わたしはだいじなたからもの カール・ノラック/文 クロード・K・デュポア/絵 河野万里子/訳
<どんな絵本?> 新学期の最初の日、ロラは新しいお友達のルルに、「うちではなんと呼ばれているの?」と聞かれました。 「ちびちゃんとか、かわいいようせいさんとか、だいじなたからものとか」 すると、そこに居合わせたみんなに笑われてしまいました。 誰にでも外とは違う、うちでの呼び名があるはずだ、と、ロラは町の人に「こどものころ、おうちで なんてよばれていましたか?」と聞いて回り、その結果、誰にもうちでの呼び名があるということを確認しました。 ところが、出くわしたお友達に 「あははは、ようせいさんだってさ! やーい、ちびちゃん」とからかわれます。 しょんぼりとうちに帰ったロラを見て、パパは「おかえり、ちびちゃん」。ママは「おかえりなさい、かわいいようせいさん」と声をかけますが、ロラは素直になれません。 パパもママも心配そうに「いったいどうしたの、うちのだいじなたからもの?」と言うと、ロラは歓声を上げて抱きつきます。そう呼ばれるのが一番好きだったのです。 翌朝、学校に行くとルルが来て、自分もおうちでそう呼ばれたいとロラのことが羨ましかった、そして、ルルも、パパとママに話して自分もそんなふうに呼んでもらうことにしたんだと言います。 ロラはそれを聞いて、「だいじなたからもの」は、自分だけの呼び名なんだとむくれてしまうのですが、考えなおしてどの子も家族の大事な宝物なんだと納得するのです。 ロラとルルは大の仲良しになりました。 <初めて読んだ4才2ヶ月のヒメの反応> 「お母さん、ヒメも大事な宝物?」と聞いてきます。 「お父さんは●●って呼ぶし、お母さんは△△って呼ぶ。先生は☆☆って呼ぶけど本当は言ってほしくない・・・この前、お友達に◆◆って呼ばれて、それもいいなって思った・・・」などなど。 <おすすめポイント> 「呼び名」を題材にして、成長とともに、人と交わり社会が広がっていく様子が描かれています。 家族だけが使う愛称に、呼ばれた時の居心地のよさを感じる様子や、お友達とのやりとりの中で嫉妬したり、落ち込んだり、喜んだりという感情の変化など、子どもの内面を、愛くるしいハムスターを主人公に生き生きとかかれています。 ロラのシリーズは、他に『だいすきっていいたくて』『だきしめてほしくって』『いそがしいっていわないで』(過去ログは コチラ)『ねえ、わたしのことすき?』など。<現在4才9ヶ月のヒメの反応> うちでの呼び名を、ロラがお友達にからかわれる場面では、「人にそんなこと言ったらダメなんだよ」と怒っています。 以前(4才2か月のとき)と違うのは、ロラとルルが仲良くなったという結末に喜びを感じているよう。お友達と言い合いになったり謝ったりしていく中で、相手の気持ちを理解できるようになるというのを、実生活で体験していることに共感しているのだと思います。 <まつりかの感想> ヒメの名前は、私が考え、字画などを調べた上で、文字は夫が考えました。出産前には決めていた名前だけど、いざ産まれてみると「○○ちゃん」と呼ぶのはなんだか堅苦しいと感じるわけで、そこで初めて呼び名というのを考えます。 すると、夫と私とでは、ヒメをこう呼びたいという意見が違う。圧倒的に一緒に過ごす時間の長い私のほうが有利に働き、ママ友達もその愛称でヒメを呼んでくれていたのですが、言葉を発するようになった時、ヒメは、自分のことを話すとき、夫がつけた愛称を使うではありませんか。そして、1才半の時に現在のところに転居したこともあって、私は自分のつけた愛称を頑なに言い続けるのにも疲れ、結局ここでは、その呼び方を封印し、ふつうに「○○ちゃん」とみんなに呼んでもらっています。 赤ちゃん時代を過ごした所に遊びに行ったときにだけ、蘇るその愛称。でもヒメは、なじみがないため「みんなが変な呼び方をする」とご不満です。 訳者の河野万里子さんも、あとがきに書かれているのですが、愛称のつけ方は、日本では名前の音をもとに呼びますが、欧米では小動物やかわいいものにたとえて呼ぶことが多いようです。 抱っこでないと寝かしつけられなかったヒメを、長時間揺さぶり続けるのに腰痛との戦いでした 。自分の気持ちも楽になるので、歌を歌いながら抱っこをするようにしていました。子守唄や童謡に飽きたら、流行りの曲を歌ったり、それにも疲れたら「眠くなれ〜早く寝よ〜」とイライラをぐっと抑えて即興で鼻歌を 。おかげで創作曲はたくさん出来上がりましたが、その場限りのものばかり。一曲だけ、それなりの歌に仕上がったのが、「○○(ヒメの名前)ちゃん〜、○○ちゃん〜、おかあさんのたからもの〜 」というもの。抱っこでの寝かしつけの時期にしか歌っていなかったのに、3歳のときにぬいぐるみを相手にこの歌を口ずさんでいたのには驚きました。 この本で、ロラが「だいじなたからもの」とパパとママに言われて歓声をあげ抱きつくシーンになると、「たからもの〜の歌、歌って」と言われます。 子どもが大きくなるにつれて、なんだか照れくさくて、大好きだよ、とか、たからものだよ、って言えなくなってくるけれど、本を通してこんな言葉をかけてあげることで、愛は伝わり、「わたしはだいじなたからもの」と、家族に必要とされている存在意義を確かにすること思います。 ![]() |
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