もりたろうさんのじどうしゃ 大石真/文 北田卓史/絵
<どんな絵本?> もりたろうさんは郵便やさんで、来る日も来る日も歩いて郵便を配達していました。 車があればどんなに便利だろうと思っていたもりたろうさんは、60歳で定年したあと、免許を取ることを決意。 ようやく免許を手にしたもりたろうさんは、車を買うのですが、どれも高くて買えません。手がでるのは、隅に置いてあったおんぼろの中古車。仕方がないので、自分で修理・塗装して。 ある日、息子から孫の誕生日に来てほしいと手紙をもらい、車で出かけます。しかし、坂道ではエンジンがやけてしまうし、スピードが出ないので他の車にどんどんぬかされてしまいます。 けがをした犬を拾い手当をして一緒にのせてあげてしばらく走っていると、またまた車の調子が悪くなって、水で冷やそうと思ったもりたろうさんが、川べに車を停めて水を汲みに行っている間に、銀行強盗が空っぽの車だと思い乗り込んできました。アクセルを踏もうとおもったら、足元にいた犬がかみつき、ハンドルを切り損ねて車は川に落ちてしまいます。 無事銀行強盗は捕まりますが、もりたろうさんは愛車が動かなくなってがっくり。 しかし犯人を捕まえるのに協力してくれたお礼にと、銀行が新車をプレゼントしてくれました。もりたろうさんは、息子さんとお嫁さんと孫と、犬を乗せて、奥さんに見せに帰りました。 <初めて読んだ3才8ヶ月のヒメの反応> 銀行強盗がやってくる場面のところで大きく反応しています。それまでの穏やかな展開から、急に変わるからでしょうか。新車をもらって、奥さんのところに息子の家族を乗せて帰っていくというハッピーエンドに、ほっとした様子で聞いています。 <おすすめポイント> 定年退職を迎える年齢でありながら、新しいことにチャレンジする姿勢、古いものを自分の手で活かして使う優しい人柄という主人公の設定と、ふいの事件に巻き込まれながらも大手柄をあげるという痛快な展開が魅力。 大石氏&北田氏のコンビでの作品は数多く、これもその一つ。 自動車が大好きだという北田氏の描く車の絵は、意外にも精巧に描かれ、とくに、前見返しに描かれている車は、船や飛行機にタイヤが付けられているなどとてもユニークで、氏の遊び心が感じれられます。 <現在4才9ヶ月のヒメの反応> 絵をじっくり見るのは、中古車屋に並ぶ車につけられている値段の箇所。数字をだいぶ理解できるようになってきたので、興味があるようで必ずここで立ち止まります。(ちなみに、もりたろうさんは、1万円の車を買います) 相変わらず、銀行強盗が出てくる場面にはハラハラし、犬が強盗の足にかみついて車ごと川に落ちてしまう場面には、「ほらね、だから落ちたでしょ」と、悪者がこらしめられる展開に満足しているよう。 <まつりかの感想> 私は、この絵に非常に懐かしさを感じながらも、ヒメは、表紙をみるなり、「これは読みたくない」と言っていたのです。 「お母さんが小さい頃読んだことがあるから聞いてね」(実際は『チョコレート戦争』でこの画風を記憶しているのですが)、ということで無理やり読み進めたのですが、じっと聞き入ったあと、「これ面白かった」と言って何度もよみせがむようになりました。 ヨボヨボのもりたろうさんと、オンボロの車が、第二の人生をスタートしていく様や、せっかく手に入れた車が廃車になったものの、新車をプレゼントされるという展開には、誠実で地道な生活をしているものが報われるという昔話のような要素があり、読後がとても晴れやかです。 初版は1969年。時は高度成長期。日本の自動車産業は世界第3位、自家用車が一般家庭に普及しはじめた時代背景を知ると、主人公のもりたろうさんが、車への強い憧れをもっているという設定にも納得です。 当時の大卒初任給は3万円(ちなみに新聞購読700円/月、はがき7円/枚、とうふ30円/丁)。もりたろうさんは、絵本の中で「1万円」の値札のついた車を手にしますが、定年退職したもりたろうさんは、もっと高価な車を手に入れることも可能なのでしょうが、つつましい生活と、オンボロの車を修理して使うという精神が温かいなあと感じるのです。 あとがきによると、作者の大石氏のうちの前を、一台の赤いおんぼろ自動車でいかにも免許とりたての様子だけど、とても楽しそうに運転をしているおじいさんが、通って行ったのを見たことにあるそうです。 「あの年で運転をならうなんてなんて素敵なんだろう」と思い、とても楽しい気持ちのなかかからこの物語は生まれたのだそうです。そんな作者の心情が存分に伝わってくる楽しい絵本です。 ![]() |
