おおきいトンとちいさいポン いわむらかずお/作
![]() <どんな絵本?> おおきいトンとちいさいポンは、ふたりで野原を散歩しながら、くらべっこしています。 おおきいのは いいなあ。 ちいさいのは いいなあ。 おおきいほうが いいに きまってる。 ちいさいほうが いいに きまってる。・・・・・ 散歩しながら、大きいこと、小さいことのメリット・デメリットを体験しながら、お互いに一歩も譲らず・・ すると、風が吹いてきて、2人の帽子が飛ばされてしまいます。 トン(大きいほう)の帽子は細長いドラム缶の中に入ってしまいます。小さいポンが潜って取ってあげます。 ポンの帽子は、高く積まれた干草のてっぺんに。大きいトンが、ポンをもちあげてようやく取ることができました。 ちいさいのも いいね。 おおきいのも いいね。 <初めて読んだ2才7ヶ月のヒメの反応> 「大きい」「小さい」という対照のことばをたくさん覚えてきたころ。(「高い」「低い」や、「暑い」「寒い」など)。日常では、こっちが大きい、こっちが小さいと比較するだけだったけれど、この絵本で、おおきいのがいい、ちいさいのがいい、という比較をすることを楽しく感じられたようでした。 <おすすめポイント> でこぼこコンビの仲良しのお友達の会話のやりとりが面白いです。大きさの違いを認識できる頃の子どもにおすすめ。すべての文章が、トンとポンの会話でなりたち、無駄な説明は一切ない代わりに、絵が十分に物語っています。 トンとポンの背景に飛ぶトンボが、物語の展開に沿っていて2人の関係性をさり気なく表しています。 <現在3才8ヶ月のヒメの反応> 各場面で、なぜトンは大きいほうがいいといっているのか、ポンはなぜ小さいほうがいいと言っているのかについて、以前は理解できていなかった部分も、今ではそれらの理由を説明できるようになりました。 ラストシーンでお互いを認めるセリフがお気に入りです。 <まつりかの感想> 自分のほうが大きくていいんだ、小さくてもいいんだ、と両者譲らないところが子どもならではの自尊心の表現は、やがて、大きいからこそできることもあるけれど反対にできないこともあり、小さいからこそできることもあれば、できないこともあるということに気づいたときから、どちらかが出来ないときは、助けてあげることや、お互いを認め合う事という、他者を思う気持ちの表現に変わっていきます。 つまり、「おおきいのがいいな。ちいさいのがいいな。」という、主体文から、「おおきいのもいいね。ちいさいのもいいね。」となっています。 大きい、小さいを覚える2才頃から楽しめると思いますが、お友達としっかり関わって遊ぶようになる頃にもおすすめです。自分と他者の違いに気づき、自分と他者ともに社会的存在として自覚できることが、短い本の中に凝縮されていると思います。 昨年12月から今年1月まで、東京吉祥寺で行われていた、「いわむらかずお絵本展」(過去の記事をごらんください)でも、この作品の原画が一枚だけ展示されていました。14ひきシリーズが大きな紙に描かれていたのに対し、この本は、製本の大きさとほぼ同じだったと思います。 ![]() |
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