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 さっちゃんのまほうのて

2008-03-19

さっちゃんのまほうのて    田畑精一/作  先天性四肢障害児父母の会 野辺明子 志沢小夜子/共同制作
さっちゃんの まほうのてさっちゃんの まほうのて
たばた せいいち

偕成社 1985-10
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<どんな絵本?>
 さっちゃんの幼稚園では、今ままごと遊びが盛んです。
でも、さっちゃんはいつもお母さん役になれません。ある日、今日こそはお母さん役になろうとすると、お友達から
 「さっちゃんは おかあさんには なれないよ! だって 、てのないおかあさんなんて へんだもん」
と言われます。
悔しくて泣きながら幼稚園を飛び出して家に帰ったさっちゃんは、
「どうして みんなみたいに ゆびが ないの? どうしてなの?」
とお母さんに言います。
「・・・おなかのなかで けがをしてしまって、ゆびだけ どうしても できなかったの。 どうして おなかのなかで けがなんかしてしまうのか、 まだ だれにも わからないの。」そして、さっちゃんの手はこれからもずっと今のままであること、でもこれがお母さんの大好きなかわいい手なんだということを真剣に伝えます。
 そのことがあってしばらく幼稚園を休み、その間に、さっちゃんには弟が生まれました。
お母さんのお見舞いの帰りに、お父さんと家に帰るときに、さっちゃんは手がなくてもお母さんになれるかな?とお父さんに尋ねます。
 「・・・・なれるとも、さちこは すてきなおかあさんに なれるぞ。・・・・さちことてを つないで あるいていると、 とっても ふしぎな ちからが さちこのてから やってきて、 おとうさんのからだ いっぱいに なるんだ。 さちこのては まるで まほうのてだね。」
 
<初めて読んだ2才10ヶ月のヒメの反応>
 当時にしてはかなりの長文でしたが、最後まで聞けていました。「あなたのてには ゆびが いくつありますか?」のページで、自分の手と見比べていました。
 3才3か月のころの記録に、「読んで!と毎日持ってくる」と書いてありました。右の手とはどちらなのか、さっちゃんはジャンケンができないのはどうするのか、お星さまの役ってどんなことをするのか・・など、ヒメのこの本への関心ポイントは様々です。

<おすすめポイント>
 幼稚園児のさっちゃんが、はじめて体験する社会の偏見の目と心の葛藤。その障害と向き合って生きていくことを真剣に話す両親の姿、先生やお友達がさっちゃんを見守り、受け入れていく過程、さっちゃんの心の成長などが盛り込まれた物語。 胸に沁み入る言葉でつづられる会話文と、冒頓とした線が印象的な絵で語られています。
 
<現在4才8ヶ月のヒメの反応>
 さっちゃんの気持ちになって、悔し涙を流しながら聞いています。さっちゃんにお母さんになれないと言うお友達がいじわるで、こんなことを言う子は大嫌いだ!と言いながら。
 「もしもさっちゃんみたいに右手の指がなかったら、左手でお箸をもったり、字を書く練習をする。自転車とかも乗れるように頑張る」と言っています。
 もしお友達にさっちゃんみたいな子がいたら?と聞くと、「ちょっと怖いけど、折り紙とかできないかもしれないから作ってあげる。危ないことをしそうだったら手伝ってあげる。」
 さっちゃんが、「あした幼稚園に行く!」という場面では、「みんな待ってるよね~きっと」と、嬉しそうに言います。

<まつりかの感想>
 講座でいつも紹介しているので、暗記できるくらいですが、毎度同じ箇所で涙で声をつまらせそうになります。
 ひさしぶりにヒメに読んでみましたが、やはり涙声になりました。4才8ヶ月のヒメには共感できるものが多いようで涙を浮かべながら聞いています。幼稚園でままごと遊びが流行っているという状況、役決めをめぐってのお友達と言い争いも日常、喧嘩が原因で幼稚園に行きたくないという気持ちもわかるようです。
 集団生活を一年経験し、いろんなお友達がいるということや、集団の中での自分の立場というのが見えてきたのでしょう、この本を読んで、いろいろな質問や意見を言ってきます。
 もしも自分がさっちゃんだったら・・と思うと、悔しくて悲しいと言い、もしもお友達にそういう手の子がいたら、「ちょっと怖い」「大丈夫?って聞いてみる。」など、ためらいの気持ちがあるようで。「でもお手伝いしてあげる。」と言うところをみると、障害のある子に偏見の目をもつことがよくないこと、もしも自分がその立場だったら悲しいということを、この本から気づいたのだと思います。

