おかあさんになるってどんなこと 内田麟太郎/文 中村悦子/絵
<どんな絵本?> うさぎのミミちゃんとターくんは、それぞれのお母さんと野原にお出かけ。子ども達だけで遊んでいてもいいよといわれたミミちゃんとターくん。 ミミちゃんは、ぬいぐるみの「モコちゃん」を抱っこしながら 「わたし、きょうは このこの おかあさんになるの」 ターくんは尋ねます。 「おかあさんになるって・・・、どんなこと」 ミミちゃんは「こどもの名前を呼ぶこと」、「こどもと手をつないで歩くこと」、「心配すること」といいます。 そして、ぬいぐるみが熱を出したという設定でミミちゃんはお母さんに、ターくんはお医者さんになります。 薬を飲ませて、頭を冷やして一晩中看病しても熱がさがりません。 朝になってやっとモコちゃんのお熱はさがり、ミミちゃんは思わずモコちゃんをぎゅっと抱きしめて涙をこぼします。 「おかあさんになるってことは・・ しんぱいして おもわず ぎゅっと だきしめて おもわず なみだが でることよ」 そのとき、ふたりのお母さんがふたりを呼びました。 ふたりはかけていき、お母さんにぎゅっとだっこされました。 <初めて読んだ3才1ヶ月のヒメの反応> お話の終わりで、ふたりのお母さんが、ミミちゃんとターくんを抱きしめる場面が好きで、「抱っこして〜」と言ってきます。 <おすすめポイント> 二匹のうさぎの子は、ごっこ遊びが楽しめる年齢の子どもにとっては共感できる姿だと思います。遊びを通して、「おかあさんになるってどんなこと」と真剣に考え、答えを導きだす様子が、自然な会話文で表されています。 絵は、余白をたっぷりつかって描かれた淡い色調と優しいタッチで表されています。 読み聞かせる母親は、しみじみと「おかあさん」について考え、子どもは、自分もお母さんにいつも心配し気にかけてもらっているんだということを感じられるであろう絵本です。 <現在3才6ヶ月のヒメの反応> ミミちゃんのようにヒメもぬいぐるみを赤ちゃんにみたて、抱っこしたり、オムツを換えてあげる真似をしたりと、ごっこ遊びが盛んです。絵本を読んでいる間も、お気に入りのくまのぬいぐるみで、ミミちゃんと同じ行動をとってお世話し、「心配したよ〜」といいながら抱きしめています。 <まつりかの感想> 先日もお伝えしましたが、正月早々入院したヒメ・・(みなさん温かいコメントありがとうございました。 )あの4日間、ヒメに付き添いながら、この絵本を思い出していました。ヒメの悪戯や聞き分けのなさに腹が立ち、怒ることが多い日々だけど、病気になっていつもの元気がなくなったわが子を目の前にすると、心配で眠れない。とにかく回復し目の前で元気に笑って欲しいということを願うばかりでした。 寝言で「いやだよ〜おかあさん」と叫ぶヒメ。弱気になって「抱っこ」と甘えてくるヒメ。心配して抱きしめると涙がでてきます。 そう、まさにこの本に書かれているとおり。 ヒメを心配する気持ちは、今までに経験したことのないものでした。代われるなら代わってやりたい、何があっても絶対助けてやるんだと、これほどまでに人を思うことはありませんでした。 この本は絵本講座で紹介することもあるのですが、受講してくださったかたに、「自分の中の母性に自信がなく不安だったけれど、この本を読んで難しいことではないんだと気づきました」といわれたことがあります。 わたしも、今回のヒメの入院によって、子どもを思う気持ちとはこんなにも強いものかと自分でも驚いたくらい。そして、その時に思い出したこの絵本はこれからも自分の中で特別なものになると思います。 作者の内田麟太郎氏は、幼い頃生みの母親をなくされ、継母に育てられました。継母の冷たい仕打ちにあう日々に、内田少年は時に家出や万引きをし、継母への復讐心や憎しみを持ち続け、19歳の春に殴って上京するわけです。ところが絵本大賞受賞の報告をしに郷里に戻ったときに、「麟ちゃん愛さなくてごめんね」と言われた一言で、わだかまりがすっと溶けて継母を許すことができたときに、この絵本が書けたそうです。 子どもの頃に、お母さんに抱きしめられ愛情を注がれなかったという作者の思いを知って改めてこの本を読むと、さらに心にしみいります。子どもが幼い頃にたくさん抱きしめてあげてほしいという内田氏の強いメッセージが秘められた作品です。 ![]() |