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ご無沙汰です。
我が家におこの絵本があります! ヒメチャマの同じく我が家の娘たちもこの絵本に興味を持ってもらえませんでした。 親のわたしからみると、懐かしい感じのでほのぼのとする絵本なのですが。 なので、子ども達にはまだ読み聞かせていません。 食わず嫌いのようなところがあるので、わたしもまつりかさんを見習って、子ども達に読み聞かせをしようと思います。 我が家も同じ時期に沖縄にいきました! 我が家は石垣島と竹富島です。 でもほとんどホテルのプールにいたので、まつりかさんのように旅を満喫できていないかも。 子ども達は楽しんでいたのですが。 島の人との交流、素敵です♪ わたしもそのような経験がしたかったと思います。 因みに我が娘達はホテルのプールで出会った子達と友だちになって遊んでいました♪
【2008/04/16 03:13】
URL | アテナ #PsQalZOA[ 編集]
素敵な絵本ですね。まだ読んだことがないので、探して見ますね。最近の絵本はグラフィックを使ったり、アート感覚が散りばめていたり、可愛いイラストだったりで子供の目を惹く工夫がされている分、ほのぼのとしたこの本の表紙は子供たちにとって物足りなさを感じてしまうのかもしれませんね。。。。でも、絵本は何よりお話が大切。読後、ヒメちゃんの何度もリクエストされるのを見ても、この絵本には面白い魅力がいっぱい詰まっているのがわかります。
とっても参考になりました。 まつりかさん、お久しぶりです。
まつりかさんの感想を読んで、思わず図書館に予約してしまいました。 1969年の時代背景を知らないヒメちゃんも面白いと思えるんですね。 壊れたらすぐに新しいものを買うのではなく、おんぼろを修理して乗る そしてそれが壊れたときの悲しみなど、子どもが共感してくれるといいなぁなんて 思惑もあるのですが・・・なんて言うと怒られそうですね^^; でも単純に私が読んでみたいなぁと思いました。 素敵な本のご紹介ありがとうございました。 ついでに...「ミムラ〜」も予約してしまいました^^ アテナさん
そうそう、食わず嫌いなところがありますよね〜。まあ私もなんですけど、自分の好みの絵や作者でつい選んでしまいますけど、ロングセラーにはなるほどそれなりの理由があるわけで、絵のかわいさや、きれいさが子供に愛される理由ではないんだってことを、この本も証明してくれました。 沖縄・・・わたしはまりそうですよ。今度は石垣島の北部のほうにも滞在してみたいなって思っています。 京女さん そうそう、ほんとうにそう思います。 文体も、淡々としていて、作意が見えるわけでもなく、子どもにこびていない感じがいいですね。シリーズで他にも、もりたろうさんの●●っていうのがあるみたいですので読んでみたいと思っています。 huuyuuさん こんにちは。新しい生活は落ち着きましたか? huuyuuさんの参考になったようでうれしく思います。 物を大切にする心、huuyuuさんはそういうのがちゃんとできている方に思われますから、お子さんにも伝わっているんじゃないですか?わたしこそ気をつけねば(^^ゞ ![]() |
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