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 100まんびきのねこ

2008-05-31

100まんびきのねこ  ワンダ・ガアグ/作  石井桃子/訳
100まんびきのねこ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)100まんびきのねこ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
ワンダ・ガアグ いしい ももこ

福音館書店 1961-01
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<どんな絵本?>
年をとったおじいさんと、おばあさんは二人きりの生活で、とてもさびしく、ねこが一匹いたらいいな、という、おばあさんのために、おじいさんは、丘を越えてねこを探しにでかけました。
長い間歩いていくと、とうとう、ねこでいっぱいの丘に出ました。
そこにも ねこ、あそこにもねこ、どこにも、かしこにも、ねこと こねこ、ひゃっぴきの ねこ、せんびきの ねこ、ひゃくまんびき、一おく 一ちょうひきの ねこ。 

おじいさんは、どのねこを見てもかわいく思えて、とうとう、そこにいるねこを、みんな連れて帰ることになりました。
おばあさんは、あまりのねこの数に驚き、これだけのねこを養うと自分たちが食べていけなくなると言い、どのねこを家に置くか、ネコ自身に決めさせることにします。
「おまえたちの なかで、だれが いちばん きれいな ねこだね?」
「わたしです!」「ぼくです!」「いいえ、わたしです!」


どのねこも自分が一番だと思っていたので、大変な騒ぎになり、家に逃げ込んだおじいさんとおばあさんが、しばらくして窓の外を見てみると、あたりは静かで、草の間に一匹だけやせこけたねこがいました。他のねこは、みんなで食べっこしてしまったのです。
一匹だけ残ったのは、自分のことを、みっともないねこだと思っていたので、だれもかまわなかったから。
おじいさんとおばあさんは、このねこをきれいにして、ミルクを飲ませ、大切にかわいがりました。
「この ねこは、やっぱり とても きれいですよ!」・・・
「いや、この ねこは、せかいじゅうで いちばん きれいな ねこだよ。わたしには、ちゃんと わかるんだ。だって わたしは、ひゃっぴきの ねこ、せんびきの ねこ、ひゃくまんびき、一おく 一ちょうひきの ねこを みてきたんだからねえ」と、いいました。


<初めて読んだ4才3ヶ月のヒメの反応>
ねこたちが食べあう・・・ということ=殺し合いをした、ということに、しばらく考えてから気づき、それを想像して「こわいね~こわいね~」と繰り返していました。
最後のページにある、おじいさんとおばあさんの結婚式の写真?と思われるものが壁にかけられているのを見て、「この人たちも、若い頃があったんだね」と、何やら感慨深げな発言をしています^_^;

<おすすめポイント>
全編モノクロで、細密な筆使いで、数えきれないほどのネコや、風景が描かれています。
横長の判型をうまくつかって、おじいさんが、長い道のりを経てネコを探しに行く動きをあらわすなど、画面の連続性に注意をはらって作られています。
「ひゃっぴきのねこ、せんびきのねこ・・」のリフレインは、おびただしい数のネコがいる様子を、リズミカルにうたっています。
1928年に初版。原題は『MILLIONS OF CATS』
見開きをいっぱいに使い、奥行きのある構図で描かれた絵は、文章でなく絵そのものが物語っているという点で、近代絵本の草創期の代表とも言われる作品。

<現在4才10ヶ月のヒメの反応>
「ひゃっぴきのねこ、せんびきのねこ・・・」のフレーズになると、ここぞとばかりに声高らかに唱和しています。
おじいさんが長い道のりを歩いていく様子を描いている場面では、その道のりを指でたどって楽しんでいます。
白黒で描かれた絵は、よ~く見ると、なんだか気持ち悪く感じるところが多々あるようで、とくに山肌や草を細かく描いている絵には、「わーこれ気持ち悪い」と叫びながら手で覆っています。

<まつりかの感想>
 今から80年も前の作品でありながら、全く古さを感じさせません。色味は全くない、モノクロの絵は、子どもを最後まで飽きさせず、むしろぐいぐい引き込んでいく力があります。
そして、訳はやっぱり・・石井桃子さん。意表をつくシュールな展開の物語でありながら、美しい日本語使いに、読後は後味も良く、余韻を感じられます。
 見開きの使い方や、構図、文章ありきの挿絵ではなく、絵で物語を運び、絵そのものを楽しむという点など、それまでの絵本では考えられなかったといわれていますが、今では当たり前に思われることでも、当時の人にとってはどんなに斬新に感じられたことでしょう。
 
