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 マコチン

2009-11-30

マコチン   灰谷健次郎/作  長新太/絵
マコチン (あかね新作幼年童話 14)マコチン (あかね新作幼年童話 14)
長 新太

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<どんな絵本?>
まことくんの あだ名は マコチンです。
先生や、ほかのお友達にも、いろんなあだ名がついています。

まことくんは、マコチンの ほかに マコギャングという あだ名も あります。
すねると げんしばくだんみたいに はれつするからです。

お昼にすねたら給食を食べず、食器を投げたり、掃除の時間には、床に大の字になって転げたり。
「いまいちばんしたいこと」という題で書いた、まことくんの作文は
「ゆりちゃんの かみのけを 五ほん ぬいて はさみで みじこうに きる
そいで ゆりちゃんの はなの したに その けを ちょいちょいと つける
おんなの ちょぼひげや おへその とこにも まるく ならべて ひげ つける」

音楽の時間に、好きな歌を唄わせてくれと言って、エレキギターを弾く格好をしながら、「レッツゴー、ヤー、サンキュー、オーノー」とうたう。
絵を描けば、「ええ いろが でえへん」と言って大泣きする。

ある日、まことくんが大好きな担任の、とよこ先生が風邪をひいて学校をやすむ。
まことくんは学校から帰ると、お友達と一緒にお見舞いに行くことに。
ところが、途中で心細くなった友達は家に帰ってしまい、真っ暗な中、ひとりで駅二つ先の先生の家に向かった。
まことくんは、先生に抱きつき、先生は、指で背中に文字をゆっくり書いていく。
「う」「れ」「し」「い」

「わかる?」
わかったと、まことくんは、大きな こえで いいました。
そうして、とよこ先生の おなかの あたりに、 じぶんの かおを、 くりくり こすりつけました。

<はじめて読んだ4才7ヶ月のヒメの反応>
まことくんのあだ名、マコチンを、マコチンチンという人がいて、マコ・・・を口の中でむにゃむにゃいって、あとのほうは大声でいう、というくだりに毎度大笑いしています。
こういう下ネタを口にするのが楽しい時期でしたし、こっそり先生にいたずらをして、お友達と笑ったりということもするようになり、主人公まことくんの奔放な姿に、興奮気味で読んでいました。

<おすすめポイント>
 主人公のまことくんは、自由奔放であるけれど、温かく見守り、その個性をつぶさないとよこ先生の姿、息子に困っている母親に対して、おおらかに受け止める父親、兄を慕う小さな弟の存在など、登場人物がどれも光っていて、長新太氏の挿絵は、物語の面白さをより高めてくれています。 
 一人の人間のもつ様々な側面を、きちんと受け止める担任の先生と、そんな先生が大好きだという児童との心の通い合いに深い感動があり、全体的には、はつらつとした気持ちのいい作品。
 
<現在6才4ヶ月のヒメの反応>
ヒメは、最近クラスのお友達にあだ名をつけているのだという。ヒデオくんは、「ヒゲオ」。タンゴ君は、「団子」。トミタ君には、トミーと言ったら嫌がられたので、「ミートソース」になったのだそう。
人が嫌がるあだ名はつけないようにねっと、釘をさすものの、まだ悪意のあるあだ名をつける程の知恵はないのかもしれませんが。 
ですから、あだ名で人物紹介をするこの本の冒頭がやはり大好きです。
中盤まで、要所要所で大笑いするものの、ラストシーンには、しんみりし、言葉なく本を読み終えます。

<まつりかの感想>
灰谷氏がお亡くなりになったときに、再放送された追悼番組、NHKの人間大学アンコール「子どもから教わったこと」を見ました。それまでは、昔読んだ『兎の眼』の作者という認識しかなく、氏が、かつて小学校教師だったことさえも知りませんでした。
深夜の再放送のため、すべての回を見ることはできませんでしたが、小学校の教室で撮影されていて、子どもたちの作文や詩、絵をとりあげ、教育について灰谷氏が語る番組。
もう一度見たい番組の一つでもあります。あのころよりも、少しは成長し、子どもを見つめるということを体と心で理解できるようになってきたと思うので、灰谷氏の言葉から新たに学ぶことも多いのではないかと思っています。

