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 3びきのくま

2006-11-22

3びきのくま  ポール・ガルドン/作 多田裕美/訳sanbiki.gif

<どんな絵本?>
大きな熊と、中くらいの熊と、小さな熊の3匹は森の中で仲良く暮らしています。
おかゆのおわんも、椅子も、ベッドも、3匹は大きいもの、中くらいのもの、小さいものとそれぞれ自分のものを一つずつ持っています。
ある朝、朝ごはんにおかゆをつくり、おわんによそいましたが、熱いので冷めるまで3匹で森を散歩に出かける事にしました。
その間に、キャンディという女の子が、熊の家にやってきます。
鍵がかかっていなかったので、キャンディは、勝手に中にはいり、テーブルの上にあるおかゆに、手をつけてしまいます。
まずは、大きなおわんのお粥、次に中くらいの、でもどちらもおいしくありません。ところが、一番小さいおわんのお粥は、丁度いい加減でおいしくて全部平らげてしまいます。

そんな調子で、次に大→中→小の順に椅子に座りますが、一番小さい椅子を気に入って座っているうちに、とうとう壊してしまいます。
次に、寝室に入っていき、大→中→小の順に、ベッドに寝てみるけれど、一番小さいベッドがしっくりきたので布団をかぶって寝てしまいます。
そこへ、散歩から帰ってきた3びきの熊は、家の中の変化に怒り、とうとう寝室の一番小さいベッドで寝ているキャンディを見つけます。
キャンディは、びっくりして目を覚まし、一目散に窓から飛び出し逃げていきます。
3びきの熊は、二度とキャンディに会うことはありませんでした。

<初めて読んだ3才0ヶ月のヒメの反応>
裏表紙に書かれた、女の子キャンディの絵を見て、「キャンディ怖い!その本要らない」の一点張り。本棚においておくと、それだけで怖がる始末。物語り自体は楽しいようですが、「早く図書館に返して」と言い続けていました。

<おすすめポイント>3びきのくまを、大・中・小と大きさによりはっきり分けて描くことで、おのずとお父さん・お母さん・こぐまという家族を設定しています。
 熊は、目の動きや毛並みにいたるまで、それぞれの熊の位置づけがわかりやすく描写されていますし、キャンディは金髪巻き髪にリボンをつけ、美少女かとおもいきや、すきっ歯に、いたずらな顔つきでにやついている表情により、好奇心いっぱいで人の迷惑も顧みない性格が表されています。
 熊のセリフは、3匹それぞれの大きさにあわせてフォントが変えてあり、読み聞かせのときに感情を込めやすく書かれています。
 それぞれの描写について、丁寧にかかれ、熊の心理や、キャンディーの性格などが、絵を見ているだけでも伝わってきます。

<現在3才4ヶ月のヒメの反応>
 久しぶりに図書館で借りてきました。最初は「キャンディ怖いって言ってるでしょ」と相変わらず裏表紙の絵に恐れていましたが、そのくせ必ず2回繰り返し読みせがみます。
 今では「これ買って欲しい」というように。とくに、キャンディがベッドに寝比べるときの場面がお気に入りです。
 
<まつりかの感想>
 ヒメがあまりにこの本を怖がるので、おなじ題名で、トルストイ/作 バスネツォフ/絵 のこちらの作品を読んでみました。
 013749630000.jpg

 『3びきのくま』といえば、この2冊・・といわれるどちらも長年にわたって愛読されている本を比較してみたいと思います。

・熊のうちに入り込む女の子について
 ポール・ガルドン作(ほるぷ出版)・・①名前がついている。②キャンディは熊が散歩に出かけたというお話の後に登場する。
③「おかゆをたべていいかわるいか、キャンディはかんがえたりしません」という文でわかるように、キャンディの性格は、やんちゃで、ずうずうしくて、無鉄砲で考えのない女の子のように書かれています。

 トルストイ作(福音館書店)・・・①女の子は冒頭に出てきます。②女の子は森へ遊びに行きましたが、迷ってしまって家へ帰る道がどうしても見つからないところに、小さな家を発見し中に入る。つまり、おかゆを食べたのも、椅子やベッドを使うのも、女の子が森で道に迷って疲れてしまったからやむをえないという同情の気持ちをもたせる内容になっています。

・3びきの熊について 
 ポール・ガルドン作(ほるぷ出版)・・「でっかいおおぐま」「ちゅうくらいのくま」「ちいさなこぐま」として表されている。
 
 トルストイ作(福音館書店)・・・「おとうさんぐまは、ミハイル・イワノビッチ」「おかあさんぐまは、ナスターシャ・ペトローブナ」「ちいさなくまのこは ミシュートカ」と、3匹それぞれに名前がついていて、父・母・子と立場を明確にしている。

