りにヒヨコが集まっていてそれを黒猫がしょんほりとした顔で見ている場面では「お母さんお母さんってヒヨコが言ってる」といい、最後のページで黒猫が二匹よりそっている絵を見て、「(猫が)子どもに会いたくなったんだよ」と解釈しています。 <まつりかの感想> 音の繰り返しを赤ちゃんは楽しみますが、「ぴよぴよ」をただ普通に読んだだけでは、おもしろくない本です。ヒヨコの動きに合わせて、絵と音がうまくマッチするように読み方を工夫するといいと思います。 黒猫の目の先には、2羽目の茶色のヒヨコがいるように思われます。「なぜ1羽だけ茶色なのか」という読者の疑問を、猫も一緒に抱いているかのように思われます。 ヒメは、最後のページの二匹の親子黒猫を見て、ヒヨコを狙っていたのは母黒猫で、ニワトリとヒヨコの戯れる姿を見て、「子どもに会いたくなった」という解釈をしているようです。その根拠は、猫の大きさにあるようですが・・確かに、ヒヨコを見つめる猫は大きく描かれています。 しかし、私が思うに、ヒヨコを狙っていたのは子猫で、ニワトリとヒヨコをみてしょんぼりしたのは、母猫が恋しくなったからだと。 解釈は違えども、ヒメが猫の親子のページをみて「よかったね」とホッとしながら読み終えているのは嬉しいことです。 この本は、赤ちゃん絵本としても有名ですが、赤ちゃん時代に読んだからと、大きくなって読まなくなってしまえば、子どもが絵を読みとり感想を口にすることもないでしょう。1冊の本が、子どもの成長につれて新たな気付きや楽しみを与えてくれる。 そして私自身最初にこの本を読んだときに、それほど良さを感じなかったものの、子どもの反応を見ることで、面白さを実感できるようになりました。 テーマ:オススメ☆絵本&児童書 - ジャンル:育児 ![]() |
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