 絵本の冒頭にある文章↓
ふたりはこぢんまりした きれいな いえに すんでいました。そして、いえの まわりには、ぐるっと はなが さいていました。それでも、おじいさんと、おばあさんは、しあわせでは ありませんでした。ふたりは、とても さびしかったのです。
 そして・・ 絵本の最後のページには↓
 おじいさんが葉巻をくゆらしながら椅子にすわり、おばあさんも椅子に座って靴下を編みながら、足元で毛糸とじゃれているネコを眺め、壁には二人の結婚式の写真が飾られているのです。

 そこには、「ねこのおかげで、昔のような幸せが訪れました」とでもいうように、晩年を迎えた老夫婦が、ねこを飼うことで幸せを感じているのがわかります。
 きっと、ねこが来るまでは、こんなふうに二人でテーブルをはさんでゆっくり時間を過ごすことが、何年もなかったんじゃないかと想像させるような。
 「かわいくてちいさくてふわふわしたねこ」が欲しいというおばあさんのオーダーに、おじいさんが必死でこたえようとする様子、そしてとんでもない数のねこを連れて帰ってしまうところに、おばあさんが、少し怒っているような言葉を発するのをみても、おじいさんとおばあさんの力関係をうかがえたりして。。80年前も、妻の方が夫より強かった
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 ちいさなあなたへ

2008-05-24

ちいさなあなたへ  アリスン・マギー/文  ピーター・レイノルズ/絵  なかがわちひろ/訳
ちいさなあなたへちいさなあなたへ
ピーター・レイノルズ なかがわ ちひろ

主婦の友社 2008-03
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<どんな絵本?>
あのひ、わたしは あなたの ちいさな ゆびを かぞえ、その いっぽん いっぽんに キスを した。
・・・・
わたしの あかちゃんは、 わたしの こどもに なった。
・・・・・・・・
やがて、せいいっぱい てを ふりながら しだいに とおざかっていく あなたを みおくる ひが やってくる。
・・・・・・
いつか あなたも たくましくなった その せなかに ちいさな おもさを せおうときが くるかもしれない。
・・・・・・・・
絵本のカバーには「すべてのおかあさんと その子どもたちに」とあります。

<おすすめポイント>
 余白をたっぷりもたせ、やわらかな線と、淡い色調の絵。
活字でなく、手書きの文字によるレタリングも優しく、母親が娘の誕生からの成長を見守り、これからの娘の人生に送る温かなメッセージが、絵本全体から伝わってきます。
 現在子育て中のお母さんや、子育てを終えた世代が「母親」としての立場で読むだけでなく、「子ども」の立場で自分の母を想い、育ててもらったことへの感謝や命のつながりを感じられます。

<まつりかの感想>
 帯にかかれた「NYタイムズで絶賛され、全米中の母親を号泣させた絵本」という言葉。これで感動しない人はいないとでも言わんばかりで、少々とまどいながらも、立ち読みを。
 号泣とまではいかないけれど、目頭があつくなり、文字がかすみ・・たしかにじんわりと私の中の母性に響いてきました。
 書店にいくたびに、平積みされたこの本を手に取り、そのたびに目頭を熱くし・・・ 何度も繰り返して、「やっぱり買おう」とようやく購入にいたった本。

 ヒメには読み聞かせていませんし、しばらくは読み聞かせるつもりはありません。4才児の心に働きかける絵本ではないだろうという理由のほかに、母の娘への想いというものを、こういう形で伝えたくないなと思うからです。なんだか感謝を押し付けているような気もして・・だから、この絵本は大人のための絵本なんだろうなと。
 
 「わたしの あかちゃんは、わたしの こどもになった」の次の頁からは、眠っている娘を見ながら、む「いつかきっと・・」というフレーズで始まり、娘の未来にむけての語りに変わっていきます。
 つまり、この絵本の母親は、ちょうどヒメくらいの娘をもつ母という設定なため、深く共感できるのかもしれません。

