スポンサーサイト

--------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 おおかみと七ひきのこやぎ

2006-08-31

おおかみと七ひきのこやぎ グリム童話 フェリックス・ホフマン/絵 瀬田貞二/訳
000893340000.jpg

<どんな絵本?>
おかあさんやぎは、七ひきのこやぎたちに、おおかみに気をつけるように言い残し、出かけます。
ところが、おおかみはお母さんやぎの声と足の色をマネして、こやぎの家にまんまと入り込み、一匹だけ残して、6匹のこやぎを食べてしまいます。
うちに帰ってきたお母さんやぎは、その凄惨な現場を見て悲しみますが、大イビキをかいて寝ているオオカミのおなかがむくむく動いていることに気付き、鋏でおなかを切り裂くと、6匹のこやぎ達はみな無事でした。
オオカミが寝ている間に、石をおなかに詰め、針と糸で縫うのです。
やがて目を覚ましたオオカミは、やけに喉が渇くので水を飲みに井戸に首をつっこむのですが、石の重みで中に落ちて死んでしまいます。
お母さんやぎとこやぎたちは、井戸のまわりで
おおかみしんだ
おおかみしんだ

と、踊り喜ぶのです。

<初めて読んだ2才10ヶ月のヒメの反応>オオカミだけでなくヤギの絵も苦手なようで、「怖い怖い」といっていました。物語を聞きながらその内容に更に怖がり、オオカミに食べられたのを知ったお母さんやぎが、泣いている場面では、ヒメも涙ぐみながら聞いていました。

<おすすめポイント> 有名なグリムのお話ですが、読み手の期待を盛り上げる挿絵です。構図の素晴らしさと、絵の隅々まで丁寧に描かれていることでの発見を楽しめます。
 例えば、伏線となる井戸が最初のページにかかれていたり、オオカミがうちにやってきてからお母さんやぎが戻ってくるまでの時間が30分間であることが、部屋の時計の文字盤を見ればわかるようになっていたり、オオカミが喉をかわかして水を求めてさまよっている場面の右上端には、ヤギ達が窓からその様子を伺っていたり・・・・
 お母さんやぎの凛としていて子ヤギたちを思う優しい姿、オオカミのずるがしこさと、恐ろしさと間抜けさなど、絵が物語る力の素晴らしさを実感します。

<現在3才1ヶ月のヒメの反応>相変わらずこの本を自分から手にしようとはしませんが、読むと固唾をのんで聞き入っています。しかし、オオカミがお母さんやぎを真似るために、声をきれいにする「はくぼく」や、足を白くするためにパン屋に「ねりこをぬってもらう」という言葉に、「それ何?」と質問攻めされます。
 また「お父さんはどこ?」「お父さん帰ってくる?」と、ヤギのうちにお父さんがいないことを不思議に思っています。
 そしてヤギの家のたんすの上に飾られた写真をみて「これ誰?」といいます。(このことについては下記に↓)

<まつりかの感想>
 あまりに有名な童話で、この話の絵本は数多く出版されています。可愛らしく派手な色調で描かれたものに比べると、このホフマン氏の絵は地味な色づかいで、おどろおどろしい雰囲気。
 何度も繰り返し読んで本の隅々まで絵を楽しむことができ、物語のクライマックスに胸を高ぶらせ、結末にほっとしながらも、踊りはずんでいるヤギの絵と「おおかみしんだ」という言葉に、複雑な思いを馳せています。
 死んだという結末をさけて、「おおかみは水にしずんでしまいました」という本もありますが、こやぎを食べられ悲しみのどん底から這いあがり、助け、オオカミのおなかに石をつめるという復讐の果てには、オオカミが死んで大喜びするヤギの姿をあらわす方が、自然であるのでしょう。

 ヒメは、「お父さんはどこ?どこにいるの?」と聞いてきます。
「どこだろうね?お話には出てこないね」というと、「お父さんは、夜おうちに帰ってきて、オオカミに食べられけど助かってよかったねってみんなでお話するの。」と言っています。
 
 以前このことについて書かれた本を読んだことがあります。実はヤギのお父さんは死んでしまっているんじゃないかと。
 理由その① タンスの上のヤギの写真は、お父さんの遺影?
   その② 裏表紙にもヤギの写真が額にいれられてドア(壁?)にピンでとめられている。
   
 なるほどその意見を思い出しながら絵本をよむと、もしかしてヤギのお父さんはオオカミに殺されてしまったのでは?と、私は思うのです。
 だからこそ、お母さんやぎは、こやぎたちに警告して出かけたし、オオカミにこやぎたちが食べられたあとの復讐劇といい、井戸におちたオオカミに対する喜び方といい、お父さんやぎの敵を討ったのではないかと思うのですが・・
 そして、七匹のこやぎのうち一匹だけ黒い毛のやぎがいます。お母さんやぎは白い毛ですし、タンスの上の写真のヤギも黒ヤギだということは、やはり写真はお父さんヤギではないかと思うのです。