この本に出てくる、まことくんの言葉は、素直でかつ重いメッセージがあります。
私がとくに印象的な言葉を二つあげてみす。

 まことくんの作文
「みんなは ちょいちょいよそのこの えや し まねするけど
おれは まねは だいきらいや
ひとが はつめい したことを そのまま まねするのは いやらしい
みんなの こころの なかには くろい ふく きた まねの かみさんが ひひひと いうて すんでんねんやろ」


そして、もう一つ、病気のとよこ先生に書いたお手紙。
「せんせい しんどいか。しんどかったら、 いつでも びょうきを ぼくに くれ。
ぼくは しんどかっても ええ。せんせいが げんきに なったら、 ぼくは それで むねが すーと する。」


クラスの問題児ともいえる、一見手に負えないマコチンは、大人や社会の矛盾をついています。こちらの浅ましさがえぐられるような。大人の言うことを従順にきくことを良しとすることで、子どもたちがのびやかに育たないのではないかといわれているようで。読みながら、ハッとさせられるフレーズです。

そして、私は今日も、わが娘の態度に叱り、諭し・・・ヒメの口から「ごめんなさい」「わかったよ」という言葉を聞くことで、「よし」と落ち着く。しかし、ヒメの内面では、マグマが沸々と音をたてているのかもしれない。寝る前にこの本を読み、マコチンの姿に笑い転げるヒメをみて、本の中では奔放でいられているのだろうな~と。そして、わが狭量を反省し、胸の内でヒメにそっと謝るのでした。
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 間崎ルリ子氏講演会

2009-11-25

先日、地元で開催された、間崎ルリ子氏の講演会に行ってきました。

間崎さんといえば、訳書には『もりのなか』『パンやのくまさん』のくまさんシリーズ『くんちゃんのはじめてのがっこう』の、くんちゃんシリーズなどがあります。
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慶応大学の図書館学科ご卒業で、ニューヨークの公共図書館でもご勤務された経験があり、1968年からは、神戸で「鴨の子文庫」を開かれ現在もつづいているのだそうです。

作家であり、図書館学に精通され、読み聞かせの現場にもおられ、自身も3人の子育てをされてきたという方の貴重なお話は、期待を裏切らない素晴らしいものでした。

面白かったのは、図書館の歴史について。紀元前にあったとされるエジプトの古代都市テーベの図書館には、「魂の医薬」と壁に刻まれていたのだそう。
図書館の存在とは?本質とは?というものを、歴史をたどって説明してくださってロマンあふれるものでした。

さまざまな参考図書のご紹介もあったのですが、とくに石井桃子氏の著書や絵本を用いてのお話には、尊敬と感謝の温かな語りをされていました。

子どもが本を読んでもらっているとき、その心の中で何をしているのかが大切。
本と一体化して、体験して生きる希望を得ることを、言葉で体験することが、子どもの読書の本質ではないか
・・・・という言葉に、深く共感したのでした。

今年4月に刊行された『つばさの贈り物~本を通して家族と共に分かち合ったよろこびのかずかず』も、間崎氏の訳書ですが、ここには、子どもに本を手渡す人が頭でなく心で理解できる名言の宝庫です。
つばさの贈り物―本を通して家族と共に分かち合ったよろこびのかずかずつばさの贈り物―本を通して家族と共に分かち合ったよろこびのかずかず
大江 栄子

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著者は、アニス・ダフというカナダ人の児童書編集者。彼女が、二人の子どもに本の読み聞かせをしていく上で、家族で得た喜びをつづった記録です。
この本、なんと1944年に書かれているのです。
原題は『BEQUEST OF WINDS~A Family's Pleasures with Books』
間崎氏ほか2人の訳者は、20年以上前にこの本に出会っていたそうですが、時代を超えて新しい内容に、現代の日本にも必要とされていることだろうということで出版にいたったそうです。
そのとおり、家族の日常の中に、ごく自然に絵本が入り込んでいく様子が素直にかかれています。

幼い子どもにとて、読むという行為は”ひとりで読む楽しみ”ではありません。分かち合いの楽しさを通して、また、良い本に絶えず接することによって、食事や睡眠や、音楽や野外での遊び同様、本がいつの間にか楽しい必需品になっていくのです

