たんぽぽ 甲斐信枝/作
<どんな絵本?> 春の訪れを待っているつぼみが、花を開き、満開になり、わたげとなって種をとばしていき、枯れ、葉を茂らせていく、たんぽぽの生態ドラマを描いた絵本。 <初めて読んだ3才8ヶ月のヒメの反応> 絵本を縦にしたり横にしたりして読むのを楽しんでいます。とくに、観音開きのページを開くと現れる、風にのって飛んでいく綿毛が描かれる場面には食い入るように見ています。 <おすすめポイント> 開花するときは?寒い日は?雨の日は?夕方には?草が生い茂っているところでは?どうやって綿毛になるのか?・・・など、たんぽぽの生態の様々なことを知ることができます。 見開きいっぱいにダイナミックに描写されたページ、たんぽぽに止まるチョウの姿、空の青さ、冷たい雨の降る様、夕焼け空に鳥が飛ぶ様、キラキラと輝く綿毛など、一つ一つが丁寧に書き込まれ、写実的でありながら、物語性のある絵が大型絵本のメリットを生かして描かれています。 また、叙情的な文章は、単にたんぽぽの生態を述べる科学読み物でなく、物語としての感動を与えてくれます。 「はるがいっぱいになる。たんぽぽは あんしんして せいを のばす。おおきな はなを とくいそうに さかせる。」 「わたげたちは いっぽん いっぽん じっと いきを とめて、ちかづいてくる かぜの おとを きいている。」 「なんびゃく なんぜんの こどもたちを こころを こめて みおくった たんぽぽ。」 <現在4才10ヶ月のヒメの反応> 本当に雨の日はたんぽぽの花がつぼんでいるのか探しにいきたがったり、綿毛についている種をひとつひとつちぎってみたり、たんぽぽを見つけると、千切って観察しています。茎が空洞で、そこから出てくる白い粘りのある液が気になってしかたないようです。 <まつりかの感想> たんぽぽの絵本といえば、こちらもあります。 平山和子/文・絵 北村四郎/監修
こちらは、福音館書店のかがくのとも。理科要素が強く、文章も教科書的ですが、「へえ〜」の度合いは、こちらのほうが多いかもしれません。平山氏の絵は、さすが、繊細でリアルです。 ヒメは幼稚園には、園バス。それ以外のお出かけには、自転車を使うので、ヒメも私も、歩いて出かけることが少ないのです。たまには、ゆっくり歩いておしゃべりでもしながら・・と思い、普段はあまり通らない舗装されていない道を通ってみると、少しですがたんぽぽが群生しているところを発見。 ちょうど雨上がりだったので、たんぽぽの花が閉じているのを見ることができましたので、写真をパチリ 。それから数日後・・・すっかり綿毛に変わっていました。![]() ![]() 科学絵本には、大人をもうならせる知識がたくさんあります。 私は、この本で、「花が終わると、実が熟すまでは茎を低く垂れ、ようやく熟すと、ゆっくり伸びながらまっすぐに立ち、少しでも遠くに綿毛が飛ぶように姿勢をつくる」ということを初めて知りました。 そして、読めば読むほど、たんぽぽに親の姿を重ね、綿毛が風にのって飛んでいく姿に子の巣立ちを見てしまいます。 作者の甲斐氏も、あとがきに、このように書いておられます。 「ぶじ開き終わったわたげの一本一本の旅立ちを見送り、静かにたおれていくたんぽぽの姿には、母親の悲しみがあふれていました。」 綿毛は小さな風には決して乗らないそうですね。より遠くに飛べる「いい風」を待つのだそうです。 そう思うと、周りにたんぽぽが全くないのに、アスファルトの隙間に忽然と咲いているたんぽぽを見ると、「いい風に乗って飛んできたのかな」なんて。。。そう思うと、妙にいとおしく感じられます。 ![]() |
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