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 でも、わたし生きていくわ

2011-05-26

でも、わたし生きていくわ   コレット・ニーズ=マズール/作  エステル・メーンス/絵  柳田邦男/訳
でも、わたし生きていくわでも、わたし生きていくわ
コレット ニース=マズール エステル メーンス

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<どんな本?>
ネリー、ピーター、アンナの3きょうだい。
ある日、ママとパパが事故にあって、亡くなってしまった。
3人は、ぜんぶ自分でしないといけなくなった。
親戚の家にそれぞれ預けられ、毎週土曜日には、おじいちゃんの家で3人が集まることができる。

長女ネリーは、3人姉妹のいるジーンおばさんの家に。
ジーンおばさんは、わたしをだきしめていってくれるわ。
「あなたは、わたしの4番目の子よ。」

パパやママのことを話してくれたり、写真を見せてくれたり。
ある日、写真のママとおなじ髪型にしたくて、自分で髪を切ったらめちゃくちゃになって、ジーンおばさんにすごく怒られてしまう。
ネリーは泣いて「ママーっ」て叫ぶ。
するとおばさんは、
「わたしがしかってるのに、なんでママに助けをもとめるの?おまえは、もうわたしの子なのよ」
おばさんがわたしをほんとうに愛しているのが、わかったわ。

学校で一番仲良しになったクララは、いろんなことを聞いてくる。
ネリーはこたえる。
パパとママは本当に亡くなった。弟や妹は一緒には暮らしていないけれど、心の中ではいつも一緒だと。

ときどき夜になると、事故がおきる前の日々を思って涙があふれる。
悲しみは消えないけれど、いま、わたしは、しあわせ。

ネリーは窓辺で遠くをみつめながら将来のことを考える。
わたしが、おとなになったら、子どものたくさんいる家庭にしたい。
家には、窓もドアもいっぱいあって、風がやさしく通りぬけ、星空をながめられる。
おさない子も大きな子も、だれでも自由にはいってこられる。
「いらっしゃい」わたしは声をかけるわ。
「あなたも家族よ」


<はじめて読んだ7才9ヶ月のヒメの反応>
一人でもくもくと読んでいるかと思うと、読み終えて「おかーさーん」と大泣きして抱きついてきました。その後、学校の宿題にもなっている「本カード」に感想をかいていました。
こっそりのぞいてみると・・・「パパとママがいなくなってしまうのはぜったいいやだとおもいました。でも、もしなくなっても、わたしは、ゆうしゅうなおとなになって生きていこうとおもいました。」
それに対する先生のコメント・・「だいじな人がいつもいるとはかぎりません。いつも人のことをたいせつに思っていこうね」

<おすすめポイント>
両親を事故でなくした、7才の長女ネリーの目線から語られる物語。
弟、妹のことを思いながら、また自分も新しい家、学校での人の優しさにふれながらも、気持ちを抑えて生活している様子。
それでも、おばさんが本当に自分のことを愛してくれているんだと実感した時、またお友達にも堂々と現実を語れるようになったとき、ネリーは未来を語ることができた。
悲しいことに出会った子どもを、まわりの温かさで支えること、それにより子どもが自分を大切にし生きる力を持っていくということが、描かれています。
原題はフランス語で『Depuis ce jour』。訳すと「この日から」となります。

<現在7才10ヶ月のヒメの反応>
私も声に出して読んでみようと、寝る前にヒメに向かって本を開くと、「絶対読まない。大嫌い」といって拒絶。
それでも、隣でぼそぼそと読んでいると、チラチラっと目を向ける。ところが、夜になって事故のことを思い出す・・というページにさしかかると、布団を頭からかぶって「聞かないからね」と大声で叫んでいました。

<まつりかの感想>
この震災で、親を失った子どもたちもたくさんいると思います。
この本は2年前、訳者の柳田邦男さんの講演会にうかがったときに紹介されて知りました。
何度か読んでいるものの、震災後の今は以前よりも読むと深部にしみこむものがあるのです。
絵本のなかの出来事は現実ではないけれど、物語の中に入れば入るほどに自分の空想の中で体験している気持ちになる。ところが、現実の世界でも似たような経験をすると、本の世界はよりリアルさを増し、現実のできごとに関しては、本の世界とリンクしてより深く広く感じられる。

この本も以前は、読み終えて本を閉じれば、余韻を感じながらも、すんなり現実の世界に戻ることができました。
だけど、現実に多くの震災遺児がいるといわれている中で、もしわが子も・・ということを考えるといたたまれなくなるのです。
大人の私でもそうなのだから、ヒメがこの本を拒絶してしまうのも今はわかる気がします。「もし自分が」というifの世界は現実に起こりうるのだ、親を失ってしまった子どもが世の中にはたくさんいるという現実を知ったからなのかな。この本を一人読みし、感想もかいて、ヒメなりに咀嚼し終わっていた。ところが、自分の親に読まれ、絵を見て文章から様々なことを想像することで、不安が募り、負荷がかかってしまったのかもしれません。
そういう意味で、読み聞かせをする時期、年齢なども配慮が必要なのだろうなということを改めて知ったのでした。

柳田先生は講演会でこの本を紹介されるときに、こんなことを言われていました。
自己肯定感を持てないで生きる力を失ってしまう子が多くなっているような気がするが、まわりにいる大人たちが子どもに温かな愛情を注ぎ、ありのままを受け入れてることで、子どもは生きる力をふたたび持てるようになるのではないだろうか。そういうことを、この表紙にあるネリーのまなざしに感じられるだろう、と。

悲しみは消えないけれど、いま、わたしは、しあわせ。
震災で悲しい思いをした方々が、こんなふうに言える日がくるように、優しさで支えていける世の中でありたいと思うのです。
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素敵な絵本ですね

この時期、子供たちに読んであげたくなる一冊ですね。今の子供たちに、人の立場を、自分のこととして想像してみたり、想いやる気持ちを養って欲しいと思います。オススメは小学校中学年かな? 
ひめちゃんはその点、とても想いやりや想像力が豊かですね。こんな風にこの絵本が嫌いになるというのも、とても素晴らしいことだと思います。ちゃんとイメージングができているからですね。まつりかさんが絵本を読んであげて、想像力を養ってあげているからでしょうね。きっときっと優しいお子様に育つと思います。
柳田邦男さんってほんとうに素敵な絵本の翻訳をされますね。まつりかさんは「やめて」という絵本をご存知ですか?
とてもいい絵本です。柳田さんをすごいと言わしめた作品です。オススメですよ。

No title

京女。さん
ありがとうございます。
絵本のボリュームとしては、もう少し幼くてもいいのかもしれないけれど、内容としては、中学年なのかな?という独断と偏見です。
うちのヒメさん。手に負えないことも多く・・いや、想像力が豊かで思いやりがあればいいのですが、日常生活においてはどうも^^;難しいこともいっぱいありますね。
柳田さんの訳される絵本には、生死や人間の本質をつくようなものが多いですよね。
『やめて』も、読後に得も言われぬ余韻が残ります。
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まつりか

Author:まつりか
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・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

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