 障害者問題など、どのように伝えていけばいいのか難しいことでも、絵本なら真摯に伝えることができます。障害をもって生まれる子は多くいるということ、だれもがその可能性を持っていて、その原因はわからないことが多いということ、そのことで差別されることが多い現実や、差別はしてはならないということ・・・などが、この絵本を読むだけで、4才のヒメにさえ、伝わっているということが実感できます。
 小学校でこの本を教材に授業することも多いようですが、教えられその感想文を書くという「頭で理解する」のと、小さいころに絵本を読んでもらったことで「感じる」のとでは大きな違いがあるように思います。本当の優しさとはなにか・・・それを感じられる子どもの心を育てられればいいなと思います。 ブログパーツ 
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 >「さっちゃんは おかあさんには なれないよ! だって 、てのないおかあさんなんて へんだもん」
大人からしてみると、ビックリするような残酷な言葉ですよね。
でも、言うんだよな~~っ。
だから、その言葉に負けない強い心を持つことが、重要なんですよね。
そうじゃないと生き残れない…。

悪意のない、でも本当のことを言うと言う行為は、
最も人を傷つけると思います。
そう言う鈍感な人間にならないように(娘も私も)気をつけたいと思います。

私の弟が車いすなので、幼いころから障害を持つ人たちとは普通に接してきた私。沢山色んな経験をしてきたような気がします。自分は自然に受け入れることができたけど、自分の子供たちにどう伝えていくかは考えてしまいます。ただ、絶対に伝えたいのは障害を持つ人に対して「かわいいそう」という思うのは間違っているということです。そう思った時点で自分の方が優位だということ。それは間違っていると思うから。そう思われてくやしい思い、悲しい思いをしてきたから感じたことです。障害も1つの個性ですから、受け止め受け入れていける世の中になるように、私たち親がしていかなくてはいけないことだと思っています。
長々と失礼しました・・・。

この本を、自分の子以外の前で読むときには、涙越えが必要でした。。。きっと、まつりかさんと同じくだりだわi-241
「『えんぴつびな』もしかり、読み手が涙することに注視されては絵本を伝えられない…」という言葉を初めて耳にした一冊でもあります。
私、この絵本のさっちゃん大好き!
子ども時代に、物怖じしない子だったので、どこか自分を重ねてみるところもあって…読む度に、お姉さんになるくだりの複雑な気持ちも蘇るんです、不思議よね。
頭でなく感性で読んで欲しい絵本~感想文の件も、全くもって同感です♪

先ほど、ターシャの案内記事を書いたので過日の予告記事にTB送りました、よろしく~
会期中に行かれるように、頑張るぞ(笑)

各務史さん
子どもの言葉って素直なだけに深く傷けることもありますね。史さんのおっしゃるとおり、ストレート・本音・正しいこと・・だから言っていいとは限らないっていうこと、私も日々そういう発言しては後悔を繰り返しています。
子供にはもっとデリカシーのある発言ができるようになってもらいたいって思っているのですが、子は親を見ていますからね。まずは私が気をつけないと。


aqua balloonさん
障害者が、かわいそうかどうかは、他人が判断することではないですもんね。きっと健常者ではわからない大変な思いをされているんだろうなということが、かわいそうという言葉として使われるのは、障害者の方を深く傷つけるんだということですよね。
施設や制度でのバリアフリーの整備以上に、人々の意識がバリアフリーであることが大切なんでしょうね。


RENEさん
そうそう、涙超えが必要なんですよねこれを読むときは。それでも毎度心の中で泣かされる。この涙ってなんだろう?って・・、自分の中の醜いものがざ~っと流されて奥のほうに潜んでいた善の部分が湧き出てくるような感じになります。そしてもっとこの社会が優しいものであれば、と強く願いたくなります。

ターシャ・・私は日程的に厳しく行けないかもしれません。皆さんの報告を待っています。
プロフィール

まつりか

Author:まつりか
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・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

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