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 おしいれのぼうけん

2008-09-23

おしいれのぼうけん   古田足日  田畑精一/作
おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)
古田 足日

童心社 1974-11
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<どんな絵本?>
さくらほいくえんには、 こわいものが ふたつ あります。
ひとつは おしいれとで、もう ひとつは ねずみばあさんです。

もも組の担任のみずの先生は、何度言っても言うことを聞かない子は、押入れに入れて戸を閉めてしまいます。
入れられた子は、泣きだします。
そんなとき、みんなは おしいれが とてもこわくなって、みずのせんせいが とても きらいになります。
ねずみばあさんは、先生たちがやる人形劇で、みずの先生は、ねずみばあさんを使って声を出す人です。
にんぎょうげきのとき、こどもたちは みんな、みずのせんせいが だいすきです。
ある日、お昼寝のために着替えをしていた「あきら」のポケットからミニカーが出てきました。それを見つけた「さとし」は、ひったくってしまいます。ミニカーをめぐって二人の追いかけっこが始まると、布団に寝ていたお友達の手や顔を踏んでしまいます。
それを見て、みずの先生は二人を押入れの上の段と下の段それぞれ別に、入れてしまいました。
泣いて謝るだろうと思っていた先生ですが、二人は、穴からのぞいたり、蹴飛ばしたりして抵抗します。
さとしは、ミニカーをあきらに返し、あきらは、代わりにミニ蒸気機関車をポケットから出して、さとしに渡します。
ふたりは、暗闇の中で汽車と車を使って遊び始めました。
おしいれのなかは よるのやまと よるのうみ。
しかしだんだん怖くなってきた二人。するとどこからともなく
「そこにいるのは だれだ? わしは ねずみばあさんだぞ。」と声がしました。
ねずみばあさんと、ネズミたちに追いかけられる二人。おしいれのぼうけんが始まります。

冒険から戻ってきた二人は汗ぐっしょり。押入れの戸をあけて、先生が二人を外に出しました。
先生は二人を抱きしめ、みんなは二人の周りを囲みます。
次の日から、みずの先生は押入れに子どもをいれなくなりました。その代りに子どもたちが自分で入るようになりました。
あきらと、さとしが押入れはねずみばあさんの国で、大冒険ができるところだとみんなに話したからです。
さくらほいくえんには、とてもたのしいものが ふたつあります。
ひとつは おしいれで、もうひとつは ねずみばあさんです。


<初めて読んだ3才6ヶ月のヒメの反応>
「押入れって何?」と、冒頭から質問されてしまいました。これは読み進めるのは困難だな~と思いつつも・・押入れどころか、ねずみばあさんの絵が怖くて、体をこわばらせて「怖いよ、やめてよ、読まないでよ」と。それでも読み進める私ですが、ふとヒメを見ると、本から目を離して余所事を考えて完全逃避していました。
 
<おすすめポイント>
 ほぼ9割を鉛筆画で描かれています。現実とファンタジーとの境目や、押入れの中で何かの目に見つめられている絵、そして冒険を終えて空一面にあらわれた星など、5場面のみカラーページにすることで、ストーリーのターニングポイントを幻想的に表しています。
 逃げ切れたかと思うと、また追いかけられる・・・畳みかけるようなクライマックスは、ぐいぐいと読者をひっぱっていきます。
 子どもの抱く恐怖と、広がる想像力、友情を通じて大冒険を乗り越えていく痛快さの結末は、怖いものが楽しいものに変わります。 そこには、子どもによって、保育の在り方について気づかされた先生の姿についても描かれているようにも見えます。

<現在5才2ヶ月のヒメの反応>
 このお話が怖くて読みたがらなった空白の時期に『ダンプえんちょうやっつけた』を読んでいました。これが、同じ作家のコンビによる作品なのだと伝え、久しぶりに読んでみようか、と半ば強引に読みすすめたところ、布団で顔を隠したり、目を閉じたりしながらも最後まで読み終えることができました。
 額に汗をにじませながら、「あー、冒険できたね~。嬉しい!」とニッコリ。
 また別の日には、「みずのせんせい 優しい先生になってくれたんだね。」と。
  