・結末部分
 ポール・ガルドン作(ほるぷ出版)・・ベッドで寝ているキャンディーは、はっと目をさますと3びきのくまが自分を見つめているのを見て、窓から飛び出し、逃げていきます。
 「このあと、キャンディがどうなったかは、だれもしりません。3びきのくまは、2どとキャンディにあいませんでした。」(このときの絵は、3びきが窓から外を眺めています)

 トルストイ作(福音館書店)・・・こぐま(ミシュートカ)はベッドに女の子をみつけて、「はやくつかまえて!」と叫び「おんなのこにかみつこうとしました。」
女の子は、くまに気付いて窓から外へ飛び出して逃げました。
 「3びきのくまは、おんなのこに おいつけませんでした。」(このときの絵は、お父さん熊と小熊が、それぞれ手に木の枝のようなものを持って、逃げる女の子を追っています。おかあさん熊が1人窓から手をあげています。)

 トルストイ作(福音館書店)の方は、左ページに書かれた絵に対し文章が右ページいっぱいに書かれ、物語の展開がはやいのですが、 ポール・ガルドン作(ほるぷ出版)は、物語の流れをゆっくりと丁寧に絵が伝えてくれています。
 キャンディを怖いというヒメも、結局は ポール・ガルドン作(ほるぷ出版)のほうを好んでいますし、私自身もこちらの方が好きです。
 
 この2冊以外にも、井本蓉子さんや、片山健さんのもの、リチャード・スキャーリのものなどなど、多く出版されています。おかゆでなく、スープのものもあるようですね。
 
 
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非公開コメント

同じ話で、別の絵本なんですか?
昔話風なお話だから、そう言うこともあるのかしら?
私は、バレて逃げたほうしか知りませんでした~。
でも、そのお話は、女の子が森で迷子になったって設定だったような。
ん~。同じようなナシュチュエーションの本がまだあるのかもしれないですね。

それにしても、ヒメちゃんが怖がると言うキャンディーの絵
ちょっと見てみたいです♪

ポールガルドンの『さんびきのくま』は、読んだことないのですけど、昔話ならポールガルドンのはだいたい当たりだと聞きました。
福音館の『3びきのくま』は、絵と文字のバランスが悪いですよね。ひとつの絵に長ーいお話がついている場面があるので、おはなし会にはあまり向かない本だそうです。

こんばんは。
怖いというキャンディーの絵って、どんな感じなのかな?
私はポール・ガルドン作もトルストイ作も未読なんだ。
私は「3びきのくま」は、いもとようこさんの可愛らしい挿絵の絵本を読んだので
あんまりリアルなくまさんじゃなかったから
可愛らしいお話のイメージしかないんだ。
ポール・ガルドンさんの挿絵は「あかずきんちゃん」の絵本を持っているので
オオカミの絵のイメージの強い作家さんです。
私もいろんな作家さんの書いた「3びきのくま」を読み比べてみたいと思いました。
探してみますね^^

こいうい読み比べの記事楽しいですね!!
「へ~、ほ~、なるほど~」って感じでした。
実家にある本は、今、出版社はわかりませんが、でかぐま、ちゅうくま、ちびぐま、の3人で、お話は、ほるぷ出版さんの方のでした。
そういえば、3匹のこぶたも色々な出版社があり内容が微妙に違うので、買うのに迷いましたよ。。。




各務史さん
わたしも最初キャンディの顔をみたとき、背筋がぞ~~っとするくらい怖かったんですよ。ヒメは、初めてこの絵本を読んだ夜中に、うなされて激しく夜泣きをし、「キャンディ怖い」と言ったくらい(^^ゞ
機会があればごらん下さいね。


めーべるさん
トルストイのほうは、たしかに絵と文のバランス悪いです。ポールガルドンのは、細かく説明しすぎという人もいるようですけどね。幼児にはこちらのほうがいいかなって思います。


nao-yuuka-ayuchan5さん
昔話は、再話の仕方でずいぶん印象が変わってきますからね。わたしも、いもとようこさんのを読みましたけど、かわいい絵という印象だけで読後不完全燃焼なところがあって・・
わたしは「赤ずきん」はまだ絵本で読んだ事ないんですよ。ぜひ読んでみたいと思います。


ルーリーママさん
同じ題名でいくつかの本がある場合、私は初版の古いものを選ぶようにしています。
この3びきのくまの、ポールガルドンのは1975年、トルストイのは1962年でした。
うまく比較できなかったけど、違いを知って、どちらが子どもの心に沿うかを確認できたのでよかったかなって思っています。