このほかにも、さまざまなエピソードを通して子どもと本を楽しむことについて、示唆を与えてくれています。

 来年1月30日、31日に、銀座の教文館ナルニア国で、間崎氏の講演会が行われるそうです。
30日は、「子どもとともに楽しむ詩」、31日は、「大人のためのおはなし会」となっていますが、子連れ不可です。申込みは、往復はがきで年内の受付となるようです。
詳細は、コチラの教文館のチラシをご覧ください。
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 おへそのひみつ

2009-11-15

おへそのひみつ   やぎゅうげんいちろう/作
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<どんな絵本?>
「おへそ」って なんだろう?

かみなりがおへそを食べにくる?
おへそは、おなかのおまけ?
おへそにさわるとおなかが痛くなる?

前半に子どもたちの会話形式でおへその謎を抽出し、後半はその解説という構成です。

おへそは、ぼくたちが おかあさんの おなかのなかにいた しょうこです。
ぼくたちは だれでも みーんな うまれる まえは、おかあさんの おなかのなかに いたんです。
だから、ぼくたちの おなかには みーんな おへそが ついているんです。
わかりましたか?


「おへそのごまをとるとおなかがいたくなるといわれるのか?」については、小児科医師の山田真氏による解説も。
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<はじめて読んだ5才2ヶ月のヒメの反応>
 自分の体のことにますます興味をもっていた時期。4才後半から、かがくのともの「わくわくにんげん」シリーズはよく読んでいました。
 この作者の絵もヒメは大好き。とくに中表紙にいきなり登場する『ピカピカ ごろごろ へそとるぞ へそとるぞ』がたまらないらしい。
 桐の箱にはいっている「へその緒」を時々見ては、すごいね~と喜んでいます。

<おすすめポイント>
 科学絵本ながら、読み物として存分に楽しめる展開。おへそ=雷が鳴ると隠さなきゃ、と思っている子どもの心をわしづかみにする導入。そこから、たくさんの子どもを登場させて、対話形式でなぞ解きをしていく。
 まるで子どものセリフや、絵の解説は、作者の手書き文字で書かれ、その下手さがまた読み手に親しみを感じさせる。
 
<現在6才4ヶ月のヒメの反応>
 相変わらず大好きな冒頭に登場するかみなりさま。「こどものへそはやわらかくてうめえ!!」といっている絵を見て、大笑いしながら、次ページにでてくる「あーかみなりさんやめてくださーい。おへそがちぎれる ちぎれる」を真似して、自分のおへそをキューっとつまんで面白がっています。
 「おへそはおかあさんのおなかにいたしょうこだ」という結末に納得するものの、そこに行きつくまでのちょっと難しい解説ページは、あまり関心がなさそう。
 この本を読むと、数日は自分のへその緒を箱から取り出しては、「これがはさみで切られたところか~」とニヤニヤしています。

<まつりかの感想>
 子どもにわかりやすく、また引きつけるように科学を説いている作者に感服します。おへそをあまり触らない方がいいということや、どうして雷がくるとおへそを隠すようにいわれているのか?ということについて、私のほうが納得し、感心して読んでいます。

 先日、「新聞広告クリエイティブコンテスト」の優秀作品が掲載されていました。今年のテーマは「絆」。最優秀作品にえらばれたのは、「さみしくなったら・・」というタイトル。
コピーは、「さみしくなったら、おヘソを見よう」「あなたがひとりじゃなかったこと 思い出せたら、きっと大丈夫」。(画像はコチラ
 
 新聞に大きく掲載されていた画像に釘付けになり、瞬間、とても温かな気もちになりました。このコピーも、シンプルなイラストも。そう、おへそは、お母さんとの絆なんだ
 ヒメが時々蓋をあけてへその緒を眺めているのも、何しているのやら?と思っていましたが、ヒメなりに確かに私のおなかの中にいたという証拠を見て、不思議なでも嬉しい気持ちにひたっているのかもしれません。ヒメが、あまりにさわりすぎて、薬包紙もやぶれ、乾燥材も少なくなってきているのが気になる・・
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プロフィール

まつりか

Author:まつりか
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・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

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