<まつりかの感想>
 私も小さい頃、よく親に押入れに入れられていました。怖くて泣きながら戸を蹴ってみるものの、最後には観念して謝るというのがパターン。親も、この本の「みずの先生」のように、謝ってくるのを待っているのです。いわゆる恐怖政治?親が、絶対的な弱者である子どもに権威を見せつけているとしか思えないこのお仕置き。
 押入れをテーマに本ができているわけですから、当時(初版は1974年)としては、それは珍しくない光景だったのでしょうか?それとも、うちだけ??
 いやしかし、これが保育園でも行われていたということですから、現代では体罰だ!虐待だ!といって大問題になるでしょうね。
 
 我が家には押入れがありません。すべてクローゼット。ですから、まずは押入れというものから説明しなければなりません。夏に、実家に帰ったとき「これが押入れだよ」とヒメに教えたのですが、「ここに入ってみる?」というと、もう真っ青になっていました。

 押入れに入れられたことのある人はわかるでしょうが、何度か体験していくうちに、恐怖にも慣れてきて、中の布団が気持ちよくて寝てしまったり、しばらく中にいて親がいなくなった隙に飛び降りで逃げてしまったりと、子どもは子どもで知恵を働かせるものでして・・・そのうち親の方も「効力がなくなってきた」ことに気づいてくるわけです。

 さとしと、あきらは、先生の不当な行為(先生は、二人の言い分を聞かずに閉じ込めてしまったので、本人たちは納得していないのです)に対しての抗議します。表紙の絵のようにしっかりと手をつなぐことで、互いに励ましあい思い合い、ねずみばあさんの仕掛けてくる脅しにも決して屈しません。

 実際に、押入れの中でしっかり考えるといっても、子どもは暗闇の中で冷静に反省することなんてできるわけがありませんよね。暗くて狭いところに閉じ込められた恐怖にたいして、泣き叫び、どうすれば出してもらえるのかを考えたら、「ごめんなさい」って言えばいいんだと気づく。そこには、発展的な解決策は何もないのです。
 頑張った二人に、みずの先生は
「ごめんね。さとちゃんの いったとおり、おしいれの そとで かんがえてもらったほうが よかったな。」と言います。 
 おしいれのぼうけんを通して成長したのは、二人の子どもだけではなく、先生やクラスのお友達もそうなのです。
 何度読んでも、ヒメは同じ場面で顔を隠し、「怖い怖い」と言い、読み終わると、「あ~疲れた」と言って満足した表情で眠りにつきます。始まりのドキドキ感が、最後見事なまでに安堵となって落ち着く様子と、現実と空想とが入り混じった不思議な空間を主人公とともにさまようことで、子どもは体全体で物語を楽しむことでしょう。
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そっかぁ、押入れないお宅って増えているのかもしれない・・・
押入れに限らず、昔は日常的だったモノが、いつの間にか…というのあるわねぇi-156

最近では流石になくなったけれど、少し前までは、隠れたつもりでそのまま押入れの中で寝てしまっている娘を、よく見つけることが出来ました(笑)
又は、ダイニングのイス(座面)に収まって隠れていて寝てしまったり・・・次女は、少しそういう癖(遊び心)があり、ちょっとユニークでした(笑)
一冊の絵本から、色々思い出すものね…ヒメちゃんの「あ~、疲れた」って、最高i-236

あー、なつかしい!保育園の劇遊びでやった、やった。お昼寝の時の再現から始まって、押し入れの冒険を私が読んでるの。私役の女の子がそっくりに動くので、恥ずかしかったよ。子供達みんなで作って楽しかったなあ。主任先生が歌を作ってくれたのが子供達は気に入らなくて歌詞を買えていいよっていったり。
一年中ネズミばあさんであけくれたの。なつかしかったあ、ありがとね。

RENEさん
新築マンションには和室が作られていないところも多いですもんね。「昔は押入れっていうのがあってね~」なんていう日がくるのかもしれませんね。お嬢さん、かわいいですね~。椅子の下でも寝てしまうなんて(^○^)
押入れから思い出すこと、もうひとつ・・ドラえもん。


はなもようさん
そうなんですか。楽しい思い出があるんですね。当時のお子さんたちも大きくなって、この本を手にして「懐かしい!」って言っているかもしれませんね。
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・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

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