う~~~、どっちにしようかなぁ。
実はトルストイ作の方しか知らなかったの。
いづれそちらを買おうと思っていたんだけど。
(なんとなく絵が好みなんです)
悩んじゃうな~。。。。

↓ヒメちゃんお絵かき上手ね!
娘が絵画教室でやってることなんだけど、
普通のクレヨンで花火のお絵かきしたあと、
絵の具(夜空の色)でノ塗りつぶすと
最初に描いたクレヨンの絵が浮き出て
花火のお絵かきができるよ(^^)

まつりかさん、おじゃましまぁす♪
すっごく面白かったです!!
私、昔話の比較って、とっても興味がありまして。
そういうページを作ってみたいと思いつつ、今はまだ時間が足りないので、できずにいます。
結局のところ、元の話は「ロシア民話」ってことなんでしょうかね?
それを作家さんによりアレンジされている?
でも、それだと「再話」ってなるのかな?
再話って断らずとも、作家さん名で「私が作ったお話です!」って出版もありなのでしょうかね?
?だらけでごめんなさい。
この分野、まだまだこれからなもんで^^;
いろいろ知りたいなーという押し込めていた欲求がむくむくと刺激されました!
ご紹介、ありがとう☆

このお話、小さい子どもには怖いんですねぇ、そっかぁ。
過日、齋藤惇夫さんの記事にあった『イギリスとアイルランドの昔話』に編んであるものも、比較されると面白いかも~
クマは、大きさの他に余分な設定はなく、おかゆが熱くて食べられないから暫しお散歩に出るなど、描写がガルドンのに近いです。
きちんとしているクマ(全く怖くない)+悪者おばあさんだけど…笑;

手持ちのトルストイの絵本を読み返してみました。絵はすごく好きだけれど、ちょっと、クマが追いかけてくるくだりが怖いかなぁ(汗)

こんばんは☆ヒメちゃんの反応が、上の娘と同じだったので、懐かしく思い出しましたよ。
うちにもこの2冊があって、すきっぱのキャンディーは毛嫌いしてたんですよ。憎憎しいし、こわいって・・・。
だからももっぱら、イワノヴィッチさんのほうばかり読んでいました。
ちょっと難しい名前がまた楽しくて、すっかり覚えていたんですよね~。
この絵本は、調度品や服や細々した絵の雰囲気が、個人的に大好きです。

福音館のほうは持っていますv-222
わたしも結構同じはなしを比較するのが好きですv-237
ヒメチャマ同様、キャンディーの顔が怖くて好きになれず、購入しませんでした。
でもストーリー的にはこの顔が合いますけれどねv-219
まつりかさんは2冊を丁寧に比較されていて、頭が下がりますv-398

りんごさん
よかったら、ポールガルドンのを読んでみてね。忘れられない1冊になると思います。クレヨンの上から絵の具を塗るっていうのも、懐かしいなあ。はじくんだよね、クレヨンの油分を。ああ、やってみよう。今ヒメは絵の具で、爪をぬってマニキュアだ~っていう遊びにはまっているので。


わかなさん
同じ思いを感じてくれていて嬉しかったです。「これいいよ」といわれても、自分や子どもの気持ちに同調できない本は我が家の一冊にはならないですもんね。そういう意味でも、同じ題名のものを比較するのは面白いかなって。
再話については、中川正文先生(→おすすめ商品に挙げている「絵本・わたしの旅立ち」の著者)のお言葉を引用すると、「原話をいかに正しく伝達しようとするか」という姿勢と、「脚色者自信に伝えたい強い内容があってそれを適切に表現する為に原話をどう依用するかという観点を許容する」立場と二つ、どちらもあっていいとのことです。


RENEさん
それはそれは、ぜひそちらのも比較し読んでみたいと思います。悪者おばさんなんだあ。なんででしょうね(笑)
わたしも、トルストイの結末が妙に怖くてね。かわいい挿絵で物語がすすんでいるだけに落差が・・。


フラニーさん
やはり同じく怖がっていました?(^_-)
トルストイのほうは、名前の繰り返しがおもしろいですよね。子どもってこういうのを覚えて言いたがりますし。


アテナさん
みなさんの意見を聞くと、に福音館の方をお持ちの方が多いですね。キャンディの表情のせいで(>_<)。でもある意味、これだけインパクトのあるキャンディってすごいな。絵本の主人公インパクトランキングでもあればかなり上位に喰いこみそう(笑)
プロフィール

まつりか

Author:まつりか
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・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

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