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 追悼・・中川正文先生

2011-10-20

去る10月13日午後、大阪国際児童文学館特別顧問で、児童文学作家の中川正文先生が、肺炎でお亡くなりになられました。
90歳でした。

所属しておりますNPO法人「絵本で子育て」センターと、中川先生は深い深い関係がありました。
今年で8回目となる「絵本講師・養成講座」では顧問をつとめていただき、毎回開講日には、記念講演としてお話しいただいておりました。
ところが、今年はお体の具合が悪くご出席できないということで。
中川先生が直々に連絡をとられ、代わりに松居直先生のご講演となりました。

そういうわけで、私が中川先生のお話しを聞いたのは、昨年の5月が最後となってしまいました。
東京会場での開講式にご出席の際は、前日から奥様と都内のホテルに宿泊されていました。
会場の支度ができましたら、タクシーで先生のお迎えにあがるのは、ここ数年私がさせていただいていました。
ホテルから会場まではおよそ10分くらい。
ほんの短い時間でしたが、車中ではいろいろお話しくださいました。
私が、学生時代住んでいた京都のある町のすぐ近くに先生のご自宅があることもあって、町並みの変遷をお話しくださったり、自分の健康のことを心配されてのことでしょうが命についてのお話しをされたことも印象に残っています。

講演では必ず『すみれ島』(今西佑行/文 松永禎郎/絵)を朗読してくださいました。
小柄で細い先生は体をゆすり声を絞り出すようにしてお話しされます。
時々嗄れて小声になられますが、先生による『すみれ島』は、目を閉じて聞いていると、涙がこぼれてしまうのです。
ご自身のかかれた絵本『ごろはちだいみょうじん』を読んでくださったこともありました。
奈良弁で書かれた文章ですから、奈良ご出身の先生による朗読は一層味わい深かったのでした。

そのお声をもう聞くことができないのかと思うと残念でなりません。
お具合が悪かったことを知っていたとはいえ、胸にぽっかりと穴があいたような気持ちがします。
晩年は、当センターの活動を、力強くバックアップしていただきました。
2006年には『絵本・わたしの旅立ち』を、
2009年には『きつねやぶのまんけはん』を、当センターから出版されました。
絵本・わたしの旅立ち絵本・きつねやぶのまんけはん
『絵本・わたしの旅立ち』には、子どもに本を手渡す大人の姿勢が書かれています。

絵本は、親と子ども、先生と子ども・・つまり大人と子どもとが、共に楽しむもの、共に経験を同じくして、同じく成長していくものである。


本とは、一回よめば一回だけ、二回よめば二回だけ、新しいものを発見できるような、微妙な内容をもつものといえるでしょう。


人間は何のために、何をするために生まれてきたか・・いわば人生の真実を学びとらねばならない、学びとれるということに役立つ、そういう絵本そういう得難い絵本を選びたいと思うのです。

                         (『絵本・わたしの旅立ち』中川正文・著より)

あふれんばかりの情報の森の中をさまよい、なにをどう選択すればいいのか迷ったときにこそ、原点に戻る。そこにこの本はあるのだと改めて気づきました。

『きつねやぶのまんけはん』は、村人が自然を敬愛し共生していく風景が描かれています。今、世に出ている絵本から比べると、かなり噛みごたえを感じる本だと思いますが、奈良弁の味わいを感じながら、ゆっくり読んでもらえたらと思います。

我が家には、先生のサイン本が3冊あります。これらの言葉を大切にしながら、読んでいきたいと思います。
『ごろはちだいみょうじん』(梶山俊夫/え)には、「わがこころの故里の香り」
『ねずみのおいしゃさま』(やまわきゆりこ/え)には「ランプの灯のごとく こころやさしく」
『きつねやぶのまんけはん』(伊藤秀男/画)には「故郷を失いしものたちよ わが童話の村にきて心を清め給えと誰がいうたか?」
2011102100300000.jpg2011102101180000.jpg2011102100300001.jpg

この他にも多くの絵本を出しておられます.
しかし残念ながら、絶版になっているものも多いのですが、わかる範囲で先生の作品(絵本)をあげてみたいと思います。ご冥福をお祈りいたします。
『がんばれさるのさらんくん』  長新太/絵
『きつねのおはなはん』  二俣英五郎/え
『おはがきついた』  村山知義/絵
『つきよのばんのさよなら』  太田大八/え
『ムッちゃん』  四国五郎/絵
『かげはすてきなともだち』  太田大八/え
『ゆびきりげんまん』  金沢祐光/絵
『うつる』  飯田四郎/え
『たろうがるすばんしていると』  夏目尚吾/画
『かげ』  堀内誠一/え
『いちにちにへんとおるバス』  梶山俊夫/絵
『あひるのホテル』  ながよしかよ/画
『うさぎのでんぽうや』  多田ヒロシ/絵
『22ひきのかにのはなし』  清水耕蔵/画
『ひとりでるすばん』  富山妙子/絵
『松もいっぽん葉もいっぽん』  田島征彦/絵
『ごおん』  かまたのぶこ/絵
がんばれさるのさらんくんごろはちだいみょうじん(こどものとも絵本)ねずみのおいしゃさま(こどものとも絵本)いちにちにへんとおるバス (ひかりのくに傑作絵本集 (1))
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残念です

絵本講師養成講座に参加するまでは中川先生のことは知りませんでした

開講初日の講演でいきなり「長谷川義史」と「飯野和好」さんの絵本について話しだしたのでびっくり驚きの体験でした
と言うのもその年にはお二人の絵本作家を招くことになっていたのです

以後中川さんの著書を読んだりしているうちにその講演の意味が理解できるようになりました

自分にとってはこれからまた話が聞けることもあるだろうと思っていたのですがとても残念です

No title

ふくちゃんさん
こんにちは。
コメントをありがとうございます。
先生の死は、本当に残念なことです。
でも、こうして直接お話をうかがえたことを喜びにしながら、これから私たちも活動していきたいですね。
プロフィール

まつりか

Author:まつりか
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・まつりか
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫
 ♪2003年生まれの娘(12歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。小学6年生です。 

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