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 ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ

2006-09-04

ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ  
マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 坪井郁美/文 林明子/絵

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<どんな絵本?>
「ぼく」はおばあちゃんからの電話を受け取ります。
ひとりでうちに遊びにこないかという電話。
でもどうやって行っていいかわかりませんし、どの家がおばあちゃんのおうちかわかりません。

おうちの まえの みちを まっすぐ いって
いなかみちを まっすぐ まっすぐ
いなかみちって こわくない?


「ぼく」は言われたとおりにまっすぐまっすぐ歩いていきます。
途中、道端に花をみつけます。おばあちゃんにあげよう、とお花を摘むと・・・道から反れてしまいました。
でも「ぼく」はひたすらまっすぐまっすぐ進みます。
畑や川、小高い山を越えると、小屋にぶつかります。

ここが おばあちゃんの おうちかな?

でもそれは馬小屋でした。
次は、犬小屋、そして蜂の巣小屋にぶつかり・・・
しかし、無事におばあちゃんのうちにたどり着くのでした。

おばあちゃんの おうち
やっぱり まっすぐだった


<初めて読んだ2才10ヶ月のヒメの反応>おばあちゃんと電話で話す「ぼく」の言葉を真似していました。
 (リトミック教室のビルの一階は携帯電話ショップ。レッスンが終わると必ずお友達と一緒に、見本の電話を手にとり、みなそれぞれに「もしもし~~。はい、はい。うん、そう?いいよ、わかった、じゃあね」などと、相手もいないのに会話をしているふりをして遊んでいました。ですから、とくに、この冒頭のシーンのセリフは大好きです。)

<おすすめポイント>マーガレット・ワイズ・ブラウン作「Willi's Adventures」に収められた3編の短いお話の中の「Willi's Walk」をもとに創られた本。
ですから、舞台は外国。林明子さんの絵は、昭和の日本を背景にしたものが多いので、家も町並みも、家具や置物も人物も、ホールのチョコレートケーキでおもてなしをするところなど、洋風の林明子画が新鮮に感じられます。 登場人物は「ぼく」と「おばあちゃん」だけで、背後に見え隠れする人物もほんの少しですが、林さんの絵ならではの、「絵さがし」の要素も楽しめます。
 縦長に、大きいサイズの絵本で、中は余白がたっぷり使われています。「こどものとも」の横長で画面いっぱいの林さんの絵とはまた違った雰囲気で読めます。
 文章は、「ぼく」の目線、言葉、心情のみで運ばれており、おばあちゃんの家に行くまでの冒険の様子を、主人公の気持ちになって共に楽しめるようになっています。
 
<現在3才1ヶ月のヒメの反応>相変わらず、電話のくだりは大好きです。また、馬小屋や犬小屋をのぞいて「うわっ」という場面も、先回りして声を出して読んでいます。
 絵さがしでは、「ぼく」が道端で摘んだ花が、おばあちゃんのうちのテーブルにコップに挿してあったり、「ぼく」のうちの電話の近くの壁にはおばあちゃんの写真があり、おばあちゃんのうちのキャビネットの上には「ぼく」の写真が置かれていることに気付いています。

