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100まんびきのねこ
100まんびきのねこ  ワンダ・ガアグ/作  石井桃子/訳
100まんびきのねこ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)100まんびきのねこ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
ワンダ・ガアグ いしい ももこ

福音館書店 1961-01
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<どんな絵本?>
年をとったおじいさんと、おばあさんは二人きりの生活で、とてもさびしく、ねこが一匹いたらいいな、という、おばあさんのために、おじいさんは、丘を越えてねこを探しにでかけました。
長い間歩いていくと、とうとう、ねこでいっぱいの丘に出ました。
そこにも ねこ、あそこにもねこ、どこにも、かしこにも、ねこと こねこ、ひゃっぴきの ねこ、せんびきの ねこ、ひゃくまんびき、一おく 一ちょうひきの ねこ。 

おじいさんは、どのねこを見てもかわいく思えて、とうとう、そこにいるねこを、みんな連れて帰ることになりました。
おばあさんは、あまりのねこの数に驚き、これだけのねこを養うと自分たちが食べていけなくなると言い、どのねこを家に置くか、ネコ自身に決めさせることにします。
「おまえたちの なかで、だれが いちばん きれいな ねこだね?」
「わたしです!」「ぼくです!」「いいえ、わたしです!」


どのねこも自分が一番だと思っていたので、大変な騒ぎになり、家に逃げ込んだおじいさんとおばあさんが、しばらくして窓の外を見てみると、あたりは静かで、草の間に一匹だけやせこけたねこがいました。他のねこは、みんなで食べっこしてしまったのです。
一匹だけ残ったのは、自分のことを、みっともないねこだと思っていたので、だれもかまわなかったから。
おじいさんとおばあさんは、このねこをきれいにして、ミルクを飲ませ、大切にかわいがりました。
「この ねこは、やっぱり とても きれいですよ!」・・・
「いや、この ねこは、せかいじゅうで いちばん きれいな ねこだよ。わたしには、ちゃんと わかるんだ。だって わたしは、ひゃっぴきの ねこ、せんびきの ねこ、ひゃくまんびき、一おく 一ちょうひきの ねこを みてきたんだからねえ」と、いいました。


<初めて読んだ4才3ヶ月のヒメの反応>
ねこたちが食べあう・・・ということ=殺し合いをした、ということに、しばらく考えてから気づき、それを想像して「こわいね〜こわいね〜」と繰り返していました。
最後のページにある、おじいさんとおばあさんの結婚式の写真?と思われるものが壁にかけられているのを見て、「この人たちも、若い頃があったんだね」と、何やら感慨深げな発言をしています^_^;

<おすすめポイント>
全編モノクロで、細密な筆使いで、数えきれないほどのネコや、風景が描かれています。
横長の判型をうまくつかって、おじいさんが、長い道のりを経てネコを探しに行く動きをあらわすなど、画面の連続性に注意をはらって作られています。
「ひゃっぴきのねこ、せんびきのねこ・・」のリフレインは、おびただしい数のネコがいる様子を、リズミカルにうたっています。
1928年に初版。原題は『MILLIONS OF CATS』
見開きをいっぱいに使い、奥行きのある構図で描かれた絵は、文章でなく絵そのものが物語っているという点で、近代絵本の草創期の代表とも言われる作品。

<現在4才10ヶ月のヒメの反応>
「ひゃっぴきのねこ、せんびきのねこ・・・」のフレーズになると、ここぞとばかりに声高らかに唱和しています。
おじいさんが長い道のりを歩いていく様子を描いている場面では、その道のりを指でたどって楽しんでいます。
白黒で描かれた絵は、よ〜く見ると、なんだか気持ち悪く感じるところが多々あるようで、とくに山肌や草を細かく描いている絵には、「わーこれ気持ち悪い」と叫びながら手で覆っています。

<まつりかの感想>
 今から80年も前の作品でありながら、全く古さを感じさせません。色味は全くない、モノクロの絵は、子どもを最後まで飽きさせず、むしろぐいぐい引き込んでいく力があります。
そして、訳はやっぱり・・石井桃子さん。意表をつくシュールな展開の物語でありながら、美しい日本語使いに、読後は後味も良く、余韻を感じられます。
 見開きの使い方や、構図、文章ありきの挿絵ではなく、絵で物語を運び、絵そのものを楽しむという点など、それまでの絵本では考えられなかったといわれていますが、今では当たり前に思われることでも、当時の人にとってはどんなに斬新に感じられたことでしょう。
 
 絵本の冒頭にある文章↓
ふたりはこぢんまりした きれいな いえに すんでいました。そして、いえの まわりには、ぐるっと はなが さいていました。それでも、おじいさんと、おばあさんは、しあわせでは ありませんでした。ふたりは、とても さびしかったのです。
 そして・・ 絵本の最後のページには↓
 おじいさんが葉巻をくゆらしながら椅子にすわり、おばあさんも椅子に座って靴下を編みながら、足元で毛糸とじゃれているネコを眺め、壁には二人の結婚式の写真が飾られているのです。

 そこには、「ねこのおかげで、昔のような幸せが訪れました」とでもいうように、晩年を迎えた老夫婦が、ねこを飼うことで幸せを感じているのがわかります。
 きっと、ねこが来るまでは、こんなふうに二人でテーブルをはさんでゆっくり時間を過ごすことが、何年もなかったんじゃないかと想像させるような。
 「かわいくてちいさくてふわふわしたねこ」が欲しいというおばあさんのオーダーに、おじいさんが必死でこたえようとする様子、そしてとんでもない数のねこを連れて帰ってしまうところに、おばあさんが、少し怒っているような言葉を発するのをみても、おじいさんとおばあさんの力関係をうかがえたりして。。80年前も、妻の方が夫より強かった
【2008/05/31 02:01】 | 3才児におすすめの絵本 | トラックバック(0) | コメント(7) |
プロフィール

Author:まつりか
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・まつりか(37歳)
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫(38歳)
 ♪2003年生まれの娘(5歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。幼稚園の年中さんです。 

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