 ヒメもこれからの人生で様々は喜びや不安を抱くことでしょう。こんなに近くにいるけれど、いつかは私の元を離れ、結婚して子供をもつかもしれません。
 去年、ヒメが入園し、私の目の届かないところで数時間を過ごしてくる時間にたいして、育児からの開放感の喜びばかりを感じていたけれど、今は、それよりも、大きくなるにつれて、親と一緒にいられる時間が短くなっていくんだと思うと、時折さみしさを感じます。
 わたしの親もそうだったのかしら?早くから親元を離れた私を、親はどんな気持ちで見送ったのだろう?若かった私は、いつも前しか向いてなく、実家を振り返ることのなかったことに対して、さみしさを感じていたのだろうか?そして、そんな娘が出産し、子育てをしているということを見て、今どんな風に思っているのだろう?

 第5期「絵本講師・養成講座」開講

2008-05-18

5月17日(土)、「絵本講師・養成講座」の第5期の東京会場開講式が行われました。

link01.gifこのブログで、たびたび出てきます、「絵本講師」の文字ですが・・
今年もまたスタッフとしてお手伝いをしています。
(養成講座や、絵本講師についてはコチラをクリックしてご覧くださいね。

来賓の、ラボ教育センターの中尾様(いつもありがとうございます)、鈴木出版編集長の波賀様(どうも~久しぶりにお会いできましたのに、お話できなくて残念でした)のありがたいご祝辞をいただきました。

そして、作家であり大阪国際児童文学館名誉館長であり、当NPO法人「絵本で子育て」センターの顧問でもあられます、中川正文先生のご祝辞も。
中川先生は『ごろはちだいみょうじん』の作家でもあられます。
今回も、この作品の全文読み聞かせをしてくださいました。
作家ご自身からの、読み聞かせ・・・うーむ、本当に贅沢です。
毎年拝聴していますが、毎年「やっぱり、いいなあ」と唸っています。
奈良弁で語られるこの物語。関西人だから、と、夫に読んでもらおうとするのですが、関西弁といっても神戸弁と奈良弁はまた違うようで、「うまく読めない」とぼやいております。
方言の本って、読むのが難しいですが、何度も口に出して読んでいるうちにだんだん慣れてきて、なんとなく、それっぽく読めるもんなんですよね。
ごろはちだいみょうじん (こどものとも傑作集 (12))ごろはちだいみょうじん (こどものとも傑作集 (12))
中川 正文 梶山 俊夫

福音館書店 1969-08
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 そして、こちらも中川先生の著書であり、絵本講師のバイブルにもなっています
『絵本・わたしの旅立ち』もあらためてご紹介を。
絵本・わたしの旅立ち絵本・わたしの旅立ち
中川 正文

絵本で子育てセンター 2006-08-15
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帰路に向かうときに、キオスクに売られている雑誌の表紙に「大人の創造性を刺激する 美しい絵本」という文字を発見。
思わず手にしたのが、
Pen(ペン)6月号
Pen (ペン) 2008年 6/1号 [雑誌]Pen (ペン) 2008年 6/1号 [雑誌]

阪急コミュニケーションズ 2008-05-15
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世界の絵本作家たちとして、ミヒャエル・ゾーヴァ・荒井良二・サラ・ファネリ・アンネ・ペルトラ・・・などの、アトリエやインタビューが紹介されていました。
他にも、しかけ絵本の特集や、ボローニャ見本市の様子、世界の図書館や絵本美術館、絵本ショップの紹介なども。
やはりPenだからでしょうね~、絵本作家というよりもイラストレーター色の強い作家を挙げ、全体的にクリエーター向けに編集されています。つまり、子どもの心に沿った絵本というよりは、大人が見て楽しめる絵本が主です。
以前大丸東京店で行われた「絵本作家ワンダーランド」(当時の記事はコチラをご覧ください。)で、ミヒャエル・ゾーヴァ・荒井良二・サラ・ファネリの原画をみました。とくに、サラ・ファネリのコラージュは今でも鮮明に思い出されます。方眼紙に布や雑誌や新聞を切ったものを貼っていて、とてもおしゃれでかわいくて。こんな創造のできるのは、一体どんな女性なのかな?と思っていたですが、今号のPenに、サラの写真が載っていました。想像通りのキュートな女性です。

