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 夏のわすれもの

2009-08-17

夏のわすれもの    福田岩緒/作・絵
夏のわすれもの (文研の創作えどうわ)夏のわすれもの (文研の創作えどうわ)

文研出版 2001-08
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<どんな絵本?>
暑い 暑い 日だった。
まどの風鈴は チリンとも ならない。
ああ、川に いきたい!
いまごろ、いっちゃんたちは 川で・・・。
そう 思ったら、 もう がまんできなくなった。
ぼくは えんぴつを おいて、ドリルを とじた。


まさるは、夏休みになったら庭の草取りを手伝うというのを、おじいちゃんと約束していたけれど、まだ一度も手伝っていない。
宿題もせずに、友達と毎日川に行って遊んでいる。
この日も、おじいちゃんに草取りを手伝ってほしいと頼まれるが、明日手伝うから、といって浮き輪を持ってでかけてしまった。
川遊びをしているとき、救急車のサイレンを聞く。
それは、まさるの家に来たのだった。
暑い中、体調も良くないのに、草取りを続けていたおじいちゃんは、急逝してしまったのだ。

おじいちゃんっ子だったまさるだが、不思議とお葬式でも涙が出なかった。
初七日を終えたころ、まだまさるは夏休みの宿題もせずに川へ遊びに行っていた。
お母さんはとうとう爆発した。
おじいちゃんが死んでからというもの、今まで以上に縁側に座る時間のながくなったおばあちゃんは、右手で左手をさすりながら、「むりせんでも いい。川へ いけば いい・・」と、おじちゃんの形見の麦わら帽子を渡してくれる。

まさるは、川に行く途中にあるひまわり畑で、立ち止まった。いつもと違ってみえた。
ひまわりは、おじいちゃんが大好きだった花。
「まさる、ひまわりはなぁ、小さな 太陽だ。太陽と おなじ あかるさを くれる 花だよ・・。まさるも ひまわりのように なれば いいなぁ・・・」
そう言っていたおじいちゃんの言葉を思い出し、おじいちゃんとの思い出を回想する。

ほんとうに いなくなったんだ。
麦わらぼうしが ゆがんで、ひまわりの 黄色と まざりあった。
目の おくが あつくなった。鼻が つまって・・とうとう こらえきれなくなった。なきはじめたら とまらなくなって、なみだが ぽろぽろと 流れおちた。


<初めて読んだ5才1ヶ月のヒメの反応>
表紙に描かれた、岩の上から飛び込む絵を見て楽しそうだと思ったのでしょう。ちょうど夏に帰省していて川遊びをしていたこともあって、「これ読みたい」と持ってきた本。
前半は、岩場からいろんなポーズで飛んでいる子どもたちの描写を楽しんでいたものの、おじいちゃんが亡くなってしまうことで、まさるの後悔の念を一緒に感じたのか物静かに聞いていました。

<おすすめポイント>
読みやすい文体で、会話文も多く、とくに前半は、夏休みによくみられる家族の会話や、遊びを優先させてでかける場面など、読み手の子どもを高揚させ勢いのある文章にぐいぐい引き込まれていきます。
後半は、おじいちゃんの突然の死を現実のものとしてとらえきれないでいる、まさるが、残された家族とのかかわりの中で死を受け止め、悲しみを超えて、成長していく姿が描かれています
おばあちゃんの、ずっしりとした存在感がこの物語の決め手になっています。

<現在6才1ヶ月のヒメの反応>
全部読み終えるのに30分近くかかりますが、ヒメはしばらくの沈黙のあと、「もう一回」と必ずいいます。もう一回読んであげることは今まで1回しかありませんが、何日も繰り返しよみせがんでくる一冊です。

<まつりかの感想>
この本の何がヒメをこんなにも夢中にさせるのか?と考えたとき、間違いなく前半の川遊びの場面が物語へ引き込んでくれているのです。
面白さの絶頂から、おじいちゃんの死の場面へと急落するテンションにも、読み手の心を大きく揺さぶるのだと思います。
まさるは、おじいちゃんが死んでも泣かず、冷静に周囲の人を観察しているのです。
そして、初めて涙をこぼすのは、ひまわり畑でおじいちゃんを思い出したとき。
目の おくが あつくなった。鼻が つまって・・とうとう こらえきれなくなった。なきはじめたら とまらなくなって、なみだが ぽろぽろと 流れおちた。
という、一文が短くストレートな描写が涙を誘います。

人との別れの悲しみを受け入れたときに、次へのステップが待っている。
楽しいことばかりではない、悲しいこと、苦しいことも人生で、そういう経験も成長の糧になるのだということが語られているのではないでしょうか。

この物語のタイトルにも使われている忘れ物とは、おじいちゃんが忘れていった二つのもの
一つは、麦わら帽子で、もう一つは右手を左手でさする「くせ」をおばあちゃんに残していったのです。

「おじいちゃんはいなくなっても、たましいは、まさるの体に残っているんだよね」と言うヒメ。
この物語を読んだり、帰省でお墓参りをしたこともあるのでしょうか、「○○(ヒメ)の、ひいおじいちゃんとかひいおばあちゃんの、たましいも○○の体の中にあるんでしょ?だから絶対わすれないね」と言うことも。
今の自分があるのは先人のおかげであるということ、命がつながっているということを大切に思いながら成長していってもらいたいなと思っています。
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No title

教科書に載っていて、
小姫が音読してくれた時に知った物語です。
特別じゃないんだけど、ほろ苦いお話…。

でも、そうですね。
”本当の”永遠の命のお話なんですね。
亡き人が帰ってくると言われているお盆に
ピッタリかもしれません♪
ヒメちゃん、心豊かに育たれそう!^^

No title

各務史さん
この本、教科書にもつかわれているんですか。
音読するには、結構な文章量ですしね。
高学年の教材なのですか?

死んだらどこにいくのか?、自分はどこから来たのか?ということをよく口にしています。これも成長ですね。
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まつりか

Author:まつりか
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・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

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