かあさんのこころ 内田麟太郎/文 味戸ケイコ/絵
<どんな絵本?> こどもの ころ。 ぼくは ぼくの かなしみしか しらなかった。 いつも かなしみの そこで うずくまっていた。 ぼく(小熊)は、うちに帰りたくなくて、かえっても誰も居ないのが悲しくて一人海で釣りをする。 夜空をみあげて、「かあさんのほし」を探すけど見つからない。 かぞくが できた。 やさしい ひとだった。 それでも孤独と悲しみを感じ続けるくまの子。 そして・・月日は流れ・・ぼく(小熊)はおじいさんになった。自分の娘が子どもを抱いている。子どもは母親に頬ずりしながら、「ママ」と声を出す。 それを見て、ぼくは涙が溢れてくる。自分の悲しみよりも、幼い子を残して死んでいった母さんの悲しみのほうがずっと深かったこと、母さんの気持ちがわかる。 それは ただ ひとつ。 ・・しあわせに なってね。 ・・かあさんよりも ながいきしてね。 かあさんの こころは のはら。 はるの のはら。 <初めて読んだ3才7ヶ月のヒメの反応> 「死ぬ」ということに敏感に反応し、「おかあさんが死んだらどうしよう」「死になくないよ」「みんな死ぬの?」・・・などなど、命には限りがあることを知り、そしてそれをとても恐れています。 「かあさんのほし」や、「わかくして なくなった かあさん」という文章が序盤に出てくるものの、いまいちピンとこなかったようで、中盤になって「おさないぼくをのこし、しんでいったかあさん・・」という文が出てきた瞬間、「この子のおかあさん死んだの?」「なんで?この子ひとりぼっちなの?」と、涙ながらに聞いてきます。 <おすすめポイント> 作者の自伝ともいえる絵本。ぽつぽつと語られる文章は、小熊の孤独や深い悲しみ、そして雪解けしていく心の解放が伝わります。小熊と亡き母熊の目がとても印象的に描かれた、味戸氏の絵は、ふわふわした柔らかなタッチ。最初は暗いトーンの絵からはじまり、しだいに明るくなっていく様子は小熊の心情に沿っています。 <まつりかの感想> 『かあさんのこころ』のラストは、タンポポ畑と蝶が舞う春の野原が描かれています。しかし、雲におおわれたグレーの空も一緒に描かれているのです。完全ではないけれど、曇った心が少し晴れた様子を描いているのでしょうか。 6才で実母を亡くした作者が、継母の愛情を感じられずに育った作者は継母を殴って家出、上京します。その後、継母に「ごめんね」と言われたことで、憎んでいた継母を不思議なくらい自然に許すことができたそうです。 この絵本の帯には、こう書かれています。 どの子も無条件に愛されてほしい・・・・・ それがいま、私の一番の願いです。 悲しいときを過ごさなければならなかった子は、 自分を愛せない子になります。 それを取り戻せるのは、ただ優しい人との出会いだけです。 これはちいさな自伝でもあります。 以前記事にした(こちらをご覧下さい)『おかあさんになるってどんなこと』と共に、この本は母への思いが込められた作品です。 そして、今年2月に『かあさんから生まれたんだよ』が出版されました。
「産みの母」は「海の母」だと思って、お母さんを探して海に行った。ずっと待ってた、という少年。これも作者が本当に幼い頃そう勘違いをしていたとのこと。これも、母へのせつない思いがかかれていて読後に自分の親に素直に感謝できる本。 3冊共に、心の淵に温かなものが触れるような気がします。 内田氏の過去や、そのほかのナンセンスな絵本作品を思いながら読むと、作者の人間らしさ、強さ、しなやかさを感じられます。 ちなみに、『かあさんから生まれたんだよ』の原画展が、丸の内オアゾ内、丸善本店の3階中央エレベーター前で、3月26日(月)〜4月8日(日)まで行われているそうですよ。 ![]() |
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内田麟太郎さんの講演会へ伺って
素敵な方だな〜と思いました。 どちらかと言うと、講演会のような場所は、 あまりお得意に見えなくて、それがまた好きになる要因だったり したのですけれどね。 そうそう、その講演会で、 『かあさんのこころ』の原画も見られましたよ♪ この本は、一人のときに読みたい話です。 だって…、泣いちゃうんですもん。^^;
【2007/03/30 07:11】
URL | 各務 史 #HRggnf8A[ 編集]
各務史さん
内田さんの講演をまだ聞いたことがないんですよね。行かれた事がある方は皆さん「良かった」との印象をもたれているみたいで。 この本、泣けますよね。ほんと、娘に読み聞かせながらうるうるしてしまいます。 ![]() |
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