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ミミちゃんがモコちゃんを抱きしめていうせりふがいいですね。
私も、自分はいい母親ではないのではないか?なんてよく思いますが、そんなとき勇気付けてもらえそうな絵本ですね。 お母さんとして出来ることなんて、
この程度なんだな〜って、 しみじみ思った本でありました。 究極、子どもと自分は、血は繋がっていても 同一人物ではないのだし。 小学生である我が娘たちに読ませても、 今はピンと来ないようですが、 いつか、ママになる日が来たら、プレゼントしようかな♪
【2007/01/15 10:56】
URL | 各務 史 #HRggnf8A[ 編集]
ひめちゃん無事退院できて良かったですね。
本当に子どもが病気になると、代われるものなら代わってあげたいと思います。 うちの子もぬいぐるみのお母さん役をよくやっていますが、どんな気持ちなんだろう。 この絵本と一緒に聞いてみようかな。 masacoさん
そうですね、読後に「ああそうなんだ」と、胸にすっと落ちるような自然な本ですよ。けして教訓めいたものでないところが、いいと思います。 各務史さん なるほど・・「おかあさんになるってこの程度」そうですね。今は、「この程度」のことすらできない母親っていうのも多いんですよね。虐待などの悲しい事件が多いですし。 子どもの心に伝わる以上に、読んでいる親の心に響く本なのかな。 huuyuuさん 女の子って、世話好きですよね〜。お母さん役ぶりが、自分とそっくりなので見ていて笑えます。 最近はよくヒメを怒っているので、ままごと遊びでもぬいぐるみに強い口調で注意している様子をみて私が反省することも・・ 内田 麟太郎さんの(ともだちや)シリーズがすきなので、この本も是非読んでみたいです。
娘は5歳ですが、まだ(抱っこ)が好きですね。もっと大きくなるとあまりできなくなるので、できるときにたくさん抱っこしようと思います。 何度もこの記事を読んではコメントを書ききれなくて帰りました。
なんかね。感動したんです。 まつりかさんのお子さんへの愛情にも共感もできました。 内田燐太郎さんの作品を見る目もかわりそうです。 文章表現が下手でうまく伝えられませんが、本当にいい記事でした。
【2007/01/19 00:12】
URL | うっちゃん #-[ 編集]
わぁこの本そういう本だったんですね。かわいらしくてあったかくて。内田り麟太郎さんのこともどんな方かよくわかって。まつりかさんの記事から、すごく感じるものがあり、是非読んでみたいと思いました。母としての自分に自身がなくなったら、きっと元気になれそうですね!内田麟太郎さんもなんだか好きになりました。今までそれほど意識して読んでなかったんですが。ちょっと追いかけてみよう♪
まつりかさん、本当に貴重な経験をされましたよね。記事を読んでてこっちまで涙でそうでした。ひめちゃんの具合はその後どうですか?原因不明とかっていってらしたけど。再発などないことをとにかく祈っています。 るんるんママさん
わたしも「ともだちや」シリーズは好きですね。こちらの絵本は、まるで女性が書いたかのような文章で、「ともだちや」とは全く違ったものを楽しめると思いますよ。 うっちゃんさん ありがたいお言葉をいただきまして嬉しいです。幼児期に愛されて育つことの大切さを、作者は身をもって伝えたいんだろうなと思います。もちろんそういう継母との確執があったからこそこういう絵本が書けるんだと思うのですが、ご本人は、1冊の絵本をかけなくても平凡な幸せが欲しかった・・・いうようなことをおっしゃっていますから。 ミニーのママさん おかげさまでヒメは嘘のようにぴんぴんしています。ただ、注射が大嫌いになってしまい話をするだけで泣くほどです。 おかあさんになるってこと・・自分なりの答えがでるにはまだまだ時間がかかりそうです。 ![]() |
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