 私は、絵本を選ぶ時に、子どもにとってのいい絵本とはどんなものかな?ということを基準にしていて、絵がきれいだとか、おしゃれだとかっていうのでは選んでいません。だからでしょうか、この雑誌に掲載されている絵本のほとんどが未読で(邦訳されていないものも数多く紹介されています)、とても新鮮に感じられました。
 「編集部厳選の10冊」という特集で、その中の一冊に挙げられていたのが、UN DEUX(アンドゥ)。文章は、なんと料理家の高山なおみ氏。絵は、『BROOCH』の渡邉良重氏だそう。とっても気になる本です。読んでみなきゃ
アンドゥアンドゥ
渡邉 良重 高山 なおみ

リトル・モア 2008-04-26
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tag : 絵本講師

 報告『エリック・カール展』

2008-05-15

4月29日から5月12日まで、松屋銀座で開催されていた
「絵本の魔術師 エリック・カール展」に行ってきました。
母の日のこの日、あいにくの雨にもかかわらず、会場内は、とにかく人・人・人・・・
松屋で行われる展覧会に行くのはこれで4回目ですが、毎回人ごみに悩まされます。
平日に一人でゆっくり~~なんて思うのですが、ヒメも大好きな『はらぺこあおむし』の作者ともなれば連れて行かないわけにはいきません。

 まず入館すると、エリック・カールが今回の展覧会のために描いた、「あおむし」の製作過程がビデオ上映されていました。ティッシューというやわらかい紙にアクリル絵の具で色を塗って作った紙が、棚に色ごとに仕分けされています。そこから、選び出し、下絵にあわせて切り抜き貼っていくのです。
あおむしの胴体の緑色も、色調の違いのある紙を選びバランスよく配置していっていました。
目や鼻、足などのパーツも貼り絵にすると、最後にクレヨンを取り出して胴体にあおむしの毛をチョンチョンっと描いて。。。最後に「For My Friends In Japan」とメッセージ付きのサインを添えて、できあがり。この実物も、ちゃんと展示されていましたよ。
絵本の、「あおむし」に比べると、胴体も短く、毛の数も少なくて・・かなりの簡略化された「あおむし」ですが(この絵が、展覧会のチケットに採用されています。松屋HP)">

この制作過程を見ると、原画の見方もまた変わってきます。
カールが初めて一人で手がけた絵本『1,2,3どうぶつえんへ』(1968年)では、その細やかな作業ぶりがうかがえて思わず足を止めてしまいました。
ティッシューに幾重にも重ね塗りした絵の具の質感や、色調の微妙な違い、台紙に張られた糊の感じなどを間近に見ることができ、感動も一入です。
ヒメは、この原画を最も気に入り、「この本買って欲しい!」と、あまりに言うので購入しました。動物たちが汽車にのって動物園に行く様子を描いてある、文字なしの絵本です。
1,2,3どうぶつえんへ―かずのほん (かずのほん)1,2,3どうぶつえんへ―かずのほん (かずのほん)
エリック・カール

偕成社 1985-01
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原画の他にも、絵本制作のあとに残ったティッシューを使ってつくったアッサンブラージュのアート作品も展示されていて、偶然の産物だというインディペンデントアートとしての立体作品では、アーティストの存在感を示しています。

私が、とくに興味深かったのは、『はらぺこあおむし』の前身となった絵本が存在していたということ。
「A WEEK WITH WILLI WORM」(虫のウィリーの一週間)という題名で、中には、りんご、なし、オレンジ、バナナ、すももに、それぞれ虫食い穴もあり、チョコレートケーキやぺろぺろキャンディーなどずらりと並ぶページもほぼ現在のとおり。ですが、食べ過ぎて、緑色の太った丸い虫になるというところで終わり。
ところが、女性編集者とディスカッションをしているうちに、主人公をあおむしにして、チョウに変身するというドラマティックな結末を思いついたのだそうです。
 このことについての、インタビューの様子も上映されていて、「どうして原案にあったバナナが、なくなったのか?」という質問をされていたのですが、「そんなこと今まで考えたこともなかった」と、笑いながら答えておられました。どうしてバナナは不採用になって、いちごに変わったのでしょうね?ご本人の回答は聞けなかったけれど、どう考えても、いちごの方が丸くて小さくて、あおむしがかじるというイメージがありますもんね。

