スポンサーサイト

--------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 ちょっとだけ

2008-09-21

ちょっとだけ    滝村有子/文  鈴木永子/絵
ちょっとだけ (こどものとも絵本)ちょっとだけ (こどものとも絵本)
鈴木 永子

福音館書店 2007-11
売り上げランキング : 1004

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

<どんな絵本?>
なっちゃんの おうちに あかちゃんが やってきました。
なっちゃんは おねえちゃんになりました。

赤ちゃんを抱っこしているお母さんとは、手をつなげない。
のどが渇いて牛乳を飲みたいけれど、ママは赤ちゃんのミルクを作っていて忙しそう。
パジャマに着替るのにボタンがうまくとまらないけれど、ママはあかちゃんを寝かしつけている。
朝、髪の毛を結んでもらおうとゴムを持っていくけれど、ママは赤ちゃんのおむつをとりかえていた。
・・・・・・・・
なっちゃんは、そのたびに、ひとりでできる範囲のことを頑張ってみます。
”ちょっとだけ”成功するのです。

お昼に眠くなった、なっちゃんは言います。
「ママ、”ちょっとだけ”だっこして・・・」
「”ちょっとだけ”じゃなくて いっぱい だっこしたいんですけど いいですか?」
ママはやさしく わらって、もういちど ききました。
「いいですよ!」
なっちゃんも にっこり わらって いいました。


いっぱい抱っこしてもらった、なっちゃん。その間、赤ちゃんには”ちょっとだけ”我慢してもらいました。

<初めて読んだ4才5ヶ月のヒメの反応>
読み終わると、「かわいいね」と言っただけで、それ以上の感想もなく、「じゃあ次これ読んで」と違う絵本を読みせがむ。別の日に、またこの本を読もうとすると、「面白くないから、読みたくない」と。
 
<おすすめポイント>
 太くて温かみのある線質、淡いベージュの地にシンプルな構図で、幼い子の表情を優しく描いて、います。(林明子さんが描く女の子に似ているかな?)
 前半は、赤ちゃんのお世話で忙しいママを見て、わがままをいいたいのを我慢して、自分でできることをしてみようとする健気さが描かれています。中盤には、一人で出かけた公園で、お友達のママに、赤ちゃんはかわいいでしょ?と聞かれて、ちょっとだけ頷くところに、心の揺れが見られます。ラストでは、遠慮がちながらも、たっぷり甘えさせてくれるママの胸に幸せそうに抱かれています。
 「お姉ちゃんなんだから」と自覚していろんなことを我慢しているなっちゃんの心を、ちゃんとわかっているママがいます。心のバランスをうまく保てているのでしょう、なっちゃんの表情はとても穏やかです。
 ”ちょっとだけ”という、様々な意味にとれる微妙なニュアンスを用いて、子どもの気持ちを表現しています。

<現在5才2ヶ月のヒメの反応>
 「あかちゃんがやってきました」という表現に、「赤ちゃんが産まれたってことなのに、やってきたって、なんか変な言い方だね。」と言っています。
 主人公のなっちゃんを、「3歳かな?でもいっぱいしゃべっているし、4歳かな。」と。ともかく自分よりは幼いんだろうなと推測して、お姉さん気取りで、なっちゃんの行動に一喜一憂しています。
 
<まつりかの感想>
 今秋、運営している学級の2回目(この様子はコチラをごらんください)にお招きした、柴田愛子先生の講演の中でも、この本が紹介されました。
 受講者のみなさんは、この本を初めて見たという方が多かったようです。
 しかも今回の受講者は、子供が二人以上いるお母さんが半分以上ということもあって、赤ちゃんが産まれたことによって、上の子がお母さんを思いやりながら一人でできることはやってみようとする健気な様子を描いたこの本に、「上の子をかまってやれなくて申し訳ない」という気持ちに共鳴するところが多かったようで、すすり泣きする方も多くみられました。
 
 柴田先生いわく「これを読むと、お母さんは泣くのよね~」と。
そう、この本は、子ども以上に、お母さん向けと言えるかもしれません。
 このような内容の本を、近年よく目にしますよね。お母さんがふと立ち止まれるような本。目の前のことしか見えなくなっている時に読んで感動するような本。
 
 子どもにとってはどうなんでしょう?
 話題の本ということで、購入したのがヒメが4歳5か月の時。絵のやわらかさと、吶々とした感じの文章に魅かれて読み聞かせたのですが、ヒメは「面白くないし、読みたくない」の一点張りで、ずっと本棚にしまわれたままでした。
 おそらく、一人っ子のヒメにとっては、共感することのできない本だったのでしょう。”ちょっとだけ"こんな風に我慢することもないのですから。母親を常に独占状態のヒメにとっては、よくわからない気持ち。赤ちゃんがいたらいいなあということも、今までも口にすることはないのですが、おそらく、赤ちゃんがいる主人公への嫉妬ににた感情もあって、「面白くない」という感想になったのかもしれません。(ごめんよ~ヒメ。こればかりはね
 柴田先生の話を聞いて感動した私は、7か月ぶりに本棚からひっぱりだしてみました。「ああ~これね」と、読んでほしいという雰囲気が微塵も感じられないヒメでしたが、読み終わると「もう一回読んで」とリクエストをしてきました。
 この数か月で、「小さい子をいつくしむ」感情を豊かにし、「他人の目を気にして自分の行動を制御する」ということができるようになったということでしょう。