 ヒメはこの写真に気付き、「これ誰?」と聞いてきます。「誰だと思う?」と聞くと、「子ども。」と。うちの中に飾られているのだから当然子どもの写真だと思うのでしょう。自分がそうだから・・。「これ誰?」の質問の意味はおそらく「7匹のうちどのヤギの写真か?」ということなのだと思います。

 私はヒメに自分の解釈を説明するつもりはありません。この本をこれから先よみ続けるうちに、もしかしたら違った解釈をするようになるかもしれないと思うととても楽しみです。
ブログパーツ
 
 
関連記事

theme : 絵本ブログ
genre : 育児

Trackback

コメントの投稿

非公開コメント

お父さんの解釈は、私もまつりかさんと同じように想像していますe-122
ヒメちゃん、鋭~い!
ちゃんと絵を読んでいるんですね♪

最寄の図書館は、児童書が充実していることで知られているのに、ホフマンのこの本、一冊も棚ざしになっていなくて…涙
回転率の悪い図書(信じられない!)は、管理上地下の書庫行きとなる運命だとか。
もしかすると、「絵本のアニメ化って…」の記事で危惧されていることと関係しているかもしれません。

訳者の瀬田貞二さんのリズミカルな言葉が好きです。
でも、新版『ライオンと魔女』の文庫本のコメントには、古臭い文体とか解りにくく訳が悪いなどど批判する向きもあり、少々残念。

やはり、お話のラストは悪者がしっかりやっつけられないと、大人と違って子どもは完結せず困った状態になりますよね。
手渡す大人の感性が曇らないように…お蔵入りしたこの名作を手にそう思ったのでしたi-241

RENEさん
そうそう、RENEさんのおっしゃるとおり。
この童話、書店でさがすとアニメ本がほとんどなんですよね。
瀬田氏の日本語の使い方は、わたしも大好きです。七五調がとても気持ちよくて純然たる美しい日本語だと思います。
悪者がしっかりやっつけられる・・・これは大切なことですよね。一見残酷なようですけど、悪い事をしたらこうなるということをオブラードに包んだような教えが、現代社会の甘えをうんでいるのかもしれません。

イラストから入る私にとって、グリム童話はめったに手にとりませんネ(^^;)
だってだって“絵”がコワいんですもん。
この絵本も本屋でみたっきり。
まつりかさんのいうとおり、グリム童話の絵は奥深いことが多いですよねー。
いろんな想像ができるっていうか。
この絵本も本屋さんでもう一度手にとってみようかしら。

りんごさん
たしかに、絵がこわいし、お話も怖い。夢に出てきそうなくらいに・・
でも何故か惹かれるんですよね。この絵本。
アニメ本ではここまでリピートして読みたいと思わないと思います。ちなみに同じホフマン氏の絵でかかれた「ねむりひめ」も素敵です。

この絵本の絵は怖いです。けっこう大きくなってから、弟の絵本であったこの絵本を見たのですが、怖くて怖くて触れませんでした。

世の中、子供にとって怖い絵の本がけっこうあることを思い出しました。

いまだに、図鑑の蛾のページは触りたくありませんのです。

子供って結構怖い物が好きだったりしますね。
でも、お話の中で怖いもの、恐ろしいものを
体験しておくことが大事だと思います。

いくこさん
子どもの頃の怖い体験っていつまでも忘れなかったりしますよね。
こわい本の表紙などは、裏返しておいておいたりして・・
蛾のページですか。たしかに図鑑は全般に怖いです。昆虫なんていまにも飛んできそうだし


Aliceさん
そうですよね、絵本って疑似体験ですから怖い目にあったらどうするか、なぜ怖い目にあったのかなんてことを考えることが、現実社会で生きる知恵になると思います。

お嬢ちゃまの観察眼に脱帽!うちにもこの絵本がありますが、誰一人としてそのようなことを質問した子はいませんでした。しかもよく読まされます。わたしも瀬田貞二さんの訳が好きで、訳でこの名前があると、ついつい中身が見たくなります。

アテナさん
そうですね。気になる作家さんの名前を見つけるとつい読んでみたくなるものですよね。
瀬田貞二・・私の中の一番は、「おだんごぱん」かな~
プロフィール

まつりか

Author:まつりか
img18701.gif

・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

最近の記事+コメント
絵本ブログが集まっています♪

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 子育てブログ 子供への読み聞かせへ
にほんブログ村

カテゴリー
ブログ内検索
Amazon検索

with Ajax Amazon

カウント(18年8月~)
Twitter
リンクさせてもらってます
自分のサイトを登録 by BlogPeople
Amazonお買い得絵本
カレンダー(月別)
09 ≪│2017/10│≫ 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新の紹介本

講座のご依頼・お問合せはこちらでどうぞ

名前:
メール:
件名:
本文:

【絵本が好きな人へ】
アクセスランキング
ゴガクル
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。