DSCF2380_convert_20080513135900[1]
展覧会会場を抜けると、ショップには、書籍のほか、「あおむし」グッズがずらり。
「はらぺこあおむしカフェ」というのも併設されていましたよ。
私は、一日限定200個という「まるごとリンゴぱん」(699円)を買ったのですが、持ち歩きの状態が悪く、家に帰った時はすっかり変形しておりました。

 ヒメが小さい頃よく読んだ『ごちゃまぜカメレオン』も購入。
この本は、同じ内容で絵がクレヨン画のもの(ほるぷ出版)と、コラージュのもの(偕成社)と2種類あり、以前このブログで紹介したのは、クレヨン画のほう(過去の記事をご覧くださいコチラ)ですが、今回はコラージュ版を購入。こちら、13㎝×10cmのミニエディションで、外出用にもとっても便利なコンパクトサイズ。
ごちゃまぜカメレオン (ミニエディション)ごちゃまぜカメレオン (ミニエディション)
エリック カール Eric Carle 八木田 宜子

偕成社 1992-10
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そして、同時に、こちらのぬり絵絵本も購入しました。ヒメは、帰宅後まっしぐらに色鉛筆をとりに行き、ミニエディション版を参考にしながら、塗り絵をはじめていました・・・が、一つ仕上げると力尽きたのかぽいっと放置し・・まったく~飽きっぽいんだから完成にはしばらくかかりそうです。
ごちゃまぜカメレオン 塗り絵本ごちゃまぜカメレオン 塗り絵本
エリック カール 八木田 宜子

偕成社 1991-07
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会場には、エリック・カール氏のメッセージが書かれていて、そこには「子どもたちに創作の楽しさを感じてほしい」とありました。
子どもの工作感覚で作られるカール氏の作品からは、元気・希望・快活・・・というものを受け取ることができます。色を塗るのも、紙を選ぶのも、切ったり貼ったりするのも、何よりもカール氏本人が楽しみながらワクワクしながら制作しているのが存分に感じられる展覧会でした。

 2年前、恵比寿ガーデンプレイスにて「はらぺこあおむしエリック・カールの世界」がありました。
あおむしの絵が描いてあるバルーンに、好きな色を塗ることができるコーナーがあり、当時2歳のヒメが一人で塗り塗り・・ヒメ流のあおむし君、とってもかわいく出来上がっていました。(そのときの記事はコチラ
このときもガーデンプレイス全体が、「はらぺこあおむし」の世界でいっぱいになっていて、カール氏の言う「創作の楽しさ」が生かされた素敵なイベントでした。

 でんしゃにのって

2008-05-11

でんしゃにのって   とよたかずひこ/作・絵
でんしゃにのってでんしゃにのって
とよた かずひこ

アリス館 1997-06
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<どんな絵本?>
うららちゃんは おばあちゃんの ところへ ひとりで でかけます。
・・・・・・
おりるえきは 『ここだ』えきです。
ガタゴトー ガタゴトー ガタゴトー ガタゴトー

「つぎは わにだー わにだー」・・・・・「つぎは くまだー くまだー」・・・・「つぎは ぞうだー ぞうだー」・・・・

乗客が次々と乗ってきて、電車は次第に混んできます。
みんなうとうと居眠り。うららちゃんは、「ここだ」で、ちゃんと降りておばあちゃんに会うことができるのでしょうか?