<まつりかの感想>
 表紙をめくると、緑色の中表紙に「ぼく」と思われる足跡がかかれています。右、左、右、左、両足、両足、右、左・・・「ぼく」が歩いたり、ジャンプしたり駆けたりしている様子は伝わり、物語はすでに始まっています。
 電話が鳴っている絵から始まり、ページをめくると、はい もしもし あ、 おばあちゃんと。この始まりかたは、他の絵本にない新しさがあります。
 まっすぐと言われれば、道なき道でも平気でまっすぐに突き進む「ぼく」には、「そっちじゃないよ」とハラハラしながら展開を見守ってしまいます。子どもにとってのまっすぐは、石にぶち当たれば避けずに、石に乗って下りる。川にぶち当たれば、靴を脱いでズボンをまくりあげてわたる。子どもには、目の前にあることが全てで、先読みしたり迷ったりというのがないのかもしれません。
 ですから、ヒメも「ぼく」流のまっすぐになんの違和感も感じずに読んでいるようです。
 この本の「ぼく」は、いたるところで「こわくない?」「こわいものかな?」と言います。これがヒメとよく似ていておかしい。ヒメも何か新しいものを体験するときには、必ず「こわくない?」と確認してきますから。
 「ぼく」の目線で運ばれるストーリー。この旅は、少年の心を、不安→安堵→自信へと導きます。
 「こわいものかな?」と自問自答しながら進んでいく様子は、この旅への不安が伝わります。おばあちゃんのおうちを見つけ、会って抱きついている絵は、少年の緊張がとけた様子が。ティータイムのシーンで、摘んだ野いちごをおばあちゃんに手渡す「ぼく」の顔はとても清清しく誇らしげで自信にあふれています。
 「ぼくひとりで来れたよ」とでもいうような顔。しかし、テーブルのコップ挿してある、「ぼく」がおばあちゃんのために摘んだ花が、しおれている様子は、道中手に汗にぎりやっとの思いでたどりついたことをあらわしています。
 裏表紙には、チョコレートケーキを口いっぱいにほおばる「ぼく」の幸せそうな顔。本を閉じたときに、「よかったね」と言いたくなる、読後がとても気持ちのいい本です。
 
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theme : 絵本
genre : 育児

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非公開コメント

この絵本、大好きです。
そうですね~、「ぼく」の心の成長もみてとれそうな内容ですね。
まつりかさんの「感想」部分を読むと、いつも「そんな見方があったのかぁ」と感心します。

うちの子供たちは、ひたすら「まっすぐ まっすぐ」のフレーズが大好きで、終わってしまうラストが残念そうで、いつも繰り返し「まっすぐまっすぐ」つぶやいています。

ひとときさん
「まっすぐまっすぐ」そうそう、耳に残りますよね。
にしても、原題の「Willi's Walk」から、この邦題になったことに感心しますね。
原文も読んでみたいなあ。

まつりかさん、おじゃまします♪
まつりかさんの記事は立派な「書評」ですね。
すごく深くて、面白いです。
すっごいなあぁ。。
などと思いながら、短くない文章も一気に
読んでしまいます。

もしよろしければ、ですが、
相互リンクしていただけないでしょうか?
お返事は、このコメントのレスか、拙ブログのコメント欄へお願いします。
それと、TB打たせてくださいね。
私の記事は、「絵本の紹介文」に過ぎないのですが、“わかりやすく伝える”ことと“読んでみたいな、と思ってもらえるように”の2つを
心がけて書いています☆
どうぞ、よろしくお願いします。

わかなさん
読んでいただいて光栄です。
こちらこそリンクお願い致します。
このブログは、絵本の紹介というよりも、娘の絵本育児日記ってところでしょうか。
よみきかせをしながら自分自身もその絵本に深く入り込んでいきそれを記録として残していたら将来それが大きな心の財産になると考えています。
だけど、ちょっと独りよがりなブログになってるかな~~って反省しているんですけどね。

大好きです^^ 裏表紙のチョコケーキにまみれた顔
やりきった!という満足感、おばあちゃんに会えた安心の中でのティータイムといった様子ですよね♪

後ろの方に本来の道?が見え隠れしたりするのも大人心をくすぐります。
邦題が仰る通り素敵で、まさに名訳ですね!

↑佐野洋子さんの絵本展、是非行ってみたいです~。日本橋かぁ…夫に頼むしかなさそうですが、あと2週間ですね><あぁ行きたい。

新歌さん
そうそう、本来の道がみえているだけに、、いったいどうなるんだ??という展開に期待しちゃいますね。
佐野洋子さんの絵本展、期間が短いですしね~~もし行かれたらレポートお願いしますね。
プロフィール

まつりか

Author:まつりか
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・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

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