  冒頭の、なっちゃんの おうちに あかちゃんが やってきました。
の、「やってきた」という表現に、ヒメは毎度ひっかかっています。
 上の子にしてみれば、赤ちゃんというのは、かわいい存在であることは間違いないんだけれど、自分の領域に突如「やってきた」ものであり、歓迎できない部分もある複雑な存在。
 一人っ子のヒメにしてみれば、そういう複雑な心境がわからないので、「やってきた」にひっかかるのかもしれませんね。

 下の子の誕生と同時に、まだまだ未熟な上の子を、「お兄ちゃんなんだから」「お姉ちゃんなんだから」と、一人前に扱ってしまいがちなお母さんには、健気な、なっちゃんの姿に上の子の気持ちが見えてきて、わが身を振り返り、一呼吸置くことができるのではないでしょうか。 
 第2子以降の誕生のお祝いに、プレゼントすれば、必ずや喜んでいただけるであろう絵本です。
関連記事

Trackback

コメントの投稿

非公開コメント

娘のために読んであげたい絵本だな~。
ヒメちゃんは「やってきた」表現が気になるようですが、娘は「やってきた」感があると思います。
息子が産まれた時、1週間病院で過ごし、娘が待つ家へ帰宅した時、初めて対面する赤ちゃんになんとも言えない複雑な表情をしたのを今でも思い出します。それ以来、きっと娘もちょっとずつ我慢を重ねていることだと思います。
私と娘とふたりだけでこの絵本を開いてみようかな???
素敵な絵本の紹介をありがとう*

健気ですね、この本のお姉ちゃん。

上の子というのは、
”意識があって、我慢する”ことを求められるんですもんね。
(赤ちゃんは、よく分からずに我慢させられるかもしれないけど!!)
でも、健気だからこそ、
>「”ちょっとだけ”じゃなくて いっぱい だっこしたいんですけど いいですか?」
になるのですよね、きっと。
毎日、毎日、ギャーギャー文句言われてたら、
ママのほうでも、そんな心の余裕でなそうですもん…。^^;

毎度思うことですが、子どもを育てるって、
ホント難しいな…。
どっちも愛していても、身体は一個しかないし…。

この絵本をはじめて見た時、あら、うちの子たちにそっくり!と思って購入しました。
でも、そっくりなのも過去の話。。。この表紙のような写真が
いつも目の届くところに飾ってあるのです。
だから、きっと娘たちも表紙を見て自分達だと思っています。
内容については、下の娘も3歳になってから読んだので
ちょっと時期的にズレがあり、我が家でも、
あまり本棚から引っ張ってくるような絵本ではありません^^;
たまにアルバムのようにひらいて読んでいる絵本です。
それは、子どもたちも一緒です。
読んであげると、「赤ちゃんだったとき、○○だったよね!」
とだんだん話が自分達の小さい頃の話をして欲しい。に変わります。
一応、絵本は最後まで読んでから話します。
やっぱり、絵本と全く一緒じゃありませんから・・・
お姉ちゃんが「ちょっとだけ・・・」なんて我慢できませんでしたから、うちは
妹ができて最初は、お姉ちゃんになったことを素直に受け入れて喜んでいるようでしたが
だんだんと私をとられてしまったことが辛さに変わり
私に甘えることができず、ばあちゃんやじぃじに甘えることを覚えて
好きなものを何でも買ってもらえることを覚え
ばあちゃんたちも甘いから「可哀想だから買ってあげるよ。」と
何もかも手に入るようになって、贅沢な人間になっちゃいました。
お姉ちゃんは、今でも買ってもらえないと
ばあちゃんに頼んで何でも買ってもらっています。
愚図り方もハンパじゃありません^^;
私は「ちょっとだけ・・・」なんて、きれい過ぎる表現だなあって思います。

京女。さん
なるほど、お嬢さんとふたりっきりで読んでみるっていいかもしれませんね。大きくなっていても、「いつも我慢してくれていること、お母さんはちゃんと見ているよ」っていうのが伝えられるんじゃないでしょうか


各務史さん
実際には、この本のお姉ちゃんのような、「健気さ」がいつもなわけではないでしょうから、最後のママのようなセリフが出てくるかどうかは??なんですかね~(^。^)
兄弟、姉妹でも気質が違うから、親子の相性にも違いが出てきますでしょ?自分と似すぎていても嫌だし、似てないから理解してあげられなかったり・・


nao-yuuka-ayuchan5さん
フフフ。なんだか本音の部分が聞けてうれしいなあ。
子どもって、自分が小さかったころのことを知りたがりますよね。嘘でも「あのころ、このなっちゃんみたいによく頑張ってくれてたね」なんて言ってあげたら嬉しいのかしら?
子どもって自分の居場所を求めて、うまく渡って行くもんなんですね~じいじもばあばも、目に入れても痛くない存在の孫に甘えられてうれしくってたまらないんだろうな。幸せ幸せ。
プロフィール

まつりか

Author:まつりか
img18701.gif

・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

最近の記事+コメント
絵本ブログが集まっています♪

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 子育てブログ 子供への読み聞かせへ
にほんブログ村

カテゴリー
ブログ内検索
Amazon検索

with Ajax Amazon

カウント(18年8月~)
Twitter
リンクさせてもらってます
自分のサイトを登録 by BlogPeople
Amazonお買い得絵本
カレンダー(月別)
05 ≪│2017/06│≫ 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新の紹介本

講座のご依頼・お問合せはこちらでどうぞ

名前:
メール:
件名:
本文:

【絵本が好きな人へ】
アクセスランキング
ゴガクル
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。