<初めて読んだ2才3ヶ月のヒメの反応>
「ガタゴトー ガタゴトー」や、「つぎは、○○だー ○○だー」のリズムを面白がっていました。
「わにだ」駅では、ワニが、「くまだ」駅からはクマが乗ってくるという洒落には、まったく気づいていません。
うららちゃんが、居眠りしていて切符を落としてしまう場面では「あっ!落ちたよ」と必死で指差ししています。

<おすすめポイント>
駅名から、次の乗客が予想されるという洒落が面白い。満席になったときに次の乗客がどうするのか、また、うららちゃんが無事に目的駅で降りられるのかという、ハラハラしながら展開を見守るという感情の動きを楽しめます。
リズミカルな言葉が繰り返され、登場人物のユニークな表情と、ゆるりとした時間の流れを感じることができる絵本。
中表紙のタイトルのページから始まり、裏表紙までしっかり楽しませてくれます。

<現在4才10ヶ月のヒメの反応>
 ひとりで読みたがります。内容はすっかり暗記しているので、平仮名を一つ一つ追いながらも、私の口調そのままに読んでいます。
 「おばけだ」駅に立つ、おばけを気味悪がって手で蔽い隠しています。(昔は平気だったんですが)

<まつりかの感想>
声に出して読んでいて、とても穏やかな気持ちになれるこの本。
子どもウケのいい本であることも間違いないでしょう。
ウイットがきいていることや、ユニークな表情の絵や、言葉の響きが魅力というのももちろんですが、見知らぬ乗客同士の車内での思いやりのある行動に温かさを感じたり、少女が電車を降りる時に、落とした切符を忘れて出て行きそうになるという、ほんの一瞬のドキドキ感が、一連の物語の流れにピリリと刺激を感じたりというのも、幼い子供にとって「調度いい加減」なのだと思います。

うららちゃんシリーズは3部作になっていて、他には『ボートにのって』『さんりんしゃにのって』があります。(『さんりんしゃにのって』の過去ログもご覧くださいコチラです)
3作品とも、2歳ころから楽しめると思いますが、『でんしゃにのって』は、洒落を分かってこそ本当の意味で楽しめるのではないかという点で、言葉の理解が深まる3歳前後からがおすすめだと思います。

宮城県出身の作者ですが、仙台から40分ほどのところに「小牛田(こごた)」という駅があるのだそうです。
昔から、「こごたはここだ」という洒落はよく言われているそうで、それがもとでこのお話ができたのだそうです。そして、この地を通る沿線には、小牛田(こごた)」以外にも、東北訛りの車掌さんが言うと面白くなる駅名がたくさんあるそうで・・

そんなエピソードのほかに、絵本や紙芝居の製作過程のお話など、愛情溢れる語り口調の、とよたかずひこ氏は、今回も「絵本講師・養成講座」(東京会場は5月17日(土)開講で、とよた氏は第2回目の7月19日(土))でご講演くださることになっています。
駆け込み応募も大歓迎です!
どうぞ、まだ迷っておられる方も、ぜひお問い合わせください。
NPO法人『絵本で子育て』センター
〒659-0067 芦屋市茶屋之町2-21-405
TEL0797-38-7516 FAX0797-38-7939
http://www.holpforum.com/  
holp@holpforum.com

 

 たんぽぽ

2008-05-08

たんぽぽ   甲斐信枝/作
たんぽぽたんぽぽ
甲斐 信枝

金の星社 1984-02
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<どんな絵本?>
春の訪れを待っているつぼみが、花を開き、満開になり、わたげとなって種をとばしていき、枯れ、葉を茂らせていく、たんぽぽの生態ドラマを描いた絵本。

<初めて読んだ3才8ヶ月のヒメの反応>
絵本を縦にしたり横にしたりして読むのを楽しんでいます。とくに、観音開きのページを開くと現れる、風にのって飛んでいく綿毛が描かれる場面には食い入るように見ています。 
   
<おすすめポイント>
 開花するときは?寒い日は?雨の日は?夕方には?草が生い茂っているところでは?どうやって綿毛になるのか?・・・など、たんぽぽの生態の様々なことを知ることができます。
 見開きいっぱいにダイナミックに描写されたページ、たんぽぽに止まるチョウの姿、空の青さ、冷たい雨の降る様、夕焼け空に鳥が飛ぶ様、キラキラと輝く綿毛など、一つ一つが丁寧に書き込まれ、写実的でありながら、物語性のある絵が大型絵本のメリットを生かして描かれています。
 また、叙情的な文章は、単にたんぽぽの生態を述べる科学読み物でなく、物語としての感動を与えてくれます
「はるがいっぱいになる。たんぽぽは あんしんして せいを のばす。おおきな はなを とくいそうに さかせる。」
「わたげたちは いっぽん いっぽん じっと いきを とめて、ちかづいてくる かぜの おとを きいている。」
「なんびゃく なんぜんの こどもたちを こころを こめて みおくった たんぽぽ。」

