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むしたちのうんどうかい
むしたちのうんどうかい  得田之久/文  久住卓也/絵
むしたちのうんどうかい (絵本・こどものひろば)むしたちのうんどうかい (絵本・こどものひろば)
得田 之久

童心社 2001-10
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<どんな絵本?>
はやしのなかの ひろばで、 むしたちの うんどうかいが はじまります。
まずは にゅうじょうこうしんです。

トノサマバッタの園長先生から開会式の言葉があると、紅組、白組にわかれての応援合戦。
ガチャガチャギッチョンコロコロリーン
ツクツクカナカナジーミンミーン

はしりっこ競争、飛びっこ競争、玉入れ、綱引き・・種目も様々です。
そして、楽しい運動会は、終わり、空にはホタルの花火があがりました。

<初めて読んだ4才3ヶ月のヒメの反応>
最初からとてもお気に入りになった本。ミイデラゴミムシのおならの合図で、すべての競技が始まることに大ウケしていました。聞いたこともない虫の名前が出ると、どれがどの虫なのか知りたくて、じっと立ち止まるので、なかなか読み進められません。

<おすすめポイント>
日本昆虫学会の会員でもあられる得田氏による、昆虫たちの生態に基づいた楽しいお話。鳴く虫、飛ぶ虫、力の強い虫、舞う虫・・・・運動会では、みなそれぞれの得意分野に登場。
その様子を、ユーモラスに描いた絵はとても愉快で、文章に出てくる虫を絵で確認することで、虫への興味が広がるはずです。
他にもシリーズで『むしたちのおんがくかい』『むしたちのえんそく』『むしたちのおまつり』があります。

<現在4才11ヶ月のヒメの反応>
 自分も運動会を体験したばかりだったので、これまでよりも一つ一つの場面に深く興味をもって読んでいるようです。オオムラサキは蝶だけど、花の蜜ではなく、樹液をすうことや、カマキリがバッタを食べるってことも初めて知ったようです。

<まつりかの感想>
 6月1日(日)に、ヒメの通う幼稚園では運動会が行われました。うちの幼稚園、合理的というかなんというか・・学年ごとに時間が分けられ、完全入れ替え制で約1時間で6種目。子供は大変かもしれないけれど、まあ親としては大変ありがたい。なぜって、他の学年がいないぶん、子どもの姿を探しやすいし、一時間集中できるし、お弁当も作らなくていいし、小さい赤ちゃん連れの保護者にとっても短時間ですむわけで。(小学校と日にちが重なっている人はとっても大変そうでしたけど)

 うちの園は、毎年この時期に行われます。去年は入園してわずか2か月だったので、みんなで整列するのがやっと、という状態ながらも、体操して演技して・・の姿がとても可愛いかったんです。
 しかし、今年は違います。かけっこだってちゃんとあったし。中には、「なぜ走るの?」って感じの子もいたけれど、ヒメはスタートラインに立つ表情からしてやる気満々。結果、ぶっちぎりの一等賞
 一緒に走った女の子たちの中には、お母さんに手を振りながら走っている子もいて、一方のヒメの真剣さを見たママ友たちからは「気合入ってたね」なんていわれて、かなり恥ずかしかったのでございます。

 その数日後のある日、幼稚園バスを降りるなり、おもむろに
「オリンピックは、8月8日の8時に始まるの知ってる?」、
「ジンジンがかわいいんだよ。でもベイベイもかわいいなあ。お母さんどっちが好き?」と、なことを言い始めました。なんでも園で、オリンピックの話を聞いたらしく、ジンジンとかベイベイというのは、北京5輪の公式マスコットの名前。
080609_131531.jpg 「お母さん、うちにもあるでしょ。見せて。名前教えてあげるから」
・・・そう、うちには北京オリンピックグッズがいろいろあるのです。先月、主人の友人の中国人夫婦がうちに遊びにきてくれたときにいただいたお土産・・すべて五輪グッズ。(メダル・箸・携帯ストラップ・ネックレス・玄関飾りの計5品。愛国心の強さがうかがえますでしょ)