 
<現在4才10ヶ月のヒメの反応>
本当に雨の日はたんぽぽの花がつぼんでいるのか探しにいきたがったり、綿毛についている種をひとつひとつちぎってみたり、たんぽぽを見つけると、千切って観察しています。茎が空洞で、そこから出てくる白い粘りのある液が気になってしかたないようです。

<まつりかの感想>
たんぽぽの絵本といえば、こちらもあります。
平山和子/文・絵  北村四郎/監修
たんぽぽたんぽぽ
平山 和子

福音館書店 1976-01
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こちらは、福音館書店のかがくのとも。理科要素が強く、文章も教科書的ですが、「へえ~」の度合いは、こちらのほうが多いかもしれません。平山氏の絵は、さすが、繊細でリアルです。

 ヒメは幼稚園には、園バス。それ以外のお出かけには、自転車を使うので、ヒメも私も、歩いて出かけることが少ないのです。たまには、ゆっくり歩いておしゃべりでもしながら・・と思い、普段はあまり通らない舗装されていない道を通ってみると、少しですがたんぽぽが群生しているところを発見。
ちょうど雨上がりだったので、たんぽぽの花が閉じているのを見ることができましたので、写真をパチリ。それから数日後・・・すっかり綿毛に変わっていました。073.jpg075.jpg

 科学絵本には、大人をもうならせる知識がたくさんあります。
私は、この本で、「花が終わると、実が熟すまでは茎を低く垂れ、ようやく熟すと、ゆっくり伸びながらまっすぐに立ち、少しでも遠くに綿毛が飛ぶように姿勢をつくる」ということを初めて知りました。
そして、読めば読むほど、たんぽぽに親の姿を重ね、綿毛が風にのって飛んでいく姿に子の巣立ちを見てしまいます。
 作者の甲斐氏も、あとがきに、このように書いておられます。
「ぶじ開き終わったわたげの一本一本の旅立ちを見送り、静かにたおれていくたんぽぽの姿には、母親の悲しみがあふれていました。」

 綿毛は小さな風には決して乗らないそうですね。より遠くに飛べる「いい風」を待つのだそうです。 そう思うと、周りにたんぽぽが全くないのに、アスファルトの隙間に忽然と咲いているたんぽぽを見ると、「いい風に乗って飛んできたのかな」なんて。。。そう思うと、妙にいとおしく感じられます。

 ふらいぱんじいさん

2008-05-01

ふらいぱんじいさん   神沢利子/作 堀内誠一/絵
ふらいぱんじいさん (日本の創作幼年童話 5)ふらいぱんじいさん (日本の創作幼年童話 5)
神沢 利子

あかね書房 1969-01
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<どんな絵本?>
ふらいぱんじいさんは まっくろな おなべの じいさんでした。
金色のおひさまみたいな目玉焼きを焼くのが大好きでしたが、奥さんが新しい目玉焼き鍋を買ってきたので、もう目玉焼きを焼かせてもらえなくなったのです。
しょんぼりしているじいさんに、ゴキブリが、くよくよしないで旅に出ることをすすめます。
「そうだ、 ひろい よのなかに でれば、 この わしだって、 なにか やれそうなものだ。 よし、でかけよう。あたらしい せかいで、 だれかが わしを まっているかもしれない。」

こうして、旅に出た、ふらいぱんじいさんは、ジャングルでヒョウや猿に出くわしたり、ダチョウやらくだの子どもと出会います。
ある日、海で気持ちよく泳いでいると突然嵐になり、巻き込まれてしまいます。ようやくおさまったところに、溺れている一羽の小鳥を見つけました。じいさんの足につかまって、羽を休ませ元気になった小鳥はまた飛び立っていきました。
その後じいさんは、たこに足をねじまげられ、砂浜に打ち上げられ動けず寝たきりになります。
そこへ、あの嵐の日に出会った小鳥がやってきて、じいさんを見つけると、仲間の鳥と協力して、じいさんを木の上に運び枝に結わえてあげました。
じいさんは、大好きなおひさまを見上げ、落ち葉を胸に抱き、その上に鳥が卵をうみ、ひなが孵ります。毎年渡り鳥がやってきてはいろんな国の話をきかせてくれ、いつも小鳥が遊んでいます。

<初めて読んだ3才8ヶ月のヒメの反応>
 ヒメにとっては、『いやいやえん』に続いて2作目の幼年童話。全90ページを全部聞くのがなかなかできず、いつも50ページくらいで夢の中・・
 続きから読もうとすると「最初から読んで!」というのですが、途中でふっと見ると、すやすや
 らくだの坊やが迷子になっているシーンにハラハラするようです。

<おすすめポイント>
 主人公がフライパンで、しかも、おじいさんという設定の面白さ。自分はフライパンとして台所でのみ使われるものだと思っていたのに、世間に出てみたら、いろんな見方をされることに気づき、最後は好きなものに囲まれて暮らしていくというストーリーに、人生観がみられます。
 挿絵は、木、草花、雲、波にまで目鼻をつけて擬人化して描かれることで、ふらいぱんが主人公であることの違和感を全く感じさせないどころか、子どもは、無邪気に世間を楽しむ「ふらいぱんじいさん」に心をよせて楽しめると思います。

<現在4才9ヶ月のヒメの反応>
 最近は、睡魔も襲ってこないようで、完読できるようになりました。オスのだちょうに向かって「たまごをうんでくれ」と叫ぶナンセンスな場面に笑っています。
「おじいさんは、卵が大好きだから幸せなんじゃない?」と、この結末にすっかり満足したコメントをしています。

<まつりかの感想>
 子どもは絵本を読むときに、とかく主人公に共感し、自己同一していくものです。その多くは、読み手と同じ、子どもが主人公であるけれど、この本は、「ふらいぱん」であり「じいさん」であり、読み手とはかけ離れすぎていて、共感できないのではないかと思っていたのです。
 ところが、この本は初版が1969年。長年、幼年童話の代表としての地位を継続していることをみても、多くの子どもの共感を得ているわけです。
 このふらいぱんじいさんは、年をとってはじめて広い世間に出たので、未知のことばかりで、まるで子どものようにいろんな体験をしていきます。出会うものに驚き、喜び、ときには励まし、助け、おじいさんでありながら上から目線で説教するわけでもなく、素直に生きていく様子に子どもは自分と同じ目線であると感じるのかもしれません。

 実は、ふらいぱんじいさんの行動、生きざまには、私も啓発されることが多いのです。
たとえば、
今の地位に安住せずに思い切って外の世界を見てみる(ゴキブリに促されて旅にでるのを決心)
自分が思っているのと違って、人の見方は様々である(鏡、たいこ、おばけ、おたまじゃくしなどに間違われる)
世の中には、知っているようで知らない世界がたくさんある(海を初めてみて、今まで水と言えば水道の蛇口から出てくる細いものしか知らなかった・・)
自分が大好きなものを心に抱き続けていると、その夢が思わぬことで叶うことがある(じいさんは、おひさまと、目玉焼きが大好き。最後は、おひさまに近い木の枝に落ち着き、巣として卵をかかえいつも小鳥たちに囲まれて暮らす)

な~んて、ちょっと、いい過ぎかもしれませんが
「どうせ・・・」「わたしなんて・・」とすぐに言い訳をしてしまい、なかなか一歩を踏み出せない私にとっては、このふらいぱんじいさんの行動は輝かしくうつるわけです。

 あとがきには、作者の神沢利子さんがこの物語を構想するきっかけになった話が書かれています。ヨットで世界旅行をした時に立ち寄った、ある島の木のうえにフライパンがあり、ことりの卵が13個並んでいたのを見たそうです。そこからこんなナンセンスでかつロマンのあるファンタジーを考えたというのですから、さすがですね。 
プロフィール

まつりか

Author:まつりか
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・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

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