 この人形たちは、魚、パンダ、チベットカモシカ、ツバメ、オリンピックの聖火をモチーフにしていて、それぞれ「ペイペイ」、「ジンジン」、「フアンフアン」、「インイン」と「ニー二ー」という名が付いています。
 つなげて読むと、「北京歓迎你」(ベイジンファンインニー)、「北京へようこそ」という意味になります。
 
 運動会と、オリンピックの話。ついにヒメは、こんなことを言いだしました。
「オリンピックってね、世界で一番を決めるんだって。だから、かけっこで世界一になりたい」
 そうだね〜夢は大きく持つんだよ〜
【2008/06/09 13:58】 | 4才児におすすめの絵本 | トラックバック(0) | コメント(8) |
たんぽぽ
たんぽぽ   甲斐信枝/作
たんぽぽたんぽぽ
甲斐 信枝

金の星社 1984-02
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<どんな絵本?>
春の訪れを待っているつぼみが、花を開き、満開になり、わたげとなって種をとばしていき、枯れ、葉を茂らせていく、たんぽぽの生態ドラマを描いた絵本。

<初めて読んだ3才8ヶ月のヒメの反応>
絵本を縦にしたり横にしたりして読むのを楽しんでいます。とくに、観音開きのページを開くと現れる、風にのって飛んでいく綿毛が描かれる場面には食い入るように見ています。 
   
<おすすめポイント>
 開花するときは?寒い日は?雨の日は?夕方には?草が生い茂っているところでは?どうやって綿毛になるのか?・・・など、たんぽぽの生態の様々なことを知ることができます。
 見開きいっぱいにダイナミックに描写されたページ、たんぽぽに止まるチョウの姿、空の青さ、冷たい雨の降る様、夕焼け空に鳥が飛ぶ様、キラキラと輝く綿毛など、一つ一つが丁寧に書き込まれ、写実的でありながら、物語性のある絵が大型絵本のメリットを生かして描かれています。
 また、叙情的な文章は、単にたんぽぽの生態を述べる科学読み物でなく、物語としての感動を与えてくれます
「はるがいっぱいになる。たんぽぽは あんしんして せいを のばす。おおきな はなを とくいそうに さかせる。」
「わたげたちは いっぽん いっぽん じっと いきを とめて、ちかづいてくる かぜの おとを きいている。」
「なんびゃく なんぜんの こどもたちを こころを こめて みおくった たんぽぽ。」

 
<現在4才10ヶ月のヒメの反応>
本当に雨の日はたんぽぽの花がつぼんでいるのか探しにいきたがったり、綿毛についている種をひとつひとつちぎってみたり、たんぽぽを見つけると、千切って観察しています。茎が空洞で、そこから出てくる白い粘りのある液が気になってしかたないようです。

<まつりかの感想>
たんぽぽの絵本といえば、こちらもあります。
平山和子/文・絵  北村四郎/監修
たんぽぽたんぽぽ
平山 和子

福音館書店 1976-01
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こちらは、福音館書店のかがくのとも。理科要素が強く、文章も教科書的ですが、「へえ〜」の度合いは、こちらのほうが多いかもしれません。平山氏の絵は、さすが、繊細でリアルです。

 ヒメは幼稚園には、園バス。それ以外のお出かけには、自転車を使うので、ヒメも私も、歩いて出かけることが少ないのです。たまには、ゆっくり歩いておしゃべりでもしながら・・と思い、普段はあまり通らない舗装されていない道を通ってみると、少しですがたんぽぽが群生しているところを発見。
ちょうど雨上がりだったので、たんぽぽの花が閉じているのを見ることができましたので、写真をパチリ。それから数日後・・・すっかり綿毛に変わっていました。073.jpg075.jpg

 科学絵本には、大人をもうならせる知識がたくさんあります。
私は、この本で、「花が終わると、実が熟すまでは茎を低く垂れ、ようやく熟すと、ゆっくり伸びながらまっすぐに立ち、少しでも遠くに綿毛が飛ぶように姿勢をつくる」ということを初めて知りました。
そして、読めば読むほど、たんぽぽに親の姿を重ね、綿毛が風にのって飛んでいく姿に子の巣立ちを見てしまいます。
 作者の甲斐氏も、あとがきに、このように書いておられます。
「ぶじ開き終わったわたげの一本一本の旅立ちを見送り、静かにたおれていくたんぽぽの姿には、母親の悲しみがあふれていました。」

 綿毛は小さな風には決して乗らないそうですね。より遠くに飛べる「いい風」を待つのだそうです。 そう思うと、周りにたんぽぽが全くないのに、アスファルトの隙間に忽然と咲いているたんぽぽを見ると、「いい風に乗って飛んできたのかな」なんて。。。そう思うと、妙にいとおしく感じられます。
【2008/05/08 01:58】 | 4才児におすすめの絵本 | トラックバック(0) | コメント(6) |
ともだちがほしいの
ともだちがほしいの   柴田愛子/文  長野ヒデ子/絵
ともだちがほしいの (からだとこころのえほん)ともだちがほしいの (からだとこころのえほん)
柴田 愛子

ポプラ社 2004-03
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<どんな絵本?>
子どもたちの遊び場「あそび島」に、転校してきた、ふうこちゃん。
まいにち かようことに きめたのですが
まいごみたい
みんな いそがしそうに あそんでいるのに。
きょうも ふうこは ひとりぼっち。
あさから ずっと ほん よんでる。
きょうも ふうこは まいごのきもち。


遊ぼうと誘ってくれるけどなんだか怖い。
やっと夏休みがきてなんだかほっとした気持ち。
前に住んでいたところの友達が、泊まりにやってきて、いっぱい遊んで笑った。
夏休みが終わり、また「あそび島」に行かなければならない。
おかあさんが心配していろいろ話しかけてくる。
「ねんどもあるし、 おりがみもあるでしょ。 ひとりで ほんをよんでも いいし。 しゃぼんだまもできるし・・・」

でも・・
ちがう! ちがう! そうじゃない!
「おかあさん ふうこは そんなことを したいんじゃないの。 ふうこは ともだちが ほしいの!」
 
さてふうこは、友達ができるのでしょうか?

<初めて読んだ4才2ヶ月のヒメの反応>
 ふうこちゃんが、はるこちゃんに「いっしょにあそぼう」と声をかける場面に、自分も同じ経験があるようでずいぶんと共感しています。
 また、2学期に大阪から引っ越してきた女の子のことを思って、「ふうこちゃんって、△△ちゃんみたい」と言っています。

<おすすめポイント>
 主人公のふうこちゃんは、年長の一学期終了間近に引っ越してきた実在の子です。
初めての場所で、築いていく人間関係に葛藤する幼い心、そして、夏休みに遊びに来てくれた昔のお友達との交流をきっかけに、「ともだちがほしい」と奮起して、自分から声をかけて遊ぶようになった心の成長が描かれています。
 くっきりとした太い筆遣いと、豊富なカラーで描かれた絵は、少女の心の揺れにあわせて背景の色も変わっていて、ポツポツした言葉で語られる文章とともにしっかりと物語ってくれています。
 作者の柴田愛子さんは、横浜の「りんごの木こどもクラブ」という無認可の幼稚園を運営されています。そして、画家の長野ヒデ子さんは、以前その近所にお住いだったという御縁で他にも『ありがとうのきもち』もこのコンビの作品があります。

<現在4才9ヶ月のヒメの反応>
 読みたい本を持っておいで、というと、最近では選んだ数冊の中に、この本が必ず入っています。夏休みに泊まりにきたお友達と一緒にお風呂に入ったり、布団で寝たりする場面と、はないちもんめをする最後のシーンがおきにいりです。 

<まつりかの感想>
 年中に進級したヒメは、クラスも替わり新しいお友達が徐々にできはじめているようで、「今日は●●ちゃんと、はじめてお話したよ」と、日々初めて耳にするお友達の名前が聞こえてきます。
 どうやってお友達を作るの?と聞くと、「『入れて』って言う。」とか「お名前なんですか?って聞く」など、なかなか積極的に声をかけている様子。
 ドキドキしないの?と聞くと、「でも、あの子とお話したいなって思ったら、ぐっとがんばって声をかけてみるの。ニコッて笑ってくれるとすごい嬉しい」と。
 いつのまにかこちらが思う以上に、成長しているようで、ヒメなりに切磋琢磨しながら園生活を楽しんでいるようです。
 
  昨年秋に、友人とグループを組み、市の教育委員会と共同主催で、家庭教育学級というのを開催し、柴田愛子さんに御講演をお願いしました。(過去の記事「ぶっくぱる2回目」はコチラ)そこで、絵本作家として、また保育者としての素晴らしいお話をいただき、この本についても、さまざまなエピソードをお話くださいました。
 中でも印象に残っているのが、ふうこちゃんが、ひとりでぽつんと居る様子をどんな言葉で表現するのか、編集の方と随分思案したとのお話。最終的に「まいごみたい」という言葉になっているのですが、本で顔を隠しながらそっと横目でみんなの様子をうかがっている絵とマッチしていて、身の置場のない様子を大変的確に表現した言葉だと思いました。(持っている本が、長野ヒデ子作品の『せとうちたいこさん』なのが、さりげなくて可笑しい

 子どもは、集団生活をしていく中で、友達とのかかわりを持ちたいという欲求をかなえるために、その子なりの手段と知恵をもっていきます。年少のときに比べ年中以上になると、ひとり遊びをするよりも、友達と関わっていこうとする行動がより多くみられるそうです。その分、いさかいも多くなり、お互いに自己主張をするので、誤解も生じやすく、先生も、互いを納得させるのが難しいといわれていました。

 一方、ひとりで遊んでいても平気、お友達と関わろうとしない子も増えているそうです。うまく自分の気持ちを伝えられないあまりに、手が出てしまったり、暴れたり、キレたりという行動も目立つようですが、これは何も子どもに始まったことではなく、親世代の姿勢を反映しているといえるでしょう。パソコンや携帯によるインターネットや、ゲームなどが、実際に世間と交わらなくても孤独を感じないですむ世界をつくってくれますから。
 「ともだちがほしいの」という言葉は、素直な欲求のはず。しかし、「ともだちなんていらない」「ともだちなんてなくてもいい」と本気で思う人もいる現状です。その背景には、幼いころから無条件の愛情に包まれなくて自尊心を持てなかったり、競争社会で他人を見下したり、いじめたり、差別したりということを受けて、世間と断絶したいと思うようになるということがあるのかもしれません。
 それでも、人は一人では生きられない、生のコミュニケーションは絶対に必要なんだということを当たり前に感じられる世の中であってほしいと思います。 

 ちなみに、昨年その家庭教育学級を受講してくださり、この本を購入した年長さんの女の子を持つお母さんのエピソードです。その時、引っ越してきてすでに一年、子どももすっかり園に慣れてたくさんお友達もいたそうですが、家に帰ってこの本を読み聞かせると、お嬢さんは黙りこくって涙を浮かべ、「私と一緒だ」といったそうです。
 引っ越してきた当時は随分と気がふさいでいて、園の様子もなかなか語ってくれず、毎日重い足取りで園に向かう間、お母さんも娘の気持ちをもりたてようと必死になっていたというのを思い出され、「今更ながらに、その時の娘の気持ちを、この本を読むことで理解できたんです」と言われました。
 「まいごみたいだ」という気持ち、「ともだちがほしい」という気持ち。日常の出来事にある子どもの心の動きを、温かな保育者のまなざしだからこそ描くことができた絵本だと思います。
【2008/04/27 03:48】 | 4才児におすすめの絵本 | トラックバック(0) | コメント(5) |
わたしはだいじなたからもの
わたしはだいじなたからもの  カール・ノラック/文  クロード・K・デュポア/絵  河野万里子/訳
わたしはだいじなたからものわたしはだいじなたからもの
カール ノラック Carl Norac Claude K. Dubois

ほるぷ出版 2000-11
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<どんな絵本?>
 新学期の最初の日、ロラは新しいお友達のルルに、「うちではなんと呼ばれているの?」と聞かれました。
 ちびちゃんとか、かわいいようせいさんとか、だいじなたからものとか」
 すると、そこに居合わせたみんなに笑われてしまいました。
誰にでも外とは違う、うちでの呼び名があるはずだ、と、ロラは町の人に「こどものころ、おうちで なんてよばれていましたか?」と聞いて回り、その結果、誰にもうちでの呼び名があるということを確認しました。
 ところが、出くわしたお友達に
 「あははは、ようせいさんだってさ! やーい、ちびちゃん」とからかわれます。
 しょんぼりとうちに帰ったロラを見て、パパは「おかえり、ちびちゃん」。ママは「おかえりなさい、かわいいようせいさん」と声をかけますが、ロラは素直になれません。
 パパもママも心配そうに「いったいどうしたの、うちのだいじなたからもの?」と言うと、ロラは歓声を上げて抱きつきます。そう呼ばれるのが一番好きだったのです。
 翌朝、学校に行くとルルが来て、自分もおうちでそう呼ばれたいとロラのことが羨ましかった、そして、ルルも、パパとママに話して自分もそんなふうに呼んでもらうことにしたんだと言います。
 ロラはそれを聞いて、「だいじなたからもの」は、自分だけの呼び名なんだとむくれてしまうのですが、考えなおしてどの子も家族の大事な宝物なんだと納得するのです。
 ロラとルルは大の仲良しになりました。

<初めて読んだ4才2ヶ月のヒメの反応>
 「お母さん、ヒメも大事な宝物?」と聞いてきます。
 「お父さんは●●って呼ぶし、お母さんは△△って呼ぶ。先生は☆☆って呼ぶけど本当は言ってほしくない・・・この前、お友達に◆◆って呼ばれて、それもいいなって思った・・・」などなど。
 
<おすすめポイント>
 「呼び名」を題材にして、成長とともに、人と交わり社会が広がっていく様子が描かれています。
 家族だけが使う愛称に、呼ばれた時の居心地のよさを感じる様子や、お友達とのやりとりの中で嫉妬したり、落ち込んだり、喜んだりという感情の変化など、子どもの内面を、愛くるしいハムスターを主人公に生き生きとかかれています。
 ロラのシリーズは、他に『だいすきっていいたくて』『だきしめてほしくって』『いそがしいっていわないで』(過去ログはコチラ)『ねえ、わたしのことすき?』など。

<現在4才9ヶ月のヒメの反応>
 うちでの呼び名を、ロラがお友達にからかわれる場面では、「人にそんなこと言ったらダメなんだよ」と怒っています。
 以前(4才2か月のとき)と違うのは、ロラとルルが仲良くなったという結末に喜びを感じているよう。お友達と言い合いになったり謝ったりしていく中で、相手の気持ちを理解できるようになるというのを、実生活で体験していることに共感しているのだと思います。

<まつりかの感想>
 ヒメの名前は、私が考え、字画などを調べた上で、文字は夫が考えました。出産前には決めていた名前だけど、いざ産まれてみると「○○ちゃん」と呼ぶのはなんだか堅苦しいと感じるわけで、そこで初めて呼び名というのを考えます。
 すると、夫と私とでは、ヒメをこう呼びたいという意見が違う。圧倒的に一緒に過ごす時間の長い私のほうが有利に働き、ママ友達もその愛称でヒメを呼んでくれていたのですが、言葉を発するようになった時、ヒメは、自分のことを話すとき、夫がつけた愛称を使うではありませんか。そして、1才半の時に現在のところに転居したこともあって、私は自分のつけた愛称を頑なに言い続けるのにも疲れ、結局ここでは、その呼び方を封印し、ふつうに「○○ちゃん」とみんなに呼んでもらっています。
 赤ちゃん時代を過ごした所に遊びに行ったときにだけ、蘇るその愛称。でもヒメは、なじみがないため「みんなが変な呼び方をする」とご不満です。

 訳者の河野万里子さんも、あとがきに書かれているのですが、愛称のつけ方は、日本では名前の音をもとに呼びますが、欧米では小動物やかわいいものにたとえて呼ぶことが多いようです

 抱っこでないと寝かしつけられなかったヒメを、長時間揺さぶり続けるのに腰痛との戦いでした。自分の気持ちも楽になるので、歌を歌いながら抱っこをするようにしていました。
 子守唄や童謡に飽きたら、流行りの曲を歌ったり、それにも疲れたら「眠くなれ〜早く寝よ〜」とイライラをぐっと抑えて即興で鼻歌を。おかげで創作曲はたくさん出来上がりましたが、その場限りのものばかり。一曲だけ、それなりの歌に仕上がったのが、「○○(ヒメの名前)ちゃん〜、○○ちゃん〜、おかあさんのたからもの〜」というもの。抱っこでの寝かしつけの時期にしか歌っていなかったのに、3歳のときにぬいぐるみを相手にこの歌を口ずさんでいたのには驚きました。 
 この本で、ロラが「だいじなたからもの」とパパとママに言われて歓声をあげ抱きつくシーンになると、「たからもの〜の歌、歌って」と言われます。

 子どもが大きくなるにつれて、なんだか照れくさくて、大好きだよ、とか、たからものだよ、って言えなくなってくるけれど、本を通してこんな言葉をかけてあげることで、愛は伝わり、「わたしはだいじなたからもの」と、家族に必要とされている存在意義を確かにすること思います。
【2008/04/09 02:45】 | 4才児におすすめの絵本 | トラックバック(0) | コメント(6) |
さっちゃんのまほうのて
さっちゃんのまほうのて    田畑精一/作  先天性四肢障害児父母の会 野辺明子 志沢小夜子/共同制作
さっちゃんの まほうのてさっちゃんの まほうのて
たばた せいいち

偕成社 1985-10
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<どんな絵本?>
 さっちゃんの幼稚園では、今ままごと遊びが盛んです。
でも、さっちゃんはいつもお母さん役になれません。ある日、今日こそはお母さん役になろうとすると、お友達から
 「さっちゃんは おかあさんには なれないよ! だって 、てのないおかあさんなんて へんだもん」
と言われます。
悔しくて泣きながら幼稚園を飛び出して家に帰ったさっちゃんは、
「どうして みんなみたいに ゆびが ないの? どうしてなの?」
とお母さんに言います。
「・・・おなかのなかで けがをしてしまって、ゆびだけ どうしても できなかったの。 どうして おなかのなかで けがなんかしてしまうのか、 まだ だれにも わからないの。」そして、さっちゃんの手はこれからもずっと今のままであること、でもこれがお母さんの大好きなかわいい手なんだということを真剣に伝えます。
 そのことがあってしばらく幼稚園を休み、その間に、さっちゃんには弟が生まれました。
お母さんのお見舞いの帰りに、お父さんと家に帰るときに、さっちゃんは手がなくてもお母さんになれるかな?とお父さんに尋ねます。
 「・・・・なれるとも、さちこは すてきなおかあさんに なれるぞ。・・・・さちことてを つないで あるいていると、 とっても ふしぎな ちからが さちこのてから やってきて、 おとうさんのからだ いっぱいに なるんだ。 さちこのては まるで まほうのてだね。」
 
<初めて読んだ2才10ヶ月のヒメの反応>
 当時にしてはかなりの長文でしたが、最後まで聞けていました。「あなたのてには ゆびが いくつありますか?」のページで、自分の手と見比べていました。
 3才3か月のころの記録に、「読んで!と毎日持ってくる」と書いてありました。右の手とはどちらなのか、さっちゃんはジャンケンができないのはどうするのか、お星さまの役ってどんなことをするのか・・など、ヒメのこの本への関心ポイントは様々です。

<おすすめポイント>
 幼稚園児のさっちゃんが、はじめて体験する社会の偏見の目と心の葛藤。その障害と向き合って生きていくことを真剣に話す両親の姿、先生やお友達がさっちゃんを見守り、受け入れていく過程、さっちゃんの心の成長などが盛り込まれた物語。 胸に沁み入る言葉でつづられる会話文と、冒頓とした線が印象的な絵で語られています。
 
<現在4才8ヶ月のヒメの反応>
 さっちゃんの気持ちになって、悔し涙を流しながら聞いています。さっちゃんにお母さんになれないと言うお友達がいじわるで、こんなことを言う子は大嫌いだ!と言いながら。
 「もしもさっちゃんみたいに右手の指がなかったら、左手でお箸をもったり、字を書く練習をする。自転車とかも乗れるように頑張る」と言っています。
 もしお友達にさっちゃんみたいな子がいたら?と聞くと、「ちょっと怖いけど、折り紙とかできないかもしれないから作ってあげる。危ないことをしそうだったら手伝ってあげる。」
 さっちゃんが、「あした幼稚園に行く!」という場面では、「みんな待ってるよね〜きっと」と、嬉しそうに言います。

<まつりかの感想>
 講座でいつも紹介しているので、暗記できるくらいですが、毎度同じ箇所で涙で声をつまらせそうになります。
 ひさしぶりにヒメに読んでみましたが、やはり涙声になりました。4才8ヶ月のヒメには共感できるものが多いようで涙を浮かべながら聞いています。幼稚園でままごと遊びが流行っているという状況、役決めをめぐってのお友達と言い争いも日常、喧嘩が原因で幼稚園に行きたくないという気持ちもわかるようです。
 集団生活を一年経験し、いろんなお友達がいるということや、集団の中での自分の立場というのが見えてきたのでしょう、この本を読んで、いろいろな質問や意見を言ってきます。
 もしも自分がさっちゃんだったら・・と思うと、悔しくて悲しいと言い、もしもお友達にそういう手の子がいたら、「ちょっと怖い」「大丈夫?って聞いてみる。」など、ためらいの気持ちがあるようで。「でもお手伝いしてあげる。」と言うところをみると、障害のある子に偏見の目をもつことがよくないこと、もしも自分がその立場だったら悲しいということを、この本から気づいたのだと思います。

 障害者問題など、どのように伝えていけばいいのか難しいことでも、絵本なら真摯に伝えることができます。障害をもって生まれる子は多くいるということ、だれもがその可能性を持っていて、その原因はわからないことが多いということ、そのことで差別されることが多い現実や、差別はしてはならないということ・・・などが、この絵本を読むだけで、4才のヒメにさえ、伝わっているということが実感できます。
 小学校でこの本を教材に授業することも多いようですが、教えられその感想文を書くという「頭で理解する」のと、小さいころに絵本を読んでもらったことで「感じる」のとでは大きな違いがあるように思います。本当の優しさとはなにか・・・それを感じられる子どもの心を育てられればいいなと思います。 
【2008/03/19 03:34】 | 4才児におすすめの絵本 | トラックバック(0) | コメント(4) |
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プロフィール

Author:まつりか
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・まつりか(37歳)
 現在は神奈川県在住ですが、転勤族のためいろんな方言が話せます。
 子どもが生まれてから、絵本の読み聞かせの楽しさにはまり、読書記録をつけていたものを形にしたいと思ってブログを立ち上げました。
 NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師として、絵本で子育てすることの大切さをつたえていく活動をしています。
・家族
 ♪サラリーマンの夫(38歳)
 ♪2003年生まれの娘(5歳)・・結婚7年目で授かった 我が家のプリンセス。
 通称:ヒメ。幼稚